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第38話:夢じゃない、朝
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十二月二十五日、クリスマス。
私は、自分の部屋のベッドで、ゆっくりと、目を開けた。
窓から差し込む、冬の、柔らかな朝日。静かで、穏やかな、朝。
(……夢、だったのかな)
昨日の夜の出来事が、あまりにも、完璧すぎて。満点の星空も、彼の甘い告白も、優しいキスも、全部、私が作り出した、幸せな夢だったんじゃないか、と、一瞬、思った。
でも。
そっと、自分の胸元に触れると、指先に、ひんやりとした、小さなハートの感触があった。
夢じゃない。
このネックレスが、昨日の夜が、本物だったことの、確かな証拠だ。
じわじわと、幸せな実感が、心の底から、込み上げてくる。私は、ベッドの上で、子供みたいに、何度も、何度も、寝返りを打った。
その時、枕元のスマホが、小さく、震えた。
画面に表示された、怜くんからの、メッセージ。
『メリークリスマス、陽菜。愛してる』
その、あまりにも真っ直ぐで、甘い言葉に、私の顔が、ぼふっと、一気に熱くなる。
私は、震える指で、必死に、返信を打った。
『メリークリスマス、怜くん。私も、愛してるよ』
私たちの、新しい朝は、こうして、始まったのだ。
午後、私は、美咲と駅前で会う約束をしていた。
私の顔を見るなり、彼女は、目をまん丸にして、叫んだ。
「ひな! あんた、なんか、昨日と、雰囲気、全然違う! 何があったの!?」
私は、照れくさいのを必死でこらえながら、昨日の夜の出来事を、ぽつり、ぽつりと、話し始めた。
貸し切りのプラネタリウム。ハートのネックレス。そして、彼の、甘い、告白。
「――それで、『結婚を、前提に』って……」
「け、けけけ、結婚!?」
美咲が、ファミレスの机を、バンッ、と叩いて、身を乗り出す。
「嘘でしょ!? あんたたち、まだ高校生よ!? さすが、氷の王子様は、やることが違うわね……!」
親友の、あまりの興奮ぶりに、私は、なんだか可笑しくなって、ふふっと、笑ってしまった。
その頃、怜くんも、悠斗と、公園でバスケをしていた。
「……で? 陽菜ちゃんに、ちゃんと、言えたのかよ」
「……ああ」
「『結婚を前提に』って、お前、本気かよ。マジで」
呆れたように笑う悠斗に、怜くんは、澄んだ冬空を見上げながら、静かに、でも、揺るぎない声で、言った。
「本気だ。あいつじゃなきゃ、ダメなんだ」
その、親友の、迷いのない表情に、悠斗は、敵わないな、というように、肩をすくめて、笑った。
夕方、私は、怜くんと、近所の公園で、待ち合わせた。
特別な約束があったわけじゃない。ただ、少しだけ、顔が見たかった。
ベンチに並んで座り、他愛もない話をする。
家族と、どんなクリスマスを過ごしたか。冬休みの宿題、どこまで終わったか。
そんな、穏やかで、ありふれた時間が、今は、何よりも、愛おしかった。
私は、カバンの中から、もう、ほとんど役目を終えた、「観察日記」を取り出した。
そして、最後の、真っ白なページを開き、今日の、日付を書く。
『私の物語は、最高のハッピーエンドを迎えました』
その文字を、隣から、彼が、静かに、覗き込む。
そして、彼は、私の手から、そっと、ペンを取ると、その文章の下に、ゆっくりと、文字を、書き加えた。
『違う。俺たちの物語は、今日、始まったばかりだ』
その、力強くて、優しい文字。
私は、彼の肩に、そっと、頭を預けた。
もう、一人で、彼の秘密を追いかける必要はない。
これからは、二人で、同じノートに、同じ未来を、書き記していくのだ。
そんな、どこまでも温かくて、幸せな確信が、私の胸を、満たしていた。
私は、自分の部屋のベッドで、ゆっくりと、目を開けた。
窓から差し込む、冬の、柔らかな朝日。静かで、穏やかな、朝。
(……夢、だったのかな)
昨日の夜の出来事が、あまりにも、完璧すぎて。満点の星空も、彼の甘い告白も、優しいキスも、全部、私が作り出した、幸せな夢だったんじゃないか、と、一瞬、思った。
でも。
そっと、自分の胸元に触れると、指先に、ひんやりとした、小さなハートの感触があった。
夢じゃない。
このネックレスが、昨日の夜が、本物だったことの、確かな証拠だ。
じわじわと、幸せな実感が、心の底から、込み上げてくる。私は、ベッドの上で、子供みたいに、何度も、何度も、寝返りを打った。
その時、枕元のスマホが、小さく、震えた。
画面に表示された、怜くんからの、メッセージ。
『メリークリスマス、陽菜。愛してる』
その、あまりにも真っ直ぐで、甘い言葉に、私の顔が、ぼふっと、一気に熱くなる。
私は、震える指で、必死に、返信を打った。
『メリークリスマス、怜くん。私も、愛してるよ』
私たちの、新しい朝は、こうして、始まったのだ。
午後、私は、美咲と駅前で会う約束をしていた。
私の顔を見るなり、彼女は、目をまん丸にして、叫んだ。
「ひな! あんた、なんか、昨日と、雰囲気、全然違う! 何があったの!?」
私は、照れくさいのを必死でこらえながら、昨日の夜の出来事を、ぽつり、ぽつりと、話し始めた。
貸し切りのプラネタリウム。ハートのネックレス。そして、彼の、甘い、告白。
「――それで、『結婚を、前提に』って……」
「け、けけけ、結婚!?」
美咲が、ファミレスの机を、バンッ、と叩いて、身を乗り出す。
「嘘でしょ!? あんたたち、まだ高校生よ!? さすが、氷の王子様は、やることが違うわね……!」
親友の、あまりの興奮ぶりに、私は、なんだか可笑しくなって、ふふっと、笑ってしまった。
その頃、怜くんも、悠斗と、公園でバスケをしていた。
「……で? 陽菜ちゃんに、ちゃんと、言えたのかよ」
「……ああ」
「『結婚を前提に』って、お前、本気かよ。マジで」
呆れたように笑う悠斗に、怜くんは、澄んだ冬空を見上げながら、静かに、でも、揺るぎない声で、言った。
「本気だ。あいつじゃなきゃ、ダメなんだ」
その、親友の、迷いのない表情に、悠斗は、敵わないな、というように、肩をすくめて、笑った。
夕方、私は、怜くんと、近所の公園で、待ち合わせた。
特別な約束があったわけじゃない。ただ、少しだけ、顔が見たかった。
ベンチに並んで座り、他愛もない話をする。
家族と、どんなクリスマスを過ごしたか。冬休みの宿題、どこまで終わったか。
そんな、穏やかで、ありふれた時間が、今は、何よりも、愛おしかった。
私は、カバンの中から、もう、ほとんど役目を終えた、「観察日記」を取り出した。
そして、最後の、真っ白なページを開き、今日の、日付を書く。
『私の物語は、最高のハッピーエンドを迎えました』
その文字を、隣から、彼が、静かに、覗き込む。
そして、彼は、私の手から、そっと、ペンを取ると、その文章の下に、ゆっくりと、文字を、書き加えた。
『違う。俺たちの物語は、今日、始まったばかりだ』
その、力強くて、優しい文字。
私は、彼の肩に、そっと、頭を預けた。
もう、一人で、彼の秘密を追いかける必要はない。
これからは、二人で、同じノートに、同じ未来を、書き記していくのだ。
そんな、どこまでも温かくて、幸せな確信が、私の胸を、満たしていた。
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