高いヒールが世界を救う?!

satomi

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2.ジル王国に行くことになりました。

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 放課後になると、オーディン様がわざわざ迎えに来てくださいました。
「すみません。わざわざお手数おかけしてしまって」
 恥ずかしく頬が紅潮してしまう。
「俺がしたくてしてるんだ。それより、ロワール家の昼食は美味しかったぞ」
 ひえ~~っ!うちの貧しい昼食を王太子様にご馳走なんて畏れ多い。
 お父様、今頃胃が痛いんじゃないかしら?

 そう言いながら、私はオーディン様と帰宅することになった。
―――「どうしてあんな地味子がジル王家のオーディン様と一緒に帰宅?」等の声がしているとはつゆ知らず…

 お父様曰くの話で驚いた。
 なんと!うちのような傾いた侯爵家が隣国ジル王国の王宮に招待されたという話だ。
「オーディン様、本当ですか?何故?」
「ん~?この国のロロ嬢への扱いがちょっと気に入らなかったからかなぁ?」
 それは何?


 あれよあれよと我が家の人間、といっても私とお父様(お母様は私が幼い頃に亡くなりました)しかいないけど、がジル王国へと行くことになった。
 お父様、お母様の遺影を持って行くのですね?

 なんだか座り心地の良い馬車に揺られること数時間!…だと思う。途中座り心地が良くて眠ってしまったので正確な時間はわかりません!
 午前中だったのが「夕日かなぁ?」くらいの時間です。

 ジル王国はロール王国よりも栄えていて驚きです。
 自分は井の中の蛙だったのだなぁと思います。

「今日はもう夕方になってしまったね。王宮での食事を食べたら、ゆっくりお休みください」

 はっ、マナー!マナーはちゃんと出来てるでしょうか?
 いつもは傾いた家でマナーも気にせずに食事もしているから……。
 今こそ、婚約者として王子妃教育でみっちりと仕込まれたマナーを駆使するのよ!といきごんだものの食事は家族のみ。つまり、私とお父様だけ。しかも客室に料理が運ばれるという形だった。
 ならば、誰に見られるわけでもないしというわけで、いつものように食事をした。
 そもそも食事のマナーに関しては私は学んだけれど、お父様は知識あるのかなぁ?という感じだから、オーディン様の配慮は物凄く助かります。

 客室について、ベッドはふかふか。私の理性と睡魔を戦わせる仕様?
 お父様は何故か無邪気に遊んでます。…侍女とか護衛騎士が部屋にいなくて良かったぁ。
 そんななので良質な睡眠を摂る事ができました。

 翌日はオーディン様が侍女集団を連れて来てくれました。
「私は侍女長をしていますリリスと申します」
「その妹のイシスです」
「ウルです」
「エリーゼで~す」
「オルリと申します」
 なんだか個性のある5人を連れていらっしゃったが、どうしたんだろう?
 親子で何かやらかした?
 まさか!?お父様が昨日はしゃいだベッドに不具合が生じたとか?
 弁償…うちにお金ないわよ!お父様、どうするのよ~~!!


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