貴方の声が聞きたくて。

satomi

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6.両家顔合わせ

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 本当にエミーナ嬢がいた。
 何故、両家の顔合わせみたいな場にいるのだ?
「アンジーちゃん!とそのお父様!ようこそ公爵家へ」
 相変わらずお義母様は可愛いなぁ。
 使用人の皆様も一糸乱れぬ感じで出迎えてくれたし。
「おい、アンジー。この方が公爵夫人なのか?若くないか?」
「うふふ、若いなんてお恥ずかしいわ。見た目と実年齢のギャップが激しくて」
 実年齢は…エルドレッド様のようなお子様がいらっしゃるような年齢なんでしょうね。
「ターナー侯爵。よく来たな」
「はっ、公爵閣下におかれましては―――」
「堅苦しい挨拶は良い。近いうちに親族になるのだから」
 私は見た!柱の陰から唇を噛んでこちらを窺うように睨んでいるエミーナ嬢!

「初めましてターナー侯爵。エミーナと申します。えーっと、エルドレッド様の幼馴染です」
「何故、君がここにいるんだ?今日は両家の顔合わせのような席だろう?幼馴染殿は全く関係ないのでは?」
 お父様、もっと言うのよ!知らないという事は無敵なのよ!
「え?幼馴染だからこそ、エルドレッド様のお相手をきちんと見定めようと」
「それは、公爵閣下が見誤っていると?うちの娘がどこかの馬の骨だと?」
「そのような意味ではありません。ただの好奇心というか……」
「今日のこの場はただの好奇心でいていい場ではないことはわかるだろう?両家以外の者がいるなど、その者は非常識にもほどがある」
 いいぞ!お父様‼
「マナー違反にもほどがあるんじゃないか?幼馴染殿は一体どのような教育を受けているのか気になるよ」
 私は散々マナー違反を言われたからなぁ。
「理解したら、お帰り願いたい。馬車が見当たらなかったが、まさか泊まろうなどと思っていたわけではありませんよね?未婚の男女がひとつ屋根の下になるわけです」
「アンジーちゃんなら歓迎よ?」
「アンジーは連れて帰ります!」
 公爵夫人がしょんぼりした。え~?!泊まろうとしてたの?非常識にも程がある。マナー違反三昧じゃないの?私に散々言ってたのに。
「エミーナ嬢がお帰りだ。馬車がないようだから、やむを得ずうちの馬車(家紋なし)を貸してやれ」
 公爵まで長文を。結構お怒りだ。泊まろうとしてた事にお怒りなのかな?公爵様の許可も取ってなかったもんね。


 エミーナ嬢もお帰りになり、本当に両家顔合わせという感じになった。
「いやぁ、うちのアンジーは母親を早くに亡くしてるからでしょうか?落ち着きがなくって」
 お父様、私を常日頃そのように思っていたのですね?
「アンジーちゃん可愛いわよ~。早くうちで一緒に暮らしたいもの!」
「うむ」
 公爵、安定の一言。
「お父様、アンジェラとの交際、果ては婚姻を認めて下さい!」
「いいよ~」
 お父様、軽い!
「もともと、こんな落ち着きのない子に嫁の貰い手がないんじゃないかと思っていたんだ。ルイス公爵家の嫡男様ならば、喜んで差し出しましょう。た・だ・し、婚約期間は1年間。こちらで暮らすまであと一年あります。それでよろしければ」
「はい、喜んで!」
 やったー!正式にエルが婚約者―‼
「あと1年もある…。1年間アンジーちゃんを公爵家に呼びまくりましょう」
 お義母様はこの先1年の計画を立てているみたい。


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