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14.王妃
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「それに、わたしは即位をするが、国王である時間はそう長くない」
「えっ……?」
「弟のエリーストに王位を譲る予定だ。だが、エリーストはまだ5歳と幼い。ゆえに、臨時で国王になるようなものでな。だから、あなたが王妃である期間も短くなるだろう。そもそも、わたしは王族の純血種ではない。だが、弟のエリーストは違う。彼は純血の王族なので……王太后の子供だからな。やつが即位出来る年齢まで、わたしが仮に即位をするというだけなんだ」
その言葉に軽く首を傾げると、ランバルトが「この国では即位には年齢制限があるんです」と付け加えた。どうやら最小でも10歳以上にならなければ、国王にはなれないのだと言う。
「エリーストの即位まで今から5年だ。5年間。少しだけ長いが、協力していただけたらと思う」
エレインは再び「ううん」と軽く唸った。なるほど、そうなるとまた話は別かもしれない。国王の側室となった場合、その国王が退位した時にどうなるのか少しばかり怪しいと思える。だが、王妃という立場であれば、アルフォンスが退位をした後もそれなりに保証をされるのではないかと思ったからだ。が、そこまで考えてから「余計なところばかり計算高いな」とエレインは自分に呆れてしまった。
「少し、考えさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろんだ。一日でよいだろうか?」
「性急ですね」
「あなたさえ了承してくれれば、戴冠式と同時に結婚式もしてしまいたいのでな。言っただろう。終戦の条約は早いうちがいい」
「ええ? 戴冠式と同時に?」
「ああ」
当たり前のようにうなずくアルフォンス。戴冠式は十日と少し後と聞いたが。そんな早急に結婚式まで行うなんて、そんなことが出来るわけがない、とエレインは困ってランバルトを見る。が、彼の口からはとんでもない言葉が出た。
「あのですね……もう明日、明後日には各所に招待状を出す準備まで終えているのです。戴冠式の出席依頼と同時に出したいので……その後の、お披露目の宴は……故国王のことを考えまして、また後日開催になるので猶予があるのですが……」
故国王のことを考えたら、婚姻自体もう少し後にするべきではないのか。それは困る……とエレインが口元を歪めると、アルフォンスはにやりと笑った。
「仕方ないだろう。早く終戦をしたいのだ、こちらも、ガリアナ王国も。それはわかるな? それに合わせてあなたのドレスを急ぎでしつらえなければいけない。だから、明日までしか時間は与えられない」
「……わかりました」
「うん。では、明日の夜また来る。それまでもう少し体を休めていてくれ」
そう言ってアルフォンスは立ち上がり、さっさと部屋から出て行こうとした。それを「あ」とエレインは止める。
「何か?」
「お願いが2つございます」
「なんだ?」
「ひとつは、これの鍵を探していただければと思うのですが……故マリエン国王がお持ちのはずだったのですけれど」
そう言ってエレインはブレスレットを二人に見せる。覗き込んだ2人は、どちらも眉根を寄せた。
「天恵封じか。あのクソ兄貴、いらんことに金をかけやがって……」
アルフォンスは一目でそのブレスレットが何なのかを見抜いたようで、そう呟いた。彼が「クソ兄貴」などという言葉を使ったことにエレインは目を丸くしたが、ランバルトが横から「アルフォンス様。前線にいた時の、悪いお口が出ておりますよ」とたしなめる。
「ん……わかった。探しておこう」
「このブレスレットを外しても、良いでしょうか?」
「ああ、問題ない。あなたの力を封じる必要はどこにもないからな」
そのアルフォンスの言葉に、ほっとするエレイン。
「あと、もう1つ……可能であれば、剣を持たせていただきたいのですが」
「剣?」
アルフォンスの眉間にしわが寄る。だが、その表情とはうって変わって「わかった」と簡単に彼はうなずいた。あまりにあっさりと許可をもらったため、エレインの方が驚かざるを得ない。
「よろしいのですか?」
「ああ。構わない。あなたは別にその剣を持って、ここから逃げ出すわけでもなんでもないだろうし」
「ですが……」
何かを聞かれると思っていたので、エレインは逆に戸惑う。それへ、アルフォンスは小さく笑った。
「あなたには剣が似合うからな。そう言われることを、あなたがどう思うのかはわからないが」
そう言って、アルフォンスは部屋を出て行った。彼の後ろから、机上に広げた書類をまとめたランバルトが、エレインに「失礼いたしました」と一礼をしてついていく。ようやく、エレインは「ふう……」とソファに深く座った。
解毒が終わっていない体は、疲れやすい。今の会話だけで、なんだかやたら疲れた。エレインは侍女を呼んで、茶を所望した。何にせよ、明日までそう時間はない。冷静にならなければ、と思う。
(ああ、そうか。国王が死んだことで、ちょっと気が緩んだんだな……)
答えなんて、最初から出ている。自分はまるで人質のような形で国境を越えてここに来たのだ。ならば、拒む必要はない。だが、確かに王妃として人の前に出なければいけないことは、人々からの視線を受けることを考えても苦痛だ。それに、貴族の夫人たちを呼んで茶会などもしなければいけないのではないか……そんな風に曖昧な自分の未来を考えても、今の時点ではあまりにもぼんやりとしており、漠然とした不安ばかりが心に影を落とす。
けれども、一つだけはっきりとわかることはある。それは、死したクリスティアンよりも、アルフォンスの方が彼女の人権を守ってくれるだろうということだ。それだけは、信頼が出来ると思う。
(アルフォンス様のことは、未だによくわからないが……悪い人ではない、と思う)
彼が先ほど「クソ兄貴」と口ぎたない言葉を発したこと。あれは、実のところ悪くなかった。ああ、そうだ。彼もまた前線にいたのだし、と思い出せば、互いにあの戦場を見て、人々の犠牲を見て、早く戦争を終わらせたいと互いに願いあったのだと、今ならば心が通じるような気がする。
――美しい、と言ったのだ――
不意に、彼の言葉が脳内に蘇る。侍女たちにも言われた。ランバルトにも言われた。けれども、どうだ。同じことを言われているのに、こんな風に思い出してしまうなんて。一体自分はどうしてしまったのか……エレインは瞳を閉じた。
(こんなことで心を乱して、甘えている場合ではない。まだ、わたしはこの国のことをよく知らない。この先、王妃となってしまったら、多くの人々と接するだろうし、もっと……もっと、傷つけられることも多くなるに違いない)
その覚悟が自分にはあるのだろうか。今、自分を囲んでくれている侍女たちは、まるで自分が戦場でマリエン王国の兵士を屠ったことを知らないかのように接してくれている。いや、もしかしたら彼女たちは知らないのかもしれない。が、それも時間の問題かもしれない。
もっと気を引き締めなければ。そう思いつつも、ちらりと「つらいな」と素直な気持ちも湧いてくる。
「いけない。体が弱っているから、心も弱っているんだ……」
そう呟き、彼女は再びベッドに戻って眠りについた。
「えっ……?」
「弟のエリーストに王位を譲る予定だ。だが、エリーストはまだ5歳と幼い。ゆえに、臨時で国王になるようなものでな。だから、あなたが王妃である期間も短くなるだろう。そもそも、わたしは王族の純血種ではない。だが、弟のエリーストは違う。彼は純血の王族なので……王太后の子供だからな。やつが即位出来る年齢まで、わたしが仮に即位をするというだけなんだ」
その言葉に軽く首を傾げると、ランバルトが「この国では即位には年齢制限があるんです」と付け加えた。どうやら最小でも10歳以上にならなければ、国王にはなれないのだと言う。
「エリーストの即位まで今から5年だ。5年間。少しだけ長いが、協力していただけたらと思う」
エレインは再び「ううん」と軽く唸った。なるほど、そうなるとまた話は別かもしれない。国王の側室となった場合、その国王が退位した時にどうなるのか少しばかり怪しいと思える。だが、王妃という立場であれば、アルフォンスが退位をした後もそれなりに保証をされるのではないかと思ったからだ。が、そこまで考えてから「余計なところばかり計算高いな」とエレインは自分に呆れてしまった。
「少し、考えさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろんだ。一日でよいだろうか?」
「性急ですね」
「あなたさえ了承してくれれば、戴冠式と同時に結婚式もしてしまいたいのでな。言っただろう。終戦の条約は早いうちがいい」
「ええ? 戴冠式と同時に?」
「ああ」
当たり前のようにうなずくアルフォンス。戴冠式は十日と少し後と聞いたが。そんな早急に結婚式まで行うなんて、そんなことが出来るわけがない、とエレインは困ってランバルトを見る。が、彼の口からはとんでもない言葉が出た。
「あのですね……もう明日、明後日には各所に招待状を出す準備まで終えているのです。戴冠式の出席依頼と同時に出したいので……その後の、お披露目の宴は……故国王のことを考えまして、また後日開催になるので猶予があるのですが……」
故国王のことを考えたら、婚姻自体もう少し後にするべきではないのか。それは困る……とエレインが口元を歪めると、アルフォンスはにやりと笑った。
「仕方ないだろう。早く終戦をしたいのだ、こちらも、ガリアナ王国も。それはわかるな? それに合わせてあなたのドレスを急ぎでしつらえなければいけない。だから、明日までしか時間は与えられない」
「……わかりました」
「うん。では、明日の夜また来る。それまでもう少し体を休めていてくれ」
そう言ってアルフォンスは立ち上がり、さっさと部屋から出て行こうとした。それを「あ」とエレインは止める。
「何か?」
「お願いが2つございます」
「なんだ?」
「ひとつは、これの鍵を探していただければと思うのですが……故マリエン国王がお持ちのはずだったのですけれど」
そう言ってエレインはブレスレットを二人に見せる。覗き込んだ2人は、どちらも眉根を寄せた。
「天恵封じか。あのクソ兄貴、いらんことに金をかけやがって……」
アルフォンスは一目でそのブレスレットが何なのかを見抜いたようで、そう呟いた。彼が「クソ兄貴」などという言葉を使ったことにエレインは目を丸くしたが、ランバルトが横から「アルフォンス様。前線にいた時の、悪いお口が出ておりますよ」とたしなめる。
「ん……わかった。探しておこう」
「このブレスレットを外しても、良いでしょうか?」
「ああ、問題ない。あなたの力を封じる必要はどこにもないからな」
そのアルフォンスの言葉に、ほっとするエレイン。
「あと、もう1つ……可能であれば、剣を持たせていただきたいのですが」
「剣?」
アルフォンスの眉間にしわが寄る。だが、その表情とはうって変わって「わかった」と簡単に彼はうなずいた。あまりにあっさりと許可をもらったため、エレインの方が驚かざるを得ない。
「よろしいのですか?」
「ああ。構わない。あなたは別にその剣を持って、ここから逃げ出すわけでもなんでもないだろうし」
「ですが……」
何かを聞かれると思っていたので、エレインは逆に戸惑う。それへ、アルフォンスは小さく笑った。
「あなたには剣が似合うからな。そう言われることを、あなたがどう思うのかはわからないが」
そう言って、アルフォンスは部屋を出て行った。彼の後ろから、机上に広げた書類をまとめたランバルトが、エレインに「失礼いたしました」と一礼をしてついていく。ようやく、エレインは「ふう……」とソファに深く座った。
解毒が終わっていない体は、疲れやすい。今の会話だけで、なんだかやたら疲れた。エレインは侍女を呼んで、茶を所望した。何にせよ、明日までそう時間はない。冷静にならなければ、と思う。
(ああ、そうか。国王が死んだことで、ちょっと気が緩んだんだな……)
答えなんて、最初から出ている。自分はまるで人質のような形で国境を越えてここに来たのだ。ならば、拒む必要はない。だが、確かに王妃として人の前に出なければいけないことは、人々からの視線を受けることを考えても苦痛だ。それに、貴族の夫人たちを呼んで茶会などもしなければいけないのではないか……そんな風に曖昧な自分の未来を考えても、今の時点ではあまりにもぼんやりとしており、漠然とした不安ばかりが心に影を落とす。
けれども、一つだけはっきりとわかることはある。それは、死したクリスティアンよりも、アルフォンスの方が彼女の人権を守ってくれるだろうということだ。それだけは、信頼が出来ると思う。
(アルフォンス様のことは、未だによくわからないが……悪い人ではない、と思う)
彼が先ほど「クソ兄貴」と口ぎたない言葉を発したこと。あれは、実のところ悪くなかった。ああ、そうだ。彼もまた前線にいたのだし、と思い出せば、互いにあの戦場を見て、人々の犠牲を見て、早く戦争を終わらせたいと互いに願いあったのだと、今ならば心が通じるような気がする。
――美しい、と言ったのだ――
不意に、彼の言葉が脳内に蘇る。侍女たちにも言われた。ランバルトにも言われた。けれども、どうだ。同じことを言われているのに、こんな風に思い出してしまうなんて。一体自分はどうしてしまったのか……エレインは瞳を閉じた。
(こんなことで心を乱して、甘えている場合ではない。まだ、わたしはこの国のことをよく知らない。この先、王妃となってしまったら、多くの人々と接するだろうし、もっと……もっと、傷つけられることも多くなるに違いない)
その覚悟が自分にはあるのだろうか。今、自分を囲んでくれている侍女たちは、まるで自分が戦場でマリエン王国の兵士を屠ったことを知らないかのように接してくれている。いや、もしかしたら彼女たちは知らないのかもしれない。が、それも時間の問題かもしれない。
もっと気を引き締めなければ。そう思いつつも、ちらりと「つらいな」と素直な気持ちも湧いてくる。
「いけない。体が弱っているから、心も弱っているんだ……」
そう呟き、彼女は再びベッドに戻って眠りについた。
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