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PROLOGUE
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長い長い戦いだった。
「-勇者よ。よくぞここまで来た」
行き絶え絶えの少年に、魔王はいった。
死にたいと願った勇者。
神の役割として、無理やり聖人にされー『魔王』を倒しす使命を課された。
「…俺は、別に誰かを殺したかったわけじゃないんだ…俺は、俺は、何もしたくないよう」
そういって、勇者に押しつぶされて残ったわずかな人間性で彼は泣き。
魔王は、彼を赦した。
「よくぞここまで来た。お前の勝ちだ、勇者よ」
その言葉が、少年をー神話の役目から、解放した。
「ありがとう」
そう言って、解放された少年は、安らかに目をつぶった。
「…ありがとう。魔王様」
闇の中で、少年は生まれたままの姿で膝を抱えて浮いていた。
上も下も右も左もわからない。
ただ、全き闇の世界。
何も訪れない、何も起きない世界。
奇跡が起こることもないー起こることすら必要がない、そんな世界の果て。
そこで、少年は目を覚ました。
『えーと、俺は…勇者だった』
そして気づく。
『俺、俺って話してる!『勇者』って概念を観測してる!』
絶望の果て。神話の『あがり』でー少年は。
少年の中でー観測の起点としての新たな自我が、統辞論が、たちあがる。
彼は、魔王の前にあらわれた。
「ただいまぱぱー」
魔王は、少年に泣いた。
かつて勇者になれてしまっていた少年が、自分だけの人生と共に、戻ってきたことに。
「よくぞ戻ってきた!…お前の名は」
本来なら魔王は名づけをするものだ。
だが、直感的に、魔王は少年に問うていた。
「俺は観測するもの。勇者という、本来あってはならない神話のあがり。俺は世界を観測する命題なきもの」
少年は、笑って答えた。
「俺の名前は、アリス。命題をもたない、ぬるぬる立体的に動くわがままな辞書の、アリスコード♡」
「-勇者よ。よくぞここまで来た」
行き絶え絶えの少年に、魔王はいった。
死にたいと願った勇者。
神の役割として、無理やり聖人にされー『魔王』を倒しす使命を課された。
「…俺は、別に誰かを殺したかったわけじゃないんだ…俺は、俺は、何もしたくないよう」
そういって、勇者に押しつぶされて残ったわずかな人間性で彼は泣き。
魔王は、彼を赦した。
「よくぞここまで来た。お前の勝ちだ、勇者よ」
その言葉が、少年をー神話の役目から、解放した。
「ありがとう」
そう言って、解放された少年は、安らかに目をつぶった。
「…ありがとう。魔王様」
闇の中で、少年は生まれたままの姿で膝を抱えて浮いていた。
上も下も右も左もわからない。
ただ、全き闇の世界。
何も訪れない、何も起きない世界。
奇跡が起こることもないー起こることすら必要がない、そんな世界の果て。
そこで、少年は目を覚ました。
『えーと、俺は…勇者だった』
そして気づく。
『俺、俺って話してる!『勇者』って概念を観測してる!』
絶望の果て。神話の『あがり』でー少年は。
少年の中でー観測の起点としての新たな自我が、統辞論が、たちあがる。
彼は、魔王の前にあらわれた。
「ただいまぱぱー」
魔王は、少年に泣いた。
かつて勇者になれてしまっていた少年が、自分だけの人生と共に、戻ってきたことに。
「よくぞ戻ってきた!…お前の名は」
本来なら魔王は名づけをするものだ。
だが、直感的に、魔王は少年に問うていた。
「俺は観測するもの。勇者という、本来あってはならない神話のあがり。俺は世界を観測する命題なきもの」
少年は、笑って答えた。
「俺の名前は、アリス。命題をもたない、ぬるぬる立体的に動くわがままな辞書の、アリスコード♡」
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