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8話 陛下効果
しおりを挟む陛下が見ているというのに、アールルード伯爵は嘘を重ねることが出来るのでしょうか?降爵ならマシです。己の首がかかっています。
「アールルード伯爵家が全面的に冤罪を作りだし、エリス=ダイナゴク伯爵令嬢を貶めました。同機はエリス嬢の容姿が……伝説の聖女のそれに類似していることです。我が娘、メアリー=アールルードは聖女になる事を昔から望んでいました。しかし、容姿が……。どう望んでもストロベリーブロンドに紫色の瞳。そんな時に目に入ったのがエリス嬢なのでしょう。自分の容姿がコンプレックスだった時にエリス嬢のような人物が目に入り、アコガレよりも憎さの方が強く出たのでしょう。エリス嬢さえいなければ自分が聖女になれる…というような。そこから犯行を思い立ったのです。私にどうにかしてほしいというように言ってきたのです。私も娘が可愛いですから、娘の願いを聞いてしまったのです。これが全貌です。エリス嬢には悪いことをしてしまいました。修道院で髪を切られたのでしょう?」
陛下の効果は凄いな。
あの狡いアールルード伯爵が借りてきた猫のよう。同一人物だろうか?
「ふぅ、この発言に嘘偽りはないな?」
「もちろんです!」
「エリス=ダイナゴク伯爵令嬢は冤罪であって、メアリー=アールルード伯爵令嬢に名誉棄損されたということで構わないか?」
「「はい」」
「では、そのように。閉廷する」
「ルイ!便利屋って陛下を呼びだせるの?」
「聞いてなかったの?俺の名前、ルイヴィック=クーリストが本名なんだけど?」
「うん。…って、ええぇぇぇぇ‼‼‼」
「そこまで驚かなくても。俺、珍獣になった気分」
ルイが王太子殿下?えーっと、私はなんか不敬なことしでかしてないよね?王太子殿下だから陛下呼び出せるの??
「あ、陛下?なんか、時間空いてるからって。宰相は止めてたけどな」
ルイは笑ってるけど、それは笑ってる場合ではないのでは?でも、陛下がいなきゃアールルード伯爵は素直に自白しなかっただろうしな。
「其方がエリス嬢か?治癒能力があると聞いたぞ?」
「あの時は必死でしたので。あの子が元気になるといいなって」
「ふむ。その慈悲の心がいいのだろうな」
翌日、号外が配られエリス=ダイナゴク伯爵令嬢はメアリー=アールルード伯爵令嬢に罪を着せられ、修道院に入れられたうえ、髪を切られた悲劇の令嬢と報じられた。
対してメアリー=アールルード伯爵令嬢はエリス=ダイナゴク伯爵令嬢に罪を着せ、自分はあたかも悲劇にあったように振舞った稀代の悪女として報じられた。
「お父様!どういうことなの?」
「法廷の傍聴席に陛下がいらっしゃった。嘘は吐けなかった。お前はできるのか?」
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