1 / 10
1.小鳥遊楓、17才
しおりを挟む「気を付けろよ、お前は昔っからおっちょこちょいで俺達がどんなに心配したことか!」
「もう、樹兄は心配性だなぁ。大丈夫だよぉ」
我が家は両親が5年前に他界。それからというもの両親から引き継いだ小鳥遊弁護士事務所を樹兄が切り盛りし、私を含め5人兄妹で生活してきた。
我が家は、長男・樹(32)、次男・柾(24)、三男・椎(22)、四男・㮶(19)、私が長女・楓(17)で、弁護士として働ける者は弁護士として、その他も補助をすることで事務所を維持している。
樹兄は随分前から両親と共に働いていたようで、昔からの馴染みの顧客さんにも顔が聞く。
尚、昔からの馴染みの顧客さんはうちの5人兄妹のこともご存じ。
「樹君も柾君もまだ結婚しないのかい?弁護士としてもう結構大丈夫だろう?」
「我が家を守るという役割もありますから」
と、言って結婚を回避している。
私は小姑さんになるつもりはないし、どっちかというと…はやく甥もしくは姪をみたいなぁ。などと思うのです。
椎兄と㮶兄は今のところ、事務所でバイト?雑務をしています。
「楓…常々これは思っていることなのだが…。いつになったら俺達、兄のことを『兄さん』と呼んでくれるんだ?嫌なら『兄ちゃま』でもいいんだぞ?」
「……弁護士試験をパスしたんだよね、樹兄。何を頭の悪いことを言ってんの?まさか樹兄だけじゃなくみんな思ってる?」
そんな阿呆な会話をし、樹兄に大丈夫と言った矢先に階段を踏み外し、あっさりと私は亡くなったのです。
享年17才。
若過ぎ。兄達泣き過ぎ。前からシスコンの気はあったけど、公の場で前面に出し過ぎ。
「楓のいない世界なんて、モノトーンだぁー!!」
そういうことは彼女に言ってください、㮶兄……。
「楓……ドジにも程があるだろう?」
冷静にツッコみ過ぎです、樹兄。
残りの二人の兄達もなんだか彼女に向けるような事を私の骨壺に言ってました。
ところで、私はどうしてこんなに冷静に自分の死を見ているのでしょう?
ここはどこ?
「気づくのが遅すぎで僕はちょっと傷つく……。えーと、ここはですね」
「あー!『生と死の狭間』ってやつ?」
「……僕が言おうとしていたことを。まあいいです。そうなんですよ。後悔はないですか?」
「強いて言うなら、兄達の子供に会いたかったなぁ。ってくらい?」
「それなら、ほら」
そう言ってその神々しい男は映像で兄達の子供(?)をみせてくれた。
「あの新生児室じゃわからないんで、もうちょっと成長して、できればどの兄の子かわかるようにして欲しいです。ほら、4人も兄がいるんで」
「僕に要求をしてくる人はなかなかいないですよ。あなたはなかなか神経が図太いようだ」
「あの4人と生活してるとこうなるんですよ」
その後見せてもらった映像によると、甥と姪たちは順調に成長していき、小鳥遊弁護士事務所を発展させてくれている。
「OK。未練とかなくなった。この後はどうなるの?」
「転生ですけど……。そうですね、面白そうなのでこの世界に転生してもらいましょう」
34
あなたにおすすめの小説
【完結】第一王子と侍従令嬢の将来の夢
かずえ
恋愛
第一王子は、常に毒を盛られ、すっかり生きることに疲れていた。子爵令嬢は目が悪く、日常生活にも支障が出るほどであったが、育児放棄され、とにかく日々を送ることに必死だった。
12歳で出会った二人は、大人になることを目標に、協力しあう契約を交わす。
馬鹿にされて追い出されたけど、スキルを有効利用しましょう
satomi
恋愛
アイスノース王国で暮らすレイカのスキルは『氷創造』。役立たずと家を追い出されてしまった。それもレイカの姉のスキルが『炎創造』。アイスノースは年中北国。わざわざスキルで氷を出さなくても…という話だ。
極寒の中追い出されたしまったレイカ。凍死しそうなところで、助けられサンドサウス王国へ行くことに…常夏のサンドサウス王国へと。
職業・聖女~稼ぐわよ!
satomi
恋愛
私は村人Aとして兄弟妹仲良く暮らしていく予定だったリリス。ある日、王都から神官がやってきて多分聖女探し。
私は聖女に認定されて、王都に連れて行かれそうになったんだけど、神官がコソコソと話しているのを耳にした。「兄弟妹なんぞ始末してしまえ!」と。
そんな人に力を使う予定はありません。
聞けば、無報酬での仕事。将来的に王妃になれるのだから。と。
ハァ?見たこともない相手との縁談なんてお断りよ!無報酬で働きまくるなんてもってのほか!
このお話、お断りします!!
今夜このパーティーをもってお前との婚約を破棄する!
satomi
恋愛
パーティーで婚約破棄といういつものパターン。違うのは、悪役令嬢とかわいこちゃんが結託して王子から金を巻き上げた。ということ。
陛下のいない隙に阿呆王子にけっこう重要書類に契約サインさせたので完璧!
悪役令嬢ポジションの主人公は隣国へと旅立つのです!
【短編】記憶を失くした令嬢が、二度目の恋に落ちるまで
夕凪ゆな
恋愛
ある雪の降る日の朝、ヴァロア伯爵家のリディアのもとに、信じられない報せが届いた。
それは、愛する婚約者、ジェイドが遠征先で負傷し、危篤であるという報せだった。
「戻ったら式を挙げよう。君の花嫁姿が、今から楽しみだ」
そう言って、結婚の誓いを残していったジェイドが、今、命を落とそうとしている。
その事実を受け入れることができないリディアは、ジェイドの命を救おうと、禁忌魔法に手を染めた。
魔女の私と聖女と呼ばれる妹〜隣国の王子様は魔女の方がお好きみたいです?!〜
海空里和
恋愛
エルダーはオスタシス王国の第二王子に婚約を破棄された。義妹のティナが聖女の力に目覚めてから、婚約者を乗り換えられたのだ。それから、家も追い出され、王宮での仕事も解雇された。
それでも母が残したハーブのお店がある!
ハーブの仕事さえ出来れば幸せなエルダーは、義妹の幸せマウントも気にせず、自由気ままに生きていた。
しかしある日、父親から隣国のロズイエ王国へ嫁ぐように言われてしまう。しかも、そのお相手には想い人がいるようで?!
聖女の力に頼りきりでハーブを蔑ろにしていた自国に限界を感じていたエルダーは、ハーブを大切にしているロズイエに希望を感じた。「じゃあ、王子様には想い人と幸せになってもらって、私はロズイエで平民としてお店をやらせてもらえば良いじゃない?!」
かくして、エルダーの仮初めの妻計画が始まった。
王子様もその計画に甘えることにしたけど……?
これは、ハーブが大好きで一人でも強く生きていきたい女の子と、相手が好きすぎてポンコツになってしまったヒーローのお話。
※こちらのお話は、小説家になろうで投稿していたものです。
【完結】運命の赤い糸が見えるようになりまして。
櫻野くるみ
恋愛
伯爵令嬢のアリシアは目を瞬かせていた。
なぜなら、突然赤い糸が見えるようになってしまったからだ。
糸は、幼馴染のジェシカの小指からびろーんと垂れていて——。
大切な幼馴染のために、くっつけおばさん……もとい、くっつけ令嬢になることを決意したアリシア。
自分の小指に赤い糸が見えないことを気にかけつつも、周囲の幸せのために行動を始める。
すると、アリシア本人にも——?
赤い糸が見えるようになったアリシアが、ハッピーエンドを迎えるお話です。
完結しました。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる