神経が図太い令嬢が婚約破棄されました

satomi

文字の大きさ
5 / 10

5.バリケード設置

しおりを挟む

「っていうか、アレックス様。乙女の寝室に昨夜忍び込んだんですか?」
「婚約者同士ならいいだろう?」
「結婚式まではダメでしょう?」
「そういうものか?母上はそうは言ってないぞ。一刻も早く孫が見たいと」
 言いそう…。
「そういうものです‼」
 私は扉の前に家具を置くなどのバリケードを作った。
 辺境に生きる猛者であるアレックス様なら、突破しそうだけど。


 ドカ、ガシャーン、ゴド


「な、何事?」
 さすがに目が覚めた。
 突破できるとは思ったけど、本当に突破してくるとは思わなかった。
「なんだ?この家具。邪魔なんだけど」
 バリケードはそういう役目だから。
「えーと、一応のバリケードを設置していました。無駄でしたけど。わかっていましたよ。だって辺境で生き抜くほどの腕ですもの、こんなもの玩具でしょう?」
「そんなに俺の侵入を拒んでるのか?」
「昨夜に話したように、結婚式までダメでしょう?」
「そうか…」
 犬!犬耳と犬尻尾で落ち込んでるのがわかる!慰めたい気持ちとここで甘い顔を見せては後がコワイという気持ちの板挟み!
 チラチラとこっちを見るのもやめて~‼

 結局絆されてしまい、同衾だけ許しました。
「それはそれで俺にとっては拷問……」
 明日の朝、アナスタシア様にいじられるんだろうなぁ。

「若いわねぇ、あんなに激しい音を立てて…。いやーん。アーニャ恥ずかしい‼」
 私が恥ずかしい。
 ん?アーニャ?
「アーニャってなんですか?」
「私の名前よぉ。アナスタシアって長いでしょ?愛称がアーニャなのよ」
 なるほど、合理的。
「でもカトリーナちゃんはいいのよ、お義母さんって呼んで」
 この瞬間、アレックス様が紅茶を吹き出してしまった。いつも冷静なのに。
 他の事では冷静なのに、この程度で吹き出すあたり、アレックス様のツボがわからない。

「あのですね、昨夜は何もありませんでしたよ。お義母さんは残念でしょうが。あの音はですね」
「こいつが俺らの部屋の間の扉の所にバリケードを作ったみたいで、俺がそれを破壊する音だ」
 家具を数点ダメにしてしまった。高価だろうなぁ。
「もう!カトリーナちゃんってば、そんなことをしてダメじゃない!」
「ほら見ろ。母上は言ってるぞ」
「私は「結婚式の後」と言いました」
 通常はそうだけど、辺境は違うのかも。辺境はいつ出動するかわかんないからなぁ。

 私は「ごちそうさま」と言い、リンゴを持ってフランのところへと行くことにした。
「私の方がオカシイかなぁ?」
 ワイバーン相手に相談する私はオカシイと思う。それはそれ。
 フランは私を咥えて背中に乗せると飛びあがった。
 私とフランの初飛行。
「うじうじ考えている時はワイバーンと飛ぶのが一番って言いたいのかな?ルートとかフランに任せるよ!」
 フランは「きゅっ」と可愛く鳴いて応えてくれた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

内気な貧乏男爵令嬢はヤンデレ殿下の寵妃となる

下菊みこと
恋愛
ヤンデレが愛しい人を搦めとるだけ。

【完結】第一王子と侍従令嬢の将来の夢

かずえ
恋愛
第一王子は、常に毒を盛られ、すっかり生きることに疲れていた。子爵令嬢は目が悪く、日常生活にも支障が出るほどであったが、育児放棄され、とにかく日々を送ることに必死だった。 12歳で出会った二人は、大人になることを目標に、協力しあう契約を交わす。

馬鹿にされて追い出されたけど、スキルを有効利用しましょう

satomi
恋愛
アイスノース王国で暮らすレイカのスキルは『氷創造』。役立たずと家を追い出されてしまった。それもレイカの姉のスキルが『炎創造』。アイスノースは年中北国。わざわざスキルで氷を出さなくても…という話だ。 極寒の中追い出されたしまったレイカ。凍死しそうなところで、助けられサンドサウス王国へ行くことに…常夏のサンドサウス王国へと。

職業・聖女~稼ぐわよ!

satomi
恋愛
私は村人Aとして兄弟妹仲良く暮らしていく予定だったリリス。ある日、王都から神官がやってきて多分聖女探し。 私は聖女に認定されて、王都に連れて行かれそうになったんだけど、神官がコソコソと話しているのを耳にした。「兄弟妹なんぞ始末してしまえ!」と。 そんな人に力を使う予定はありません。 聞けば、無報酬での仕事。将来的に王妃になれるのだから。と。 ハァ?見たこともない相手との縁談なんてお断りよ!無報酬で働きまくるなんてもってのほか! このお話、お断りします!!

今夜このパーティーをもってお前との婚約を破棄する!

satomi
恋愛
パーティーで婚約破棄といういつものパターン。違うのは、悪役令嬢とかわいこちゃんが結託して王子から金を巻き上げた。ということ。 陛下のいない隙に阿呆王子にけっこう重要書類に契約サインさせたので完璧! 悪役令嬢ポジションの主人公は隣国へと旅立つのです!

【短編】記憶を失くした令嬢が、二度目の恋に落ちるまで

夕凪ゆな
恋愛
 ある雪の降る日の朝、ヴァロア伯爵家のリディアのもとに、信じられない報せが届いた。  それは、愛する婚約者、ジェイドが遠征先で負傷し、危篤であるという報せだった。 「戻ったら式を挙げよう。君の花嫁姿が、今から楽しみだ」  そう言って、結婚の誓いを残していったジェイドが、今、命を落とそうとしている。  その事実を受け入れることができないリディアは、ジェイドの命を救おうと、禁忌魔法に手を染めた。

魔女の私と聖女と呼ばれる妹〜隣国の王子様は魔女の方がお好きみたいです?!〜

海空里和
恋愛
エルダーはオスタシス王国の第二王子に婚約を破棄された。義妹のティナが聖女の力に目覚めてから、婚約者を乗り換えられたのだ。それから、家も追い出され、王宮での仕事も解雇された。 それでも母が残したハーブのお店がある! ハーブの仕事さえ出来れば幸せなエルダーは、義妹の幸せマウントも気にせず、自由気ままに生きていた。 しかしある日、父親から隣国のロズイエ王国へ嫁ぐように言われてしまう。しかも、そのお相手には想い人がいるようで?! 聖女の力に頼りきりでハーブを蔑ろにしていた自国に限界を感じていたエルダーは、ハーブを大切にしているロズイエに希望を感じた。「じゃあ、王子様には想い人と幸せになってもらって、私はロズイエで平民としてお店をやらせてもらえば良いじゃない?!」 かくして、エルダーの仮初めの妻計画が始まった。 王子様もその計画に甘えることにしたけど……? これは、ハーブが大好きで一人でも強く生きていきたい女の子と、相手が好きすぎてポンコツになってしまったヒーローのお話。 ※こちらのお話は、小説家になろうで投稿していたものです。

【完結】運命の赤い糸が見えるようになりまして。

櫻野くるみ
恋愛
伯爵令嬢のアリシアは目を瞬かせていた。 なぜなら、突然赤い糸が見えるようになってしまったからだ。 糸は、幼馴染のジェシカの小指からびろーんと垂れていて——。 大切な幼馴染のために、くっつけおばさん……もとい、くっつけ令嬢になることを決意したアリシア。 自分の小指に赤い糸が見えないことを気にかけつつも、周囲の幸せのために行動を始める。 すると、アリシア本人にも——? 赤い糸が見えるようになったアリシアが、ハッピーエンドを迎えるお話です。 完結しました。 小説家になろう様にも投稿しています。

処理中です...