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学校

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 授業は色々な授業があった。魔法の実践はもちろん、魔法についての歴史を学ぶ魔法史学、魔ノモノ対策として生物学、そしてわたしがいた世界と同じで、現代文、物理や現代社会もあった。

 そして気付いたことが1つ。こちらの世界の文字が全然違うので読めそうになかった…のだが、指で文字をなぞっていると、読める文字に変わった。体が暖かくなり、魔法を使ったのだと思われる。あとでレイくんやお母さんにも伝えよう。

 授業では、レイくんが優秀なことが分かった。魔法実践の授業で、先生から、
「レイくん、やってみせて。」
 とレイくんを指名した。レイくんは、迷わず魔法を唱えて、成功していた。
「さすがレイだな。」
 と近くの席の男の子が言ったので顔を向けると、朝、「彼女なの?」と聞いてきた男の子だ!
「レイくんって、魔法得意なの?」
 とわたしが聞くと、
「知らなかったのか?レイはなんでもできるよ。総合科にいるのがもったいないくらい。」
 と言っていた。総合科や他の科のことは
 分からなかったが、授業中でそれ以上聞けなかった。

 なんとか初日の全部の授業に参加はした。全然分からないことだらけだし、魔法はうまく使えなかったけど。

「帰ろう。」
 私の席にレイくんが近付いてきて、声をかけてくれた。
 クラスメイトが一瞬ざわついた気がしたが、レイくんは気にしていないようだ。
 外に出て行こうとするので、ついていく。
「帰りはわたしがほうきの後ろでもいい?」と聞くと、
「前。」と一言だけ言った。

 仕方なく、朝と同様ほうきの前に乗り、気を紛らすために話しかける。
「総合科ってすごくないの?」
「そう思わないけど、そう思っている人は多いかも。」
 レイくん無視はしないけど、言葉が少ない。
「レイくんはなんで総合科を選んだの?実力あるのにもったいないってクラスの子が言ってたよ?」
「特別やりたいと思うことがなくて。だったら全部バランスよくやっておきたかった。」


 家に帰ってから、お母さんとユカおばさんに聞いたところによると、学校は将来に大きく関わってくるという。仕事は普通に受付、事務とかスーパー、飲食店とかこっちの世界と変わらない職業もあるみたいだが、その他にマノモノ対策で、研究員とか街を守る騎士、被害があるところに出向く討伐隊とかあるそう。
 そして、それぞれ就きたい仕事に特化した科があり、マノモノの生態の研究に特化した科や、体術や剣術に特化した科、魔術の攻撃、防御に特化した科など他にも様々な科があり、選ぶ科によって、特定の職業に就きやすくなるという。総合科は全部をバランスよく学ぶが、職業先には繋がりにくいみたいだ。

 レイくんは、将来の夢とかないのかな?
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