獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない

たま

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マイルズの秘密2

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「おい!神力って、転移陣が使えるのか⁈」

聞きたい事が山程あるのに奴は、居間のソファーに座る人物に見た事のない甘い笑みを浮かべ愛を囁いている。だが、その人物の異様さに気がついた。屋敷の主人と一緒に入って来たとはいえ、見知らぬ男が入って来たのに微動だにしない様子に違和感を覚えた。そしてマイルズが目の前に膝をついてソファーに腰をおろしている女性の手を握り「ただいま愛しい人」と声を掛けているのにもなんの反応も示さない。唯一まばたきをしている事がその人物が生きているという事を証明している。

「あまり私のつがいを見ないでいただけますか。」

いや、これは見ないという選択肢はないぞ。異性としての興味はかけらもない。断言できる。俺のつがいの方が何倍もいい女だからな。後ろ姿だけだったが…会いたい…なんで俺の隣につがいがいないんだ…

「おい!…惚れたか 「惚れるか‼︎」」

あぶねー。認めたくないが、ふっざけた事言われたお陰で思い出した。今出来る事をする。

「まあそうでしょうね。あなたにもつがいがいるから、そうでなければ私のつがいに会わせたりしません。」

まあこいつのつがいがどんな状態だろうが関係ねぇな。

「話が出来れば深くは関わらねーよ。」

「そちらも時間が惜しいでしょう。それでは始めましょうか」

向かいのソファーに座る様案内され、腰を下ろすと今までして来た質問を始めたが



「・・・おい!俺はお前のつがいに聞いているんだ!何故全部お前が答えるんだ!」

もはや首席文官として敬う気すら失せる。なんだこいつは

「・・・・・・分かりました。」

なんだその渋々な感じは、お前の提案だろが。しかし、これは
 
「自我があるのか?」

おそらく魔法か神力かで拘束してるってところか。俺が知る限りこいつのつがいが表に出て来た事がない筈だ。200年拘束され続けてるのか・・・まさかな。

唯一意思表示できそうな目を見て確認しようとしたら、目に、顔に鋭い衝撃が走る。一瞬訳がわからなかったが

「近いですよ」

マイルズに手のひらで叩かれた。結構な勢いで

「っく!」

むかつくがしょうがない。人のつがいに対する距離じゃなかった。

「すまない…。とりあえず意思表示が出来そうか確認したい。ちなみに、意識は残してあるのか?」

身体だけの拘束か、それとも意識の方もなくしてるのか


「身体だけですが、今残っているか・・・」

深くは聞くまい。

「意識がないなら俺は用はない。唯一意思表示できそうな目で確認させてくれ。それからだ。」

断りを入れつがい殿の目を見つめ

「あなたと会話をする事は可能だろうか?もし可能なら、まばたきを早く3回してもらえるだろうか?」

無表情のなかで瞼が3回繰り返された。
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