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11.達観している令嬢
しおりを挟む長時間にわたる学園長の拘束(相談?)から解放されると、何やら教室が不穏な空気に包まれています。
「ほら、きっと学園長と体の交渉があったのよ!」と明らかに挑発をしてくるのは、反皇帝派の家門の子。
学園長は結構なお歳を召した方です。
私にも選択権があるのですが?私は同世代かちょっと年上程度の方が良いと思いますが?
そして、あまりにも明らか過ぎる挑発に乗るほど愚かではありません。
同じクラスの方も『反皇帝派だからな……』という目で彼女を見ています。彼女に賛同して話が盛り上がるという事はありません。
「何なのよ?それなら今まで何をしていたのよ?」
カフェの経営についてと弁当持参についての話をしていたのだけれど、これは学園の内部に関わる事なので気安く話すわけにはいきませんね。
「学園の経営についてです」
私は無難に応えました。しかしながら、彼女は納得がいかなかったようで
「なんで一生徒の貴女が学園の経営について口を挟むのよ?」
弁当持参を始めたのが私だったからだけど、あまり深掘りされるのは迷惑ですね。
「私が口を挟むことが不満でしょうか?これでも成績では学年の首席だと思っていましたが?」
「~……!!」
なんとか治めました。迷惑な子ですね。
その日の夕食の場にて、毎日学園であったことを報告してねとフェロー様が仰られました。今日は私が弁当を持参するようになって、カフェの利用者が減ってことでカフェの収益が減ったと学園長から相談を受けた。という話をしました。
「何よ~。コリーナちゃんは全然悪くないじゃない!」
私は悪者にされたとは言ってないですよ?
「弁当持参を始めたのが私だっただけです。それで呼び出されたのです。静かに食べることを目的にしていたのですがね……」
「なんだ?煩かったのか?」
「まぁ……。どこのか知らないですけど、令息たちには相席を要求され、遠くからは令嬢から睨む視線を受け、ゆっくりランチという時間ではなかったですね。それで、弁当を持参して自由にどこでも食べることが可能になったのですが……」
「今度はカフェの収益の問題か?」
「その通りです。弁当では叶わない、飲み物やデザートのバリエーションを増やしては?という案を出しました」
「なるほど、了解した。学園は王立だからな」
後日、学園の問題と解決策についてフェロー様の手元にも書類が届いた。
「フムフム、なるほど。コリーナ嬢から聞いていた通りだな。はぁ?学園長か?まぁ、コリーナ嬢の話も聞くか……」
フェロー様がわざわざ学園の方まで顔を出して下さった。
「コリーナ嬢はいるか?」
「は?」
「コリーナ嬢だよ。コリーナ=ホウジョウ嬢だ」
今度は学園内でフェロー様に呼び出されてしまったのです。
「コリーナ嬢、先ほど私の手元にもカフェの問題点と解決策を書いた書類が手元に来た。それによるとだなぁ。先日コリーナ嬢から直接聞いたはずの解決策が学園長の発案で提出されている」
まぁ、そうでしょうね。学園長も手柄が欲しいでしょうし。
「そうですね。会議でこの書類が手元に出たなら、小娘の意見よりも学園長の意見として解決策が示された方が支持されるんじゃないでしょうか?私は特に出世したいわけでも、手柄が欲しいわけでもありません」
「私の取りこし苦労か……」
「ご心配をおかけしました」
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