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9.初夜?
しおりを挟む結婚式当日、私は忘れていた事実を突きつけられました。
「おい、ついに今夜が楽しみだなぁ。おい」
なんかチンピラのように絡んできますが、見目のよい本日の花婿であります。
はい、すっかり忘れていました。そして、思い出しました。
どうりで朝から侍女さん達が力一杯私を磨いていると思った。花嫁だからだと思ったんだけど、違う意図もあったのね。
「きゃー!カトリーナちゃん、可愛い~‼‼ルドも見て見て~」
「ああ、アレックスにはもったいないなぁ。うちの領には他にいい男がいたはず……」
「おい、父上。カトリーナに変なことを吹き込むんじゃねーよ」
「お前なぁ。ここは辺境だから許されるかもしれないが、言葉遣いが荒れてるぞ?」
「父上、こないだ王弟だって暴露したからってなんにも怖くないんだからな」
「私は身分を振りかざすほど愚かではないが?」
「んもうっ!二人ともっ、カトリーナちゃんが可愛いのよぉ‼‼」
「母上は大興奮ですね。大丈夫です。その可愛い『カトリーナちゃん』がもうすぐ俺のものになりますから」
やっぱりそうなんですか……。
式は滞りなく行われ(招待客はほぼ領内の人に限る)、ついに初夜!ということになります。
さすがに緊張しますねぇ。式の後は披露宴をするものだと思ってたけど、領内の人たちに私の事など披露しなくても認識されているので、披露宴はしませんでした。
式が終わると、まだ日が傾く手前くらいかな?だけど、今から緊張です。
だというのに、緊張をほぐしてくれるはずの話し相手になってくれそうな侍女さんが一人も部屋にいない!何で~?
「俺が早い時間からこの部屋に来るからだ」
アレックス様、来るの早すぎませんか?夕方、そうね、夕焼けと共にとか?今は思いっきり明るいんですけど?
そして、私の心の声を読んだのですか?
「ふんっ、俺様に我慢を強いたのだからこのくらいのサービスは当然だ」
この言葉を最後に、私はこの後3日間くらい?アレックス様が離してくれませんでした。そんなに我慢させちゃったのかなぁ?反省です。しかし次はない。
久しぶりに部屋を出ることができました。出る前に湯浴みをしたのですが、何という事でしょう!体中のありとあらゆる場所に所有印が‼これでは、どんな服を着ればよいのやら。
「カトリーナちゃん、久し振り~!体は大丈夫?無理してない?あら、その格好、懐かしいわねえ、ルドも昔は所有印をたくさんつけるタイプで着る服に困ったのよ。わかるわ~」
こんなところに理解者が!そして大量の所有印付けたがりは遺伝なの?
アレックス様に服が…と相談しましょう。このままじゃ、詰襟・長袖・ロングスカートしか着れない。
「アレックス様、あの私の体にアレックス様がつけた所有印なのですが、着る服が制限されるので、手加減をしていただくと助かります。例えば、数日後に背中が開いたドレスを着る予定の時は背中には所有印を付けないよう協力をお願いします」
「なるほどなぁ。女って面倒なんだなぁ。普段の服装ねぇ、確かに所有印だらけじゃ詰襟・長袖・ロングスカートで夜会に参加という事になるもんな。そもそも、辺境伯夫人はあまり夜会に出席しないのだがまあいい。普段の服装も気になるし」
ちょっと安心。
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