24 / 26
マイルズの秘密2
しおりを挟む
「おい!神力って、転移陣が使えるのか⁈」
聞きたい事が山程あるのに奴は、居間のソファーに座る人物に見た事のない甘い笑みを浮かべ愛を囁いている。だが、その人物の異様さに気がついた。屋敷の主人と一緒に入って来たとはいえ、見知らぬ男が入って来たのに微動だにしない様子に違和感を覚えた。そしてマイルズが目の前に膝をついてソファーに腰をおろしている女性の手を握り「ただいま愛しい人」と声を掛けているのにもなんの反応も示さない。唯一まばたきをしている事がその人物が生きているという事を証明している。
「あまり私のつがいを見ないでいただけますか。」
いや、これは見ないという選択肢はないぞ。異性としての興味はかけらもない。断言できる。俺のつがいの方が何倍もいい女だからな。後ろ姿だけだったが…会いたい…なんで俺の隣につがいがいないんだ…
「おい!…惚れたか 「惚れるか‼︎」」
あぶねー。認めたくないが、ふっざけた事言われたお陰で思い出した。今出来る事をする。
「まあそうでしょうね。あなたにもつがいがいるから、そうでなければ私のつがいに会わせたりしません。」
まあこいつのつがいがどんな状態だろうが関係ねぇな。
「話が出来れば深くは関わらねーよ。」
「そちらも時間が惜しいでしょう。それでは始めましょうか」
向かいのソファーに座る様案内され、腰を下ろすと今までして来た質問を始めたが
「・・・おい!俺はお前のつがいに聞いているんだ!何故全部お前が答えるんだ!」
もはや首席文官として敬う気すら失せる。なんだこいつは
「・・・・・・分かりました。」
なんだその渋々な感じは、お前の提案だろが。しかし、これは
「自我があるのか?」
おそらく魔法か神力かで拘束してるってところか。俺が知る限りこいつのつがいが表に出て来た事がない筈だ。200年拘束され続けてるのか・・・まさかな。
唯一意思表示できそうな目を見て確認しようとしたら、目に、顔に鋭い衝撃が走る。一瞬訳がわからなかったが
「近いですよ」
マイルズに手のひらで叩かれた。結構な勢いで
「っく!」
むかつくがしょうがない。人のつがいに対する距離じゃなかった。
「すまない…。とりあえず意思表示が出来そうか確認したい。ちなみに、意識は残してあるのか?」
身体だけの拘束か、それとも意識の方もなくしてるのか
「身体だけですが、今残っているか・・・」
深くは聞くまい。
「意識がないなら俺は用はない。唯一意思表示できそうな目で確認させてくれ。それからだ。」
断りを入れつがい殿の目を見つめ
「あなたと会話をする事は可能だろうか?もし可能なら、まばたきを早く3回してもらえるだろうか?」
無表情のなかで瞼が3回繰り返された。
聞きたい事が山程あるのに奴は、居間のソファーに座る人物に見た事のない甘い笑みを浮かべ愛を囁いている。だが、その人物の異様さに気がついた。屋敷の主人と一緒に入って来たとはいえ、見知らぬ男が入って来たのに微動だにしない様子に違和感を覚えた。そしてマイルズが目の前に膝をついてソファーに腰をおろしている女性の手を握り「ただいま愛しい人」と声を掛けているのにもなんの反応も示さない。唯一まばたきをしている事がその人物が生きているという事を証明している。
「あまり私のつがいを見ないでいただけますか。」
いや、これは見ないという選択肢はないぞ。異性としての興味はかけらもない。断言できる。俺のつがいの方が何倍もいい女だからな。後ろ姿だけだったが…会いたい…なんで俺の隣につがいがいないんだ…
「おい!…惚れたか 「惚れるか‼︎」」
あぶねー。認めたくないが、ふっざけた事言われたお陰で思い出した。今出来る事をする。
「まあそうでしょうね。あなたにもつがいがいるから、そうでなければ私のつがいに会わせたりしません。」
まあこいつのつがいがどんな状態だろうが関係ねぇな。
「話が出来れば深くは関わらねーよ。」
「そちらも時間が惜しいでしょう。それでは始めましょうか」
向かいのソファーに座る様案内され、腰を下ろすと今までして来た質問を始めたが
「・・・おい!俺はお前のつがいに聞いているんだ!何故全部お前が答えるんだ!」
もはや首席文官として敬う気すら失せる。なんだこいつは
「・・・・・・分かりました。」
なんだその渋々な感じは、お前の提案だろが。しかし、これは
「自我があるのか?」
おそらく魔法か神力かで拘束してるってところか。俺が知る限りこいつのつがいが表に出て来た事がない筈だ。200年拘束され続けてるのか・・・まさかな。
唯一意思表示できそうな目を見て確認しようとしたら、目に、顔に鋭い衝撃が走る。一瞬訳がわからなかったが
「近いですよ」
マイルズに手のひらで叩かれた。結構な勢いで
「っく!」
むかつくがしょうがない。人のつがいに対する距離じゃなかった。
「すまない…。とりあえず意思表示が出来そうか確認したい。ちなみに、意識は残してあるのか?」
身体だけの拘束か、それとも意識の方もなくしてるのか
「身体だけですが、今残っているか・・・」
深くは聞くまい。
「意識がないなら俺は用はない。唯一意思表示できそうな目で確認させてくれ。それからだ。」
断りを入れつがい殿の目を見つめ
「あなたと会話をする事は可能だろうか?もし可能なら、まばたきを早く3回してもらえるだろうか?」
無表情のなかで瞼が3回繰り返された。
175
あなたにおすすめの小説
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
冷遇された聖女の結末
菜花
恋愛
異世界を救う聖女だと冷遇された毛利ラナ。けれど魔力慣らしの旅に出た途端に豹変する同行者達。彼らは同行者の一人のセレスティアを称えラナを貶める。知り合いもいない世界で心がすり減っていくラナ。彼女の迎える結末は――。
本編にプラスしていくつかのifルートがある長編。
カクヨムにも同じ作品を投稿しています。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。内容も少し変更しておりますので、あわせてお楽しみください。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる