貴方の声が聞きたくて。

satomi

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5.義父様とお父様

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 このことは……一応公爵家に報告した方がいいわよね。
 私は敵意向けられたし。
 そう考えると、私のマナーとかにやたらとうるさかった理由もわかる気がする。
 エミーナ嬢は公爵夫人になる事を見据えてのマナー教育を受けているんだろう(本人希望)。


 私は公爵家の皆様に伝えた。
 予想通り、婚約者がこのまま現れなかった場合、エミーナ嬢がエルドレッド様の婚約者の座におさまっていたらしい。
「あの、私は予想と二人で話していた事を総合した結果を公爵家の皆様に話しているわけで…おそらくこの事でエミーナ様をお諫めしたりなんかすると、私が告げ口をしたとか言われる恐れが……」
「あの女の自業自得じゃないのか?」
 お義父様が長くしゃべった。しかし、なんだか棘を感じる。
「あ~、アンジーちゃんには言ってなかったわね。この人、他人の内面がわかるのよ~。エミーナちゃんは好かないんだって言ってたわ。裏の顔ってのがあるんでしょうね。エミーナちゃんはこの事知らないから内緒よ~」
 かなりの重要事項では?

「あ、この間のお食事。非常に美味しかったです。うちの食事がなんだか質素な感じがして、料理人に申し訳なかったなぁ。見た目、スゴイ豪華な食事だったんですけど」
 いや、マジで。質素と言うか物足りない感じというか?なんか足りない~って感じだったんだよね。
「気に入ってもらえて良かったわ~。これからアンジーちゃんはここで暮らしてもらうつもりだし」
「今日は報告にあがっただけなので、帰りますよ」
「え~、まだ~?」
 膨れた頬が紅潮していて可愛らしいが、絆されてはいけない!まだ婚約式もしてないし。
「えーっと、今度は婚約式の打ち合わせにお邪魔しますね!」
「そんな面倒なの飛ばして、ここで暮らせばいいのに~」
 お義父様もツッコミいれないの?
 両親公認?公爵家、恐るべし。


 お父様に、公爵家が早く一緒に暮らしたがっていると話した。
「なんだと?人が下手したてに出れば調子に乗りやがって」
 いつ下手したてに出たんだろう?
「望んでいるのは特に、公爵夫人よ。会う度に今日から?とか聞かれる」
「はぁ?婚約式とかそういう段取りがあってだなぁ」
「そういうのが面倒なんだって」
 嘘は言ってない。
 まぁ、確かにドレスはどうだの、マナーはどうだの、順序はどうだのは面倒。

「伝統なんだが?」
「あんまり気にしない方みたい。お会いしてみると分かるわよ。夫人は凄く可愛らしい方。そうねぇ、私の姉って言ってもいいんじゃないかなぁ?公爵は……お会いしたことあるよね?」
「ああ、王城で。怖かった……。ご子息はかなりのイケメンだったな」
「そうなのよ!エルドレッド様が婚約者なんて幸せ~♪」
「お前は…その―――彼の声については気にしないのか?」
「気にならないけど?何で?」
「顔面とのギャップがありすぎるからなぁ」
「まぁ、私よりも可愛い声なのはちょっと嫉妬かなぁ?そのくらいよ?」
「いや…それならいいんだけどなっ」


 後日、公爵家に行く時にお父様もご一緒することにした。
 その事は手紙でエルドレッド様に報告した。
 お返事は何故かお義母様から、可愛らしい便箋でお返事をいただいた。

~うちで一緒に暮らすのが待ち遠しいアンジーちゃんへ
 アンジーちゃんのお父様も来るのね?
 わかったわ。一家総出でお出迎え♡
 楽しみに待っているわね!
      早く貴女におかあさまと呼ばれたいエルドレッド母より

追伸:当日何故かエミーナちゃんが参戦するかもだけど、見なかったことにして~。

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