初恋のお姉さん役の私は幼馴染に恋をする

白雪

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第3話

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「ごめんなしゃい!!」
皆さんこんにちは!桜です。ただいま私は人生の崖にたっていると思われます。私の前で頭を下げて謝っているのはメインヒーローの笹倉 涼。そしてそんなヒーローに謝られているのは私である。

……あァどうしてこうなったのかしら5歳児には荷が重いです。

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夏目じいさまにメインヒーローの友達になって欲しいと言われてから約30分経った。軽く談笑していたのだがここで夏目じいさまは爆弾を落としてきた。それも小さいものではなく特大の。

「さぁ桜ちゃん早速涼に今日会って欲しいんだがいいかね?」
えっ!?もうですか??昨日倒れて今日会うって、展開早すぎませんか?
口に入れていたクッキーがつい口から外に出そうになったのを必死に防いで夏目じいさまに目をやると嬉しそうに、ニコニコと笑っていた。
「夏目じいさま……っ!分かりました。」
いじいじしてても進まないので会うことに決めました。
「さくちゃん。断ってもいいんだよ!!」
父様……そんな嬉しそうな顔して言わないでください。
「桜。仲良くするのですよ。」
かあさま……目が、輝いてますね、
嫌だと思っている私の感情とは裏腹にかあさまはうれしそうである。
「それじゃぁ涼を呼んでくれ。」
近くにいたメガネ系クール美人(?)に夏目じいさまはメインヒーローを呼ばせた。

……しばらく夏目じいさまと父様のじゃれあいを見ていると小さくコンコンと音がした。
「誰だ。」
「おとおしゃま。涼でしゅ。」
なるほど……さ行が苦手なんですかね、でも……最初にあった時は割と普通に喋れていた気がするのですが……

まぁ気にしないでおきましょう。

「入れ。」
短く夏目じいさまが告げるとゆっくりとドアが開いた。そこにはメガネ系クール美人(?)にドアを開けてもらってこちらに入ってくる少年がいた。まだ幼さく美少年というのはおかしいとは思うが恐ろしく綺麗な顔立ちをしていた。
真っ黒な髪の毛は艶々としていて。まつ毛に縁どられている目は大きく。地球の色を思わせるアースブルーだった。口は小ぶりで庇護欲のそそられる容姿をしていた。

……ほぅメインヒーローは幼い頃はこんなんだったんですね。ゲームではクール系なだけあって綺麗。という感じでしたが今は可愛いですね。あぁでも眼福やわぁあ

「涼。こちらは桜ちゃんだ。きみの友だちになる子だ。」
「しゃくらさん。よろしくお願いします。」
うひゃぁ!話しかけられた!
「えっと……はい。桜です。よろしくお願いします」
「涼、自己紹介をしなさい。」
「はい。ボクは笹倉 涼です。」
先程とは少し変わりハッキリとした口調で自己紹介をしてくれた。しかし、私はそんなことより気になることがあった。
「そういえば……ですが昨日いた子は……」
「あぁ!春樹くんだね彼は今日はいないよ」
ニコニコとした顔で答える夏目じいさまとは真逆に少しブスッとしているメインヒーローいや、この際涼くんでいいだろう。
「すまないが……私たちはそろそろ仕事に戻らねばならぬ」
全然申し訳なさそうに夏目じいさま言う。しかしこちらとして聞き捨てなりません!今私たちって言いましたね!さっきから静かなうちの両親もつれていく気ですね!許しませんよ!
「なっ!さくちゃんと彼を二人きりにするつもりなのか!?」
「まぁまぁまぁ!!それはいいですねぇ」
猛反対猛抗議の父様とは裏腹にかあさまは賛成のようだ。ええ顔しとるなぁ。
「では、行くとするか」
父様の抗議は虚しく。夏目じいさまに引っ張られて連れていかれる。お達者で。
「……」
「……」
お父様が出ていってからかれこれ10分は経過している。このままでは埒が明かないのでこちらから喋ることにした。
「あの……涼くんのことなんて呼べば……」
「りょうでいいですっ。」
なぜか消え入りそうな小さい声でそう言われた。涼って呼び捨てでいいのか……
「じゃぁ私も桜って呼んでね?」
「はいっっ」
えっ……なんか泣きそうじゃない?
涼の顔をまじまじと見てみると明らかに目が潤んでいて今にも泣きそうである。これはいけない。
「えっと……涼はなんでそんなに泣きそうなの?」
「ふえっ?」
えっ、自覚がなかったの?
目が大きく見開かれまるで初めて知ったというようにぽかんとした顔になっている。……と思ったら
「ごめんなしゃい!!」
と急に立ち上がって90度の角度で謝られてお辞儀された
「ええええええ!」
こちらとしては謝られる理由が思いつかないしどちかと言えばこちらが謝らなければ行けないのにどうして!!?
「ぼくっ!ぼくっ!ボクと春樹が挨拶の時に睨んじゃったからァァ桜姉さんは倒れちゃってぇ」
「……え?」
え、私睨まれてたの!?全然気づかなかったよ?昨日だよ……ね。てか桜姉さんって嬉しい
「ちがうよっ!あれは、私の体調が元から優れなかっただけで!」
まさか、前世の記憶思い出して倒れたなんて言えないもん、
「僕達のせいじゃないんですか?」
「えっええ!」
睨むだけで人を気絶させる能力って強すぎるわよさすがに……
「よがっだぁぁあ」
途端に先程まで止まっていた涙を再び流して安堵する涼。うん。よかった。とりあえずよしよしとしとこう!
「……」
あれ、静かになった。
涼の顔をマジマジと観察していると。ぽんっと音が出てしまうくらい顔が赤くなっている。
おっ?照れてるのかな?可愛いなぁ
「やっやめてくだしゃい」
かわゆ~
しばらくなでなでしているとドタドタと廊下から音がしてきた。そして現れたのは、1番先頭に父様でかあさまと夏目じいさまとメガネ系クール美人さんを引き連れて入ってきた。
「さくちゃん!?なにがあったの!?」
「色々ですっ!」
そう!色々あったんです!
そうこうしていると
「さくちゃんは疲れているようだから帰らせてもらう!」
と父様が言い始めたので帰ることとなった。帰り際にちらりと涼を見ると小さくこちらに向かって手を振っているので振り返すと彼は笑顔になった。
ーよかった……笑ってくれた

その日は、意外と疲れていたのか早く眠りについてしまった。
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