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第32話:未来予想図と、新しいノート
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冬の水族館で交わした、未来を誓うキス。
あの日の出来事は、私と怜くんの関係を、また一つ、新しいステージへと引き上げてくれた。
私たちはもう、ただの高校生の恋人じゃない。お互いの夢を応援し、支え合う、かけがえのない「パートナー」なのだ。
翌日の月曜日。
教室で交わす、何気ない挨拶。休み時間に、彼がくれる、温かいミルクティー。
その一つ一つが、昨日までよりも、ずっと、愛おしく、輝いて見えた。
昼休み、私は、美咲に、怜くんの夢のことを打ち明けた。
「……海外の大学、かぁ。そっか、怜くんなら、それくらい目指すよね。……で、陽菜は、大丈夫なの? 遠距離恋愛、寂しくない?」
親友の、心からの心配が、胸に沁みる。
私は、力強く頷いた。
「もちろん、寂しいよ。でも、それ以上に、彼の夢を、一番近くで応援したいの。それが、今の、私の夢だから」
私の言葉に、美咲は、呆れたように、でも、どこか誇らしそうに、微笑んでくれた。
その日の放課後、私たちは、いつものように図書室で机を並べていた。
でも、開いている本は、いつもと少しだけ、違っていた。
怜くんが読んでいるのは、海外の大学の、分厚いパンフレット。私が読んでいるのは、国内の大学の、ジャーナリズム学科の案内。
それぞれの未来に向かって、でも、隣で、一緒に。
その時間が、たまらなく、幸せだった。
「……陽菜」
怜くんが、パンフレットの一枚を指さす。そこには、青い空と、ヤシの木が並ぶ、カリフォルニアの大学のキャンパスが写っていた。
「ここの大学、スポーツ科学の分野で、世界トップクラスなんだ」
「へぇ、すごい! 景色も、すごく綺麗だね」
今度は、私が、自分の読んでいた案内の一ページを、彼に見せる。
「私が目指してるのは、ここ。新聞部が、すごく有名なんだって」
「……ふーん。お前が好きそうだな」
彼は、そう言って、私の頭を、くしゃりと、優しく撫でた。
その時、私は、一つのアイデアを思いついた。
私は、カバンの中から、役目を終えて、もうほとんど書き込まれることのなくなった、あの「観察日記」を取り出した。
「ねえ、怜くん。私の、この『霧島怜 観察日記』、もうすぐ、終わりなんだ」
彼は、その懐かしいノートを見て、少しだけ、楽しそうに笑う。
私は、カバンから、もう一冊、新しい、真っ白なスクラップブックを取り出した。
「だからさ、新しいノート、始めない?」
「……新しいノート?」
「うん。『私たちの、未来予想図』。ここに、怜くんが行きたい大学の写真とか、私が書きたい記事の切り抜きとか、これから、二人で叶えたい夢を、たくさん、貼り付けていくの」
私の、突拍子もない提案に、彼は、一瞬、きょとんとした顔をした。
そして、次の瞬間、今まで見たこともないくらい、柔らかく、優しく、微笑んだ。
「……それ、悪くないな。ほんと、お前は、変なこと、思いつくな」
私たちは、図書室のカウンターで、ハサミとのりを借りた。
そして、机の上で、それぞれのパンフレットから、未来の欠片を、切り抜いていく。
スクラップブックの、記念すべき、最初の1ページ。
左側には、カリフォルニアの青い空。右側には、私が夢見る、新聞社のロゴ。
今はまだ、遠く離れた、それぞれの夢。
でも、このノートの中で、私たちの未来は、確かに、一つに繋がっている。
遠距離なんて、怖くない。
だって、私たちの心は、いつだって、このノートのように、すぐ隣にいるのだから。
そんな、どこまでも温かくて、揺るぎない確信が、私の胸を、満たしていた。
あの日の出来事は、私と怜くんの関係を、また一つ、新しいステージへと引き上げてくれた。
私たちはもう、ただの高校生の恋人じゃない。お互いの夢を応援し、支え合う、かけがえのない「パートナー」なのだ。
翌日の月曜日。
教室で交わす、何気ない挨拶。休み時間に、彼がくれる、温かいミルクティー。
その一つ一つが、昨日までよりも、ずっと、愛おしく、輝いて見えた。
昼休み、私は、美咲に、怜くんの夢のことを打ち明けた。
「……海外の大学、かぁ。そっか、怜くんなら、それくらい目指すよね。……で、陽菜は、大丈夫なの? 遠距離恋愛、寂しくない?」
親友の、心からの心配が、胸に沁みる。
私は、力強く頷いた。
「もちろん、寂しいよ。でも、それ以上に、彼の夢を、一番近くで応援したいの。それが、今の、私の夢だから」
私の言葉に、美咲は、呆れたように、でも、どこか誇らしそうに、微笑んでくれた。
その日の放課後、私たちは、いつものように図書室で机を並べていた。
でも、開いている本は、いつもと少しだけ、違っていた。
怜くんが読んでいるのは、海外の大学の、分厚いパンフレット。私が読んでいるのは、国内の大学の、ジャーナリズム学科の案内。
それぞれの未来に向かって、でも、隣で、一緒に。
その時間が、たまらなく、幸せだった。
「……陽菜」
怜くんが、パンフレットの一枚を指さす。そこには、青い空と、ヤシの木が並ぶ、カリフォルニアの大学のキャンパスが写っていた。
「ここの大学、スポーツ科学の分野で、世界トップクラスなんだ」
「へぇ、すごい! 景色も、すごく綺麗だね」
今度は、私が、自分の読んでいた案内の一ページを、彼に見せる。
「私が目指してるのは、ここ。新聞部が、すごく有名なんだって」
「……ふーん。お前が好きそうだな」
彼は、そう言って、私の頭を、くしゃりと、優しく撫でた。
その時、私は、一つのアイデアを思いついた。
私は、カバンの中から、役目を終えて、もうほとんど書き込まれることのなくなった、あの「観察日記」を取り出した。
「ねえ、怜くん。私の、この『霧島怜 観察日記』、もうすぐ、終わりなんだ」
彼は、その懐かしいノートを見て、少しだけ、楽しそうに笑う。
私は、カバンから、もう一冊、新しい、真っ白なスクラップブックを取り出した。
「だからさ、新しいノート、始めない?」
「……新しいノート?」
「うん。『私たちの、未来予想図』。ここに、怜くんが行きたい大学の写真とか、私が書きたい記事の切り抜きとか、これから、二人で叶えたい夢を、たくさん、貼り付けていくの」
私の、突拍子もない提案に、彼は、一瞬、きょとんとした顔をした。
そして、次の瞬間、今まで見たこともないくらい、柔らかく、優しく、微笑んだ。
「……それ、悪くないな。ほんと、お前は、変なこと、思いつくな」
私たちは、図書室のカウンターで、ハサミとのりを借りた。
そして、机の上で、それぞれのパンフレットから、未来の欠片を、切り抜いていく。
スクラップブックの、記念すべき、最初の1ページ。
左側には、カリフォルニアの青い空。右側には、私が夢見る、新聞社のロゴ。
今はまだ、遠く離れた、それぞれの夢。
でも、このノートの中で、私たちの未来は、確かに、一つに繋がっている。
遠距離なんて、怖くない。
だって、私たちの心は、いつだって、このノートのように、すぐ隣にいるのだから。
そんな、どこまでも温かくて、揺るぎない確信が、私の胸を、満たしていた。
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