貴方の声が聞きたくて。

satomi

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3.公爵家にて

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 私にしてみると、そんなことで悩んでたんだなぁ。と思うけど、本人は重要だったんだろうなぁ。
 特に仕事で登城した時なんか他の貴族に馬鹿にされたりしたのかな?
 陛下の信頼も篤いみたいだし、貴族が逆に陛下に諫められたりしたのかな?
 エルは公爵として、仕事ができるみたいだし。

 そんな今日もルイス公爵家にお呼ばれしています。
 エルのお父様・お母様にお会いするので、ドキドキです。



「待っていたよ、アンジー」
 相変わらず(変わったら怖いけど)、公爵家は立派だなぁ。
「本日はご招待にあずかり、非常に光えい…たい!」
「どうした??」
「慣れない言葉を使ったから、舌噛んだ」

「なんです?公爵夫人になろうって方が言葉遣い悪いんですの?」
 何?この人。お母様…にしては若過ぎ。エルよりも若いと思うんだけど?
「あらあら、アンジェラ=ターナーさんかしら?ルイス公爵家にいらっしゃい!私もアンジーって呼んでいいかしら?」
 気品漂う奥様がやってきた。
「アンジー、そこのは幼馴染のエミーナ。それで、恥ずかしいんだが、弾けてるのが母上だ」
「恥ずかしいとは何よ!実の母親に向かって‼」
「お若いお母様で羨ましいですわ」
「アンジーちゃんってば可愛いし嬉しいこと言ってくれる!うちの息子にはもったいないわ!」
 玄関先でエミーナ嬢がポツンとしてるけどいいのかな?
「とりあえず、応接室に行こうか?そこに父上もいるよ。母上っ、アンジーと何を腕組んでるんですかっ?」
「えっ?仲良しこよしー」
 可愛いお母様だなぁ。お父様はどんな方だろう?


 応接室に私とエル家族がそろった。エミーナ嬢?幼馴染だから何とかしてるんじゃないかなぁ?
 お父様は威厳・威嚇の塊のような方だった。
「初めまして。アンジェラ=ターナーと申します」
「アンジーちゃんよ~。可愛いでしょ?」
「うむ」
 一言。
「父上は母上がアンジーと腕を組んでいることについて、特に思う事はないのですか?」
「騒ぎ立てても無駄だ」
 ある意味、悟りを開いているようだ。

「全員揃ったところでお食事にしましょう!」
 食堂に行くまでの間も、私はお母様と腕を組んでいた。
「アンジーちゃん、今日からルイス公爵家で暮らしてもいいのよ~」
「それは……一応、帰る事が前提で来ていますし、父にも話していないので……」
「荷物とか取りに行かせるのに。残念~!」
「エミーナ嬢も同席か?」
「エルドレッド様の婚約者様ですもの。私も見てみたかったのですわ」
 玄関で会ったのに、食事までご馳走にありつこうって……何?図々しくない?


「アンジェラ嬢と二人でお話をしたいわ」と言ったのは、エミーナ嬢。
 私はしたくない。
「食事のマナーにしてもなんですか?ミスが何カ所も。…はぁ~嘆かわしい。ターナー家って爵位は?」
「ご存じない?侯爵位ですが?」
「侯爵位の令嬢にしては目に余るマナー違反が多くて、思い至りませんでしたわ。ホホホ」
 エミーナ嬢は扇子で顔を半分隠して笑う。
「それにしても……あなたはエルドレッド様の声を聞いても何も思わなかったの?」
「どうかしました?些末なことではありませんか。そこに黒子があるかないかみたいなものですわ」

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