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8.カースター侯爵家の事情
しおりを挟むカースター侯爵家ではせっかくタフラス王国から輸入した魔獣が全滅してしまい、当主である現カースター侯爵が癇癪を起していた。
「これではシークンス様に目をかけて頂いて、シークンス様が即位した暁には我がカースター侯爵家が筆頭公爵家となるという野望も……。おっと、これは簡単に口に出すものではないな」
「―――ということがカースター侯爵家でありました」
「ロブ、ご苦労だった」
こいつはなぁ。スパイのような東方言うと忍び?のような事も出来るから役に立つんだよな。諜報活動というのか?命懸けではないんだろうか?
「そうか、こっちのカースター侯爵家はシークンス兄上と懇意になって、兄上が即位したら自分の家が筆頭侯爵家になるのが目的か……。まぁ動機はあったな。それには俺が邪魔という事か?」
「平たく言うとそのようですね。しかし、最近はリカ様も手中にいて騎士団での支持もかなりのものでしょう?」
「それはリカの支持だ。俺の支持じゃない。まあ、男ばかりの騎士の中で女が癒してくれるんだから、それは支持もするだろうな」
「でしたらエヴァンス様がしっかりとリカ様の婚約者だー!くらい力を入れないと、どこの馬の骨がリカ様を掻っ攫っていくかわかりませんよ?」
「リカとは王家が匿うという契約だ」
よなぁ?―――でもある日突然「こちらの騎士の方と恋仲になりましたので、王家との契約をなかったことに。ご心配なく、この国から出ることはありませんので」などと言われるのかもしれないのか……。それはなんかモヤモヤするなぁ。
気絶から目を覚ますと、カースター侯爵家(キャプ帝国の)の動機もハッキリとしていて。なるほどなぁ。という感じでした。
兄弟で争うのはなんか嫌な感じだけど、シークンス様が完全なる爵位主義だもんなー。それはちょっと…。もっと柔軟性があった方が政が上手く行くと思うんだよね。
シークンス様の思う高位貴族だと一体何人で国を経営していくおつもりなんでしょう?困った時だけ、「手を貸せ!」って言ったって嫌ですよ。普段は蔑んでおいて…ってなるでしょうね。
シークンス様は成人してしっかりとしているのに立太子していない理由ってそれじゃないのかなあ?陛下にお会いしたことないからわからないんですけど。
人の口に戸は立てられぬという事でリカが『聖女』だということがシークンス兄上の耳に入った。恐らく、タフラス王国のカースター侯爵家からこの国のカースター侯爵家へ。この国のカースター侯爵家からシークンス兄上へ。という流れだろう。
リカには絶対に一人にならないように注意を促していた。護衛もつけていた。ただ、女子トイレは迂闊だった。
どうやら女子トイレで拉致されたよう。
俺とは違い、女性の騎士も用意していたようで、その騎士がリカを拉致したようだ。
いくら待っても女子トイレから出てこないリカにしびれを切らせて女子トイレに突入したらしい。
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