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夢
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レイくんから初めて名前を呼ばれた気がする。この世界に来て、レイくんと会ってからのことがサアーと頭の中に流れた。揶揄う人がいても、毎回ほうきに乗せてくれた。わたしが困らないように、立ち回ってくれていた。レイくんを置いて逃げない!ゆっくりと身体を動かして、レイくんとアキラくんの前に立つ。
「マユ…!?」「マユちゃん!?」
「わたしはまだまだ魔法使いこなせないけど、でも大切な人は絶対に守りたい!!」
身体中が熱くなる。なんとなくだけど、あのミニドラゴンの火を消滅させられる気がした。わたしの顔を見たレイくんは、わたしが逃げる気はないと察したようで、身体を引きずりながらわたしに近づき、手を握った。
「ありがとう。」
レイくんはお礼の言葉を言った後、魔法を唱え始める。ミニドラゴンの口にある火は大きくなり、いよいよ吐き出された。わたし達の方に向かってくる。
「レイ!マユちゃん!!」
後ろではアキラくんが叫んでいたが、わたしに恐怖は無かった。次の瞬間。ものすごい衝撃が身体に当たって、耐えきれずよろけたが、隣の手が支えてくれた。いつの間にか目を閉じていたようで、目を開けると、火は消えていた。
「何が…起きた?」
アキラくんの掠れた声が後ろから聞こえた。わたしの隣ではレイくんが魔法を唱え終えて、放った。
「ギュアアッ!!」
ミニドラゴンに命中して、大きなダメージは与えられたみたいだったが、逃げる力は残っていたようで、どんどん遠ざかっていく。レイくんはわたしの力を信じて、ミニドラゴンへの攻撃を準備してくれていた。
「…逃げられた。」
レイくんは悔しそうだったけど、こちらも追いかける気力はない。ミニドラゴンが完全に姿を消した後に、身体の力を抜いてからわたしに向き直った。
「助かった、ありがとう。」
口元を緩めてお礼を伝えて来る。しかしその後、とても険しい顔をして、
「すごい危険なことだった。」
とも言ってくる。
「レイの言う通りだ。なんとかなったからいいものの…本当に危なかったんだぞ。心臓が止まるかと思った。」
アキラくんまで同調してくる。
「それは…ごめんなさい。反省します。」
わたしがしょげていると、2人は許してくれたようだった。雰囲気を変えるようにアキラくんは声を張り上げる。
「疲れたし、昼寝でもしようぜ!」
「うん!」
ほうきに乗る元気はまだないので、みんなで草原で寝転んぶ。レイくんはこちらに目を向けた。
「マユ、身体の調子は平気?」
「うん。疲れてはいるけど。」
毎回倒れているので、心配してくれたようだ。そしてわたしと目を合わせたまま、真剣な声を出した。
「…推測だけど、マユの魔法は分解なんじゃないかな。」
「分解?」
「マノモノの力を分解。毒の効果を分解。今は火の魔法を分解。」
「なるほど。」
「大きめの魔法は分解してしまうから、初歩的な魔法以外は使えないのかも。」
「そんなぁ…。これからも初級魔法しか使えないの?」
「まだ分からないけど。」
「悲しい…。」
それにしても、とレイくんがとても小さく呟いた。
「何?」
わたしが聞き返すと、ハッとしたように「なんでもない。」と言った。気になったけど、眠くて瞼が下りてきて、そのまま昼寝に突入してしまった。
マユの寝息が聞こえた後、アキラが「さっき言いかけたこと何?」とレイに聞く。「…今回の件は人為的な力を感じる。」アキラとレイは2人で頷いた。
昼寝から目を覚ますと、辺りは夕日色に染まっていた。その景色を眺めながら、わたしは宣言する。
「わたし、決めた。将来は討伐隊に入る!」
それを聞いたレイくんは頷いた。
「うん、俺も。」
「そうなの?どうして?」
「マユが危なっかしいから、ほっとけない。」
「えっ、わたし?そんな理由?」
「そう。」
「だめだよ!レイくんにはもっといろいろある!」
「いい。俺が勝手にそうしたいだけ。」
「…ありがとう。」
レイくんが意見を曲げるつもりないと感じ、素直にお礼を言う。
「俺もだからな!!」
アキラくんも討伐隊らしい。
「うん!みんなで行こう!」
「マユ…!?」「マユちゃん!?」
「わたしはまだまだ魔法使いこなせないけど、でも大切な人は絶対に守りたい!!」
身体中が熱くなる。なんとなくだけど、あのミニドラゴンの火を消滅させられる気がした。わたしの顔を見たレイくんは、わたしが逃げる気はないと察したようで、身体を引きずりながらわたしに近づき、手を握った。
「ありがとう。」
レイくんはお礼の言葉を言った後、魔法を唱え始める。ミニドラゴンの口にある火は大きくなり、いよいよ吐き出された。わたし達の方に向かってくる。
「レイ!マユちゃん!!」
後ろではアキラくんが叫んでいたが、わたしに恐怖は無かった。次の瞬間。ものすごい衝撃が身体に当たって、耐えきれずよろけたが、隣の手が支えてくれた。いつの間にか目を閉じていたようで、目を開けると、火は消えていた。
「何が…起きた?」
アキラくんの掠れた声が後ろから聞こえた。わたしの隣ではレイくんが魔法を唱え終えて、放った。
「ギュアアッ!!」
ミニドラゴンに命中して、大きなダメージは与えられたみたいだったが、逃げる力は残っていたようで、どんどん遠ざかっていく。レイくんはわたしの力を信じて、ミニドラゴンへの攻撃を準備してくれていた。
「…逃げられた。」
レイくんは悔しそうだったけど、こちらも追いかける気力はない。ミニドラゴンが完全に姿を消した後に、身体の力を抜いてからわたしに向き直った。
「助かった、ありがとう。」
口元を緩めてお礼を伝えて来る。しかしその後、とても険しい顔をして、
「すごい危険なことだった。」
とも言ってくる。
「レイの言う通りだ。なんとかなったからいいものの…本当に危なかったんだぞ。心臓が止まるかと思った。」
アキラくんまで同調してくる。
「それは…ごめんなさい。反省します。」
わたしがしょげていると、2人は許してくれたようだった。雰囲気を変えるようにアキラくんは声を張り上げる。
「疲れたし、昼寝でもしようぜ!」
「うん!」
ほうきに乗る元気はまだないので、みんなで草原で寝転んぶ。レイくんはこちらに目を向けた。
「マユ、身体の調子は平気?」
「うん。疲れてはいるけど。」
毎回倒れているので、心配してくれたようだ。そしてわたしと目を合わせたまま、真剣な声を出した。
「…推測だけど、マユの魔法は分解なんじゃないかな。」
「分解?」
「マノモノの力を分解。毒の効果を分解。今は火の魔法を分解。」
「なるほど。」
「大きめの魔法は分解してしまうから、初歩的な魔法以外は使えないのかも。」
「そんなぁ…。これからも初級魔法しか使えないの?」
「まだ分からないけど。」
「悲しい…。」
それにしても、とレイくんがとても小さく呟いた。
「何?」
わたしが聞き返すと、ハッとしたように「なんでもない。」と言った。気になったけど、眠くて瞼が下りてきて、そのまま昼寝に突入してしまった。
マユの寝息が聞こえた後、アキラが「さっき言いかけたこと何?」とレイに聞く。「…今回の件は人為的な力を感じる。」アキラとレイは2人で頷いた。
昼寝から目を覚ますと、辺りは夕日色に染まっていた。その景色を眺めながら、わたしは宣言する。
「わたし、決めた。将来は討伐隊に入る!」
それを聞いたレイくんは頷いた。
「うん、俺も。」
「そうなの?どうして?」
「マユが危なっかしいから、ほっとけない。」
「えっ、わたし?そんな理由?」
「そう。」
「だめだよ!レイくんにはもっといろいろある!」
「いい。俺が勝手にそうしたいだけ。」
「…ありがとう。」
レイくんが意見を曲げるつもりないと感じ、素直にお礼を言う。
「俺もだからな!!」
アキラくんも討伐隊らしい。
「うん!みんなで行こう!」
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