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12.突撃!殿下が晩御飯‼
しおりを挟む「あらあら、まあまあ、いらっしゃいませ!えーと、クリスタル王女殿下?美人だわ!アーサー王太子殿下は昔から知ってるけど、男前に磨きがかかったわねぇ?やだわ、年寄りみたいっ」
母さんは、十分年寄りっぽいよ。
最近エリンとか王族に慣れて、なんかいきなりこんなだよ…。二人はちょっと引いてる。驚くのが見たかったんじゃないかな?
「え?久しぶり兄さん?いらっしゃい!」
エリン好意的にキッチンから顔を出すのはいいが…その手に持っているのは包丁なのか?恐ろしい。
「エリンちゃんと夕飯作ってたのよ~」
食べれるものだろうか?消す炭たちじゃないことを祈ろう。
「エリンちゃん、そっちをお願いね!」
「は~い」
「娘と一緒に料理ってのも夢だったのよ~。それなのに息子なんだもん。楽しくないわよね!」
「リチャード様は素敵ですよ?」
「嫁の欲目よ!」
親の欲目はないのか?
そうして現れた晩御飯は俺はよく食べるものだった。普通に温かい。
どこからともなく現れた毒見役の人が先に食べる。
「失礼ね~。毒なんて入れてないわよ!私だってこれから食べるのに。だいたい普段食べているものよ?」
と、エリンは怒った。まぁ、そうだろうな。せっかく作ったのに、早く食べないと冷めちゃうし。
「どうぞ、殿下達も召し上がれ。ほら、リチャード様も!」
食卓に上がった料理たちは彩も鮮やかで、ここ数日母さんに料理をみっちり教わったらしい。「いっつもご馳走になってばかりなのは辛い」と、言って。
俺にとってはいつもの料理なのに、アースのやつ余計な事を。
「エリン、料理できるようになったのか?昔、お前にもらったクッキーはものすごい硬さだったもんな」
「いつの話ですか?」
エリンは笑ってるけど、目が笑ってないぞ。アースのせいで怖いじゃないか!
「うーん確か、エリンが5才くらいの時か?」
「今より10年近く前の話ですね?料理はここに嫁いでから、お義母様からみっちり教わりました」
「今日の料理は美味しいよ」
「エリン様に会えて、光栄ですわ」
「私は臣下に降嫁した身ですもの。特に関係はないですよ?」
「でも、アーサー王太子殿下の妹君という事実は変わらないでしょう?お会いしたかったのです。立派な淑女で素敵ですわ。私も見習いたいくらい」
あー、それ俺が矯正したんだよなぁ。エリンにとっては黒歴史か?王宮の教育で今の状態になったわけじゃないからなぁ。
「私はリチャード様に矯正されて現在のような淑女の振る舞いが出来るようになったのですよ?」
「??リチャード様が??」
「エリン、言っていいのか?」
エリンが首肯したので、俺はクリス様に伝えた。
「あー、エリンは昔たいへんワガママなブラコンでアースに突撃して抱きつくような姫君だったんだが、俺が3・4年かけて矯正した。同時進行で王宮の王女教育も進められてて、今のエリンが完成。国王陛下に大変喜ばれ、その功績でこの家・エイプリル家に侯爵の爵位が授与されたってわけだ」
あってるよな?ドキドキするぞ?
「まあ。色々あったのですね。その上でのエリン様。素敵です。その矯正されているうちにエリン様はリチャード様のことが?」
ああ、色恋沙汰に話を持って行かれた。
「え、ええ。まあ」
「その想いにリチャード様は応えたのですね?素敵!」
うーん、稀有な例だと思う。
それにしても―――アースは会話に入ってこないなぁ。本当にヘタレになったのか?元々ヘタレなのか?
「クリス様はエリンと違ってそのままで十分淑女ですよ」
クリス様が赤面してしまった。おお、イケメンは言葉の重みが違うのか?突然の一言がクリス様の心臓にクリーンヒット!
「兄さまなんか冷たいものでも食べるといいわ!」
みんながまだ温かいものを食べているというのに、アースにはデザートのソルベが出された。エリンを怒らせるといけないよ。
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