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六
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知らない電話番号だった。落ち着きを払ってスマートフォンを手に持つ。留守電が入っていた。
男の声だった。だがその声は氷のように薄っぺらい儚さがあった。
「はじめまして、ボーイの櫻井俊介と言います。前から客で来ていたのですが、一度連絡先を聞いたことがあったので連絡していただきました。またお時間があるときにお掛け直し下さい」
ツーツーと音がして、アナウンスが流れる。その声のままにダイアルボタンを押してスマートフォンの画面をじっと見つめる。
「櫻井俊介?聞いたことないな。狭いバーだし知らないはずないんだけど」
あの五人組のおじさんたち、コワモテさんとか。あの人たちが頭の割合を占めてて他の客の印象が薄いのかもしれない。
「ママ、ボーイ雇うんだ。ふーん」
イケメンだったなぁ、声。鼻歌を歌うと、その自分にぎくりとする。そんな自分いやだ。第一、ガールズ嬢が恋なんてナンセンス。
男の声だった。だがその声は氷のように薄っぺらい儚さがあった。
「はじめまして、ボーイの櫻井俊介と言います。前から客で来ていたのですが、一度連絡先を聞いたことがあったので連絡していただきました。またお時間があるときにお掛け直し下さい」
ツーツーと音がして、アナウンスが流れる。その声のままにダイアルボタンを押してスマートフォンの画面をじっと見つめる。
「櫻井俊介?聞いたことないな。狭いバーだし知らないはずないんだけど」
あの五人組のおじさんたち、コワモテさんとか。あの人たちが頭の割合を占めてて他の客の印象が薄いのかもしれない。
「ママ、ボーイ雇うんだ。ふーん」
イケメンだったなぁ、声。鼻歌を歌うと、その自分にぎくりとする。そんな自分いやだ。第一、ガールズ嬢が恋なんてナンセンス。
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