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ここは魔法使いが住む世界
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「すごい…。木が高い。」
わたしはぽつっとつぶやいた。周りにある木は見た感じだと100mくらいあって、見慣れた日本の木より何倍も高い。わたしが知ってるところとは違うところに来てしまったんだなと思った。
今、わたしはお母さんに連れられ、魔法使いが住むという世界にやってきていた。わたしが知ってる世界とは全然違うところにある…らしい。わたしはただお母さんの後ろについて来ただけだから、よく分からなかったけれど。
「お母さん、ここの木は高いね。木の影で薄暗く感じる。」
「そうよ。こっちの世界の木は高く育つのよ。魔法使いは基本、ほうきで飛んで木の上を移動するから、暗く感じたことはなかったけどね。」
「お母さんは飛べないの?」
「飛べるけど、今はほうきを持ってないし、あったとしてもこの大荷物だと大変ね。」
わたしは大きめのリュックを背負っていて、お母さんはリュックとさらにキャリーバッグも転がしている。地面が整備されてないので、ガタガタ大きな音をたてていた。
「そっかぁ。」
「一応、迎えは頼んだのよ…。まだかしらね?」
「誰か来てくれるの?」
「そう。わたしの姉が来てくれることになってるの。息子も一緒に来てくれるみたいなんだけど。」
遅れているみたいね、とお母さんはつぶやく。
「お母さんのお姉さん?会うの楽しみ!」
「そうね、会ったことないものね。…あら?声が聞こえないかしら?」
ふたりで耳をすませてみると、
「ユウ~!ごめーん!遅れて!!」
という声とともに髪をポニーテールにし、ほうきにまたがったお母さんより少し歳上くらいの女性が、木の上から地面の方へ下りてきた。お母さんはおっとりした雰囲気だけど、活発そうな印象を受けた。お母さんはその姿をみると、
「ユカ姉さん!ひさしぶりね~、元気だった?」
と嬉しそうな顔で声をかけた。最近のお母さんはどこか無理した笑顔のように見えてたから、本当に嬉しそうな顔でわたしは少しほっとした。
「もちろん!元気元気!!」
ユカ姉さんと呼ばれた女性はお母さんの声に答えてから、わたしの方に向き直って、
「あなたがマユちゃんね。あなたのお母さんの姉、あなたにとってはおばさんになるわね。ユカよ、よろしくね。」
柔らかい笑顔を浮かべた。あ、お母さんと笑い方が一緒だ。口角の上がり方とか、目尻が垂れて、えくぼが出来る。とても優しい表情。
「はじめまして、真優です。」
わたしも自然と笑顔になる。
「…っとそんな話はよくて!ユウ、急ぐわよ!約束の時間に遅れちゃう!キャリーバッグ貸して!リュック背負ったまま、わたしの後ろに乗って!…あぁ!やっぱりマユちゃんはわたしのほうきにのせてあげられないわ。」
ユカおばさんは慌てた様子になり、早口で喋りながらてきぱきとキャリーバッグをほうきにぶら下げ、お母さんをほうきの後ろにのせた。
お母さんは、相変わらずね~、と呟きながらされるがままといった様子だ。わたしはテンポについていけず、ただながめるだけになってしまう。
「んもう!レイーー!はやく下りてきなさいっ!」
ユカおばさんは木の上の方に向かって叫んでから、わたしに向かって、
「マユちゃんのことは、レイに頼んであるからね!あ、レイはわたしの息子ね?とりあえず、詳しいことはあとで話すから!今は先に行っちゃうわね!じゃあ後でね。」
と告げると、ふわり、とふたりがまたがっているほうきが浮かび上がった。そのまま上昇し、あっという間に木の上まで行ってしまった。
わたしはぽつっとつぶやいた。周りにある木は見た感じだと100mくらいあって、見慣れた日本の木より何倍も高い。わたしが知ってるところとは違うところに来てしまったんだなと思った。
今、わたしはお母さんに連れられ、魔法使いが住むという世界にやってきていた。わたしが知ってる世界とは全然違うところにある…らしい。わたしはただお母さんの後ろについて来ただけだから、よく分からなかったけれど。
「お母さん、ここの木は高いね。木の影で薄暗く感じる。」
「そうよ。こっちの世界の木は高く育つのよ。魔法使いは基本、ほうきで飛んで木の上を移動するから、暗く感じたことはなかったけどね。」
「お母さんは飛べないの?」
「飛べるけど、今はほうきを持ってないし、あったとしてもこの大荷物だと大変ね。」
わたしは大きめのリュックを背負っていて、お母さんはリュックとさらにキャリーバッグも転がしている。地面が整備されてないので、ガタガタ大きな音をたてていた。
「そっかぁ。」
「一応、迎えは頼んだのよ…。まだかしらね?」
「誰か来てくれるの?」
「そう。わたしの姉が来てくれることになってるの。息子も一緒に来てくれるみたいなんだけど。」
遅れているみたいね、とお母さんはつぶやく。
「お母さんのお姉さん?会うの楽しみ!」
「そうね、会ったことないものね。…あら?声が聞こえないかしら?」
ふたりで耳をすませてみると、
「ユウ~!ごめーん!遅れて!!」
という声とともに髪をポニーテールにし、ほうきにまたがったお母さんより少し歳上くらいの女性が、木の上から地面の方へ下りてきた。お母さんはおっとりした雰囲気だけど、活発そうな印象を受けた。お母さんはその姿をみると、
「ユカ姉さん!ひさしぶりね~、元気だった?」
と嬉しそうな顔で声をかけた。最近のお母さんはどこか無理した笑顔のように見えてたから、本当に嬉しそうな顔でわたしは少しほっとした。
「もちろん!元気元気!!」
ユカ姉さんと呼ばれた女性はお母さんの声に答えてから、わたしの方に向き直って、
「あなたがマユちゃんね。あなたのお母さんの姉、あなたにとってはおばさんになるわね。ユカよ、よろしくね。」
柔らかい笑顔を浮かべた。あ、お母さんと笑い方が一緒だ。口角の上がり方とか、目尻が垂れて、えくぼが出来る。とても優しい表情。
「はじめまして、真優です。」
わたしも自然と笑顔になる。
「…っとそんな話はよくて!ユウ、急ぐわよ!約束の時間に遅れちゃう!キャリーバッグ貸して!リュック背負ったまま、わたしの後ろに乗って!…あぁ!やっぱりマユちゃんはわたしのほうきにのせてあげられないわ。」
ユカおばさんは慌てた様子になり、早口で喋りながらてきぱきとキャリーバッグをほうきにぶら下げ、お母さんをほうきの後ろにのせた。
お母さんは、相変わらずね~、と呟きながらされるがままといった様子だ。わたしはテンポについていけず、ただながめるだけになってしまう。
「んもう!レイーー!はやく下りてきなさいっ!」
ユカおばさんは木の上の方に向かって叫んでから、わたしに向かって、
「マユちゃんのことは、レイに頼んであるからね!あ、レイはわたしの息子ね?とりあえず、詳しいことはあとで話すから!今は先に行っちゃうわね!じゃあ後でね。」
と告げると、ふわり、とふたりがまたがっているほうきが浮かび上がった。そのまま上昇し、あっという間に木の上まで行ってしまった。
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