この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

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12.『選抜会、まさかの決勝戦!?…ってぼく、決めるって言ってないのに!?』

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「ルカ様、今のお気持ちは?」

「え、えっと……その、ええと……」

 

お昼の園庭。
巨大魔法スクリーンの前で、マイクを向けられて──ぼくは思わず、ミミルをぎゅっと抱きしめた。

 

(なにこれ……どうして、こーなったの……!?)

 



 

補佐係選抜が始まって、すでに一週間。

先生たちも最初は止めようとしてたけど……
気づいたら「プレゼン大会」「実技審査」「ルカへの愛を短歌で詠むコーナー」まで開催されてた。

 

しかも、残ったのはこの三人。

・ユリウスくん:優雅な微笑み、誰よりも本気な執着系王子
・カインくん:無口だけど、全力で守ってくれるくまさん系幼児
・レオンくん:素直じゃないけど、視線が熱すぎる皮肉屋くん

 

みんな、やさしくて、かっこよくて、好き。

でも。

 

(……なんで、ぼく“決める側”になってるんだろ)

 

ぼく、だれのものにもなりたくないのに。

 



 

その日の午後。
“最終課題”として──三人がそれぞれ、ぼくの「1日補佐」を担当することになった。

 

・ユリウスくんの日:
毎朝の髪セット、ランチのスプーン持ち、膝枕付き絵本朗読……。

「……ゆ、ユリウスくん……くすぐったい……!」

「ふふ、ルカ様の髪質は、神が創った奇跡ですね」

 

・カインくんの日:
移動時は常にお姫様抱っこ、周囲は鉄壁の無言ガード。

「……かいんくん、歩けるよ……?」

「…………(ぐっ、と力が強くなる)」

 

・レオンくんの日:
手はつながないけど、ずっとそばにいて、誰よりも先に飲み物を渡してくれる。

「……気温下がってきた。これ、温かい」

「れおんくん……ありがとう……」

 



 

でも、夜になって──

お風呂の中でミミルに顔を埋めながら、
ぼくはぽつりと呟いた。

 

「……なんだか、ちがう気がするの」

 

みんな、ぼくのことを“好き”だって言ってくれる。
だけど、その“好き”に、なんだか「所有したい」って気持ちが混ざってて……

ちょっと、こわい。

 

(ぼく、みんなに愛されたいけど……)

(でも、誰かの“もの”にはなりたくない)

 

ミミルを抱きしめると、ふわっと光った。

 

「うん……ミミルがいてくれて、よかった」

 



 

その夜、いつものカレンダーの魔法が告げた。

『だれのものにもならない勇気が、
 あなたの光を守ってくれる』

 

──でも、その“光”は、次の日からさらに多くの想いを引き寄せてしまう。

 

次回、現れるのは──かつてルカにフラれた“伝説の園児”。
彼が園に帰ってきて、波乱が巻き起こる!?
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