東大受験物語

けんしろー

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第46章 浪人宣言 新たな365日

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第46章

「浪人宣言——新たな365日」


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■ 3月下旬、桜の下で

赤門の別れから数日。
西原から連絡が来た。
「最後に、ちゃんと話したい」
呼び出されたのは、春の光に包まれた上野公園だった。

西原は少し恥ずかしそうに笑った。
「……悠真、私、ずっとあなたのこと支えたいと思ってた。浪人しても、私は東大で待ってるから」

胸の奥に熱いものが広がった。
「じゃあ……付き合おうか」
その言葉に、西原の笑顔は春空よりも眩しかった。


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■ 予備校探しの現実

浪人生活を始めるにあたり、悠真は三大予備校の資料を集めた。
駿台、代ゼミ、河合塾——パンフレットはどれも華やかだが、数字は冷静だ。

電話をかけると、駿台の事務員は淡々と言った。
「東大クラスの浪人合格率は、例年1割程度です」
代ゼミも同じような数字。

しかし河合塾だけは違った。
「本郷校の東大コースは、浪人の合格率が5割近くあります」
——その瞬間、悠真の中で答えは決まった。


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■ 本郷へ

数日後、悠真は河合塾本郷校の受付に立っていた。
新しいビル、壁に貼られた合格者の名前が誇らしげに輝いている。
「東大コース、文科一類志望でお願いします」
申込用紙にペンを走らせる手は、少し震えていた。

受付の女性が微笑んだ。
「来年、赤門でお会いしましょう」
その言葉が、不思議と力になった。


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■ 道は分かれても

高村は駿台を選んだ。
「理系は駿台が一番だと思う」
互いに選んだ場所は違っても、目指す場所は同じ——赤門の向こう側だ。


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■ そして、父の提案

夕食後、父が唐突に言った。
「お前、この一年よく頑張ったな。結果は残念だったけど……まずはゆっくり休め。
来週から一週間、ハワイに行ってこい。頭も心もリセットしてこい」

その声には、普段の厳しさではなく、温かな労りが滲んでいた。
悠真は一瞬戸惑ったが、心の奥に小さな安堵が広がる。
(……よし。ハワイで一度、全部の景色を見直してから戻ってくる)

新しい365日は、海の向こうから始まろうとしていた。

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