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第6話
しおりを挟むいつの世も、自分が飼っているペットが最高で一番可愛いもので近所迷惑千万!
「はぁ、前回に引き続き無償なんだけどここに響く鳴き声なのは迷惑ね。幼子が泣いてるのは可愛らしいけど、小型犬でしょ?キチンと躾していないのかしら?大神君、何を言ってるかわかる?」
「小型犬の分際で「俺がこの辺で一番なんだよ?わかったらどけろよ!」だそうです」
「躾け直した方が良さそうね。この辺で一番なのはこの私よ?」
社長、コワイ。
「大神君!ちょっと外に出るわよ。ちょっと狼王の気を放ってあの小型犬をビビらせて真のこの辺のボスが誰なのかわからせてくれればいいから。本来の大きさの大神君ってどのくらいの大きさなの?」
北欧神話での大神君はフェンリルって名前で一国を一飲みにしたらしいから相当な大きさでは?
「俺の大きさですか?そうですね……太平洋くらい?俺、泳げないんですけど、アハハ」
運動神経いいのに泳げないの?ってそうじゃなくて、太平洋って本来の大きさになったら大変!日本壊滅!
「気を放出してこの辺のボスをわからせればいいんですよね?了解です」
「こっちも支出の無い仕事(?)で楽だわ~。近所に貢献しちゃうし♪それじゃあ、行くわよ!」
二人は外に出て行った。
無駄吠えをしている駄犬の前に立ちふさがった。
「やっぱりうちのハリーちゃんは可愛いわよねぇ。わざわざビルの中から出てくるなんて!」
そうやって甘やかすから駄犬に育ったんでしょうに。
「いえいえ、ちょっと無駄吠えが近所迷惑だったので、躾をし直しに来ましたの。ご安心を。触りませんので。大神君、お願い!」
大神君が気を放出したみたい。ビルの窓ガラスまでガタガタいってるよ。割れちゃうから、やりすぎに注意だね。
大神君曰く、「無駄吠えうるせーんだよ!お前なんてシバこうと思えばいつでもできる。この辺のボスはここにいらっしゃる社長だ!覚えておくことだな。この辺で無駄吠えをしようものならボスが放っておかねーぞ?」と念を送ったらしい。ここら辺のイヌ属全体に伝わったんじゃないか?って話だった。
どこまで伝わったんだろう?
この付近で無駄吠えをする小型犬、及び犬はいなくなり、社長が犬の傍を通ると犬が一様に伏せをするようになりました。
そんな状態に社長はご満悦のようです。
「大神君、どこまで伝わったの?」
「俺もわかんねーんだよな。社長が通りすがればわかるんじゃね?」
確かに、社長が通りすがれば伏せをするから、よくわかる。
「ところでさぁ。来週くらいから、男子は水泳授業だけど大丈夫?」
「マジかよ~!!」
大神君は本当に泳げないようです…。
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