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第3話
しおりを挟む「ここらで外界に出てみようと思うんだ」
「どうやって?俺の尻か?」
それは嫌だ。
「できれば口から出たい……」
「ま、そうだよなぁ。俺だって、糞まみれはイヤだなぁ」
たいていそうだろう。そもそも、龍己の大腸とか長そう。ちょっとしたダンジョンのような……。
「ボロボロになってはいるけど、剣があるし、龍己が寝てる間に出れないかな~とか思ってる」
「普段は胃酸の逆流を防ぐ奴が門のところにいるはずだけど……正己なら楽勝か。胃酸と共に口から出る事のないことを祈ってるよ」
恐ろしいことを祈られた。
その日の夜(だと思う)、龍己が寝たのを見計らって俺は外界に出ようと、龍己から聞いていた門のところにやって来た。
「胃酸でもないのに、この門を通りたいと?主の許可は取っているんだろうな?」
「証明は出来ないけど取ってる。この先の食道を通って、口から外界へと出るつもりだ。俺のレベルも-37になったしな」
「はぁ?マイナスぅ?そんな人間初めて見た」
「まぁ、この胃の中でずっと訓練してたからな。そういうわけで、この門を通っていいか?」
「本来なら、戦闘したいところだが、レベルがマイナスの人間と戦う趣味はない。絶対に負けるからな。俺のレベルは2だ」
それでもかなり高いと思うけど、マイナスに比べたらなぁ。
それからというもの、俺は長い道のりとなった食道を通り、口から出た。
龍己……口臭酷いなぁ。歯磨きを教えよう。このままじゃ自慢の牙もダメになっちまう。
俺は龍己の傍らで(臭いけど)、一夜を明かした。
「龍己、おはよう。改めて初めまして。俺は須藤正己。レベルはえーとマイナス37」
「本当に小童だなぁ。なんだ?いい匂い」
「龍己には足りないだろうけど、朝起きてすぐはこういうので胃を起こすのが体にいいんだよ?」
「ほう、正己は博識だな」
陰キャでオタクなんです。
龍己の鱗が朝日を浴びてキラキラしてる……汗?
「龍己……シャワー、は無いなぁ。水浴びした方がいいよ」
「そ、そうか?」
龍己が水浴びをしてる間にステータスでも見ようかな。
「浴びてきたぞ!」
…早いよ。早風呂とかあるけど、その仲間?
「さあ、これを食べて」
鍋を一気飲み。え?まさかの鍋ごと?
「少ない……」
そうでしょうとも。朝食とは違うからね。
「あ、そうだ。悲しいお知らせ。龍己、口臭が物凄いよ。これじゃあ番に嫌われちゃうよ。毎度歯を磨かないと!自慢のその牙だって、抜け落ちちゃうかもしれないよ~」
「それは恐ろしい。それはどこ知識?」
「異世界に来る前の世界の常識みたいな感じかな?」
「常識なのか?そいつは大変だ。仲間が近寄らなかったのは、口臭が原因なのか!」
え~!既に前科あり?番とかヤバくない?
さて、ステータス。
俺のレベルは-48。うわ、上がってるし。外界に出たってあるのかな?その他のステータスは…と。体力:計測不可能。 知力:計測不可能 敏捷性:計測不可能 etc.
全部計測不可能。どういうこと?
『外界でのデータがないので計測が出来ないとのことです』
俺はてっきり阿呆認定されたか、もしくは、最強になったのかと思った。
「いや、俺の胃から出てきたんだから最強だろう?」
そうなのか?
「今まで出てきた奴いないし」
出ようとしたやつがいなかったんじゃ…?
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