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4-2.呑気なコンラート(2)
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「そうなのですか」
「今までさぁ、そういうことはしないって決めてたんだけども……ちょっと、当分、セックスをしようかなって」
「当分、セックスをする……?」
何を言い出したんだ、この主は……ハーニィは眉間を寄せてオウム返しをした。それへ、コンラートは真剣な表情を向ける。
「そう。あんなに凄いものなら、みんながセックス好きって言ってるのもわかるなぁ~と思って。いやぁ、やっぱり百聞は一見にしかずと言うか……」
「それは、どこかでなさって来たということ、でしょうか? 駄目ですよ! あなたほどの方の子種は、きっとこの魔塔の跡取り候補になるんですから。無駄撃ちは……」
「それぐらい考えているって。内緒で相手に魔法をかけたのは悪いとは思ったけど、避妊魔法ぐらい許してもらえるよねぇ? っていうか避妊魔法? 何魔法っていうんだ? あれ」
さすがに「そんな魔法まで?」と苦々しい表情を見せるハーニィ。
「いやぁ、そんな魔法自分が試すことなんてないと思ってたけど、覚えておくもんだね。よかったよかった……ああ、そういうわけでさ」
「はい」
「今晩、どっかの娼館から、女の子連れて来てほしいんだけど。わたしはまた当分ここから出られないから、来てもらうしかないんだよなぁ……」
「ここに? この部屋にですか!?」
「うん。駄目かな?」
ハーニィはぐるりと室内を見渡した。自分が立っている場所以外は、床のほとんどの上に書物が積み上がっている。しかも、埃まみれで。彼が座っている執務椅子のクッションだって、何年使い続けたのかカバーが薄汚れているし、執務用の机の上は多くの書類でぐしゃぐしゃだ。
そして、実はここには仮眠用のベッドがある……はずなのだが、それも、その場からどこにあるのか姿が見えないほど、周囲に色々なものが積み上がっている。毎日コンラートは眠る時、積み上がった書物を「よっこらしょ」と跨いでベッドに入らなければいけないのだが、それを彼は不満に思っていないのだ。
「あなたが衣食住にほとんど興味がないどころか、よろしくない状態ですら気にしないことは存じ上げていますが……」
「駄目?」
もう一度コンラートに尋ねられたため、ハーニィは声を荒げた。
「駄目ですよ! よくもこんなところに女性を通そうと思えますね!?」
「駄目か。これ整理する魔法ないの?」
「生活魔法でも、ありませんねぇ……」
「じゃ、寝室どっか空いてたら。あるでしょ。隣の部屋とか」
ハーニィは深いため息をついた。
「ありますよ。あります。でもですね」
「うん」
「今日のところはひとまず、お仕事に戻っていただけませんか。魔塔の主が姿を消した、って話題になる前に帰って来ていただいて良かったですよ、本当に」
そのハーニィの言い草に、コンラートは「あーあ」とつまらなそうに呟く。
「たまにはもうちょっと外に出て遊びたいのになぁ。なかなか魔塔の外に出られないなんて、ほんと、とんでもない肩書きになっちゃったもんだ」
「仕方がないでしょう。今、人が足りないんですから、連日あなたの魔力を分けてもらわないといけないし、王宮の魔法使いが面倒なことを持ち込んでくるし、研究所では古代魔法の実験のやりすぎで……」
ハーニィの言葉に、コンラートは「わかっている」と言いたげに手をひらひらとさせた。
「だから、わたしの魔力の半分以上を『貸し出して』いるんだろう? でも、昨日の案件、わたしの魔力を過分に貸し出す内容だったし、それ自体が異教徒の狙いだったんじゃないのかな?」
「現在調べています。多分そうだったのだとわたしも思っていますので」
「そうか。今日明日にはわかるか?」
「と、思います」
ハーニィのその答えに満足そうにコンラートは笑う。
「まぁ、それはともかく、今日本当にさ、セッ……」
「主! 仕事をしてください!」
大きな声で叱られて、コンラートは肩をすくめながら「はぁい」と答えた。
「今までさぁ、そういうことはしないって決めてたんだけども……ちょっと、当分、セックスをしようかなって」
「当分、セックスをする……?」
何を言い出したんだ、この主は……ハーニィは眉間を寄せてオウム返しをした。それへ、コンラートは真剣な表情を向ける。
「そう。あんなに凄いものなら、みんながセックス好きって言ってるのもわかるなぁ~と思って。いやぁ、やっぱり百聞は一見にしかずと言うか……」
「それは、どこかでなさって来たということ、でしょうか? 駄目ですよ! あなたほどの方の子種は、きっとこの魔塔の跡取り候補になるんですから。無駄撃ちは……」
「それぐらい考えているって。内緒で相手に魔法をかけたのは悪いとは思ったけど、避妊魔法ぐらい許してもらえるよねぇ? っていうか避妊魔法? 何魔法っていうんだ? あれ」
さすがに「そんな魔法まで?」と苦々しい表情を見せるハーニィ。
「いやぁ、そんな魔法自分が試すことなんてないと思ってたけど、覚えておくもんだね。よかったよかった……ああ、そういうわけでさ」
「はい」
「今晩、どっかの娼館から、女の子連れて来てほしいんだけど。わたしはまた当分ここから出られないから、来てもらうしかないんだよなぁ……」
「ここに? この部屋にですか!?」
「うん。駄目かな?」
ハーニィはぐるりと室内を見渡した。自分が立っている場所以外は、床のほとんどの上に書物が積み上がっている。しかも、埃まみれで。彼が座っている執務椅子のクッションだって、何年使い続けたのかカバーが薄汚れているし、執務用の机の上は多くの書類でぐしゃぐしゃだ。
そして、実はここには仮眠用のベッドがある……はずなのだが、それも、その場からどこにあるのか姿が見えないほど、周囲に色々なものが積み上がっている。毎日コンラートは眠る時、積み上がった書物を「よっこらしょ」と跨いでベッドに入らなければいけないのだが、それを彼は不満に思っていないのだ。
「あなたが衣食住にほとんど興味がないどころか、よろしくない状態ですら気にしないことは存じ上げていますが……」
「駄目?」
もう一度コンラートに尋ねられたため、ハーニィは声を荒げた。
「駄目ですよ! よくもこんなところに女性を通そうと思えますね!?」
「駄目か。これ整理する魔法ないの?」
「生活魔法でも、ありませんねぇ……」
「じゃ、寝室どっか空いてたら。あるでしょ。隣の部屋とか」
ハーニィは深いため息をついた。
「ありますよ。あります。でもですね」
「うん」
「今日のところはひとまず、お仕事に戻っていただけませんか。魔塔の主が姿を消した、って話題になる前に帰って来ていただいて良かったですよ、本当に」
そのハーニィの言い草に、コンラートは「あーあ」とつまらなそうに呟く。
「たまにはもうちょっと外に出て遊びたいのになぁ。なかなか魔塔の外に出られないなんて、ほんと、とんでもない肩書きになっちゃったもんだ」
「仕方がないでしょう。今、人が足りないんですから、連日あなたの魔力を分けてもらわないといけないし、王宮の魔法使いが面倒なことを持ち込んでくるし、研究所では古代魔法の実験のやりすぎで……」
ハーニィの言葉に、コンラートは「わかっている」と言いたげに手をひらひらとさせた。
「だから、わたしの魔力の半分以上を『貸し出して』いるんだろう? でも、昨日の案件、わたしの魔力を過分に貸し出す内容だったし、それ自体が異教徒の狙いだったんじゃないのかな?」
「現在調べています。多分そうだったのだとわたしも思っていますので」
「そうか。今日明日にはわかるか?」
「と、思います」
ハーニィのその答えに満足そうにコンラートは笑う。
「まぁ、それはともかく、今日本当にさ、セッ……」
「主! 仕事をしてください!」
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