NTRもののゲームの世界に転生した私の生存戦略

クラッベ

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第十二話・排出しよう。

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「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

セルドは森の中をかけていた。
まさか自分の計画がバレてしまい、騎士団が攻め込んでくるなんて予想外だった。

しかも誤魔化そうとしたところを女冒険者たちが余計なことをしたため、もう弁解が出来ない。

「どういうことだ、何故持ち出したのがバレた…?」

走りながら胸に着けているブローチに加工した悪魔の魔石を見やる。世界を破滅に導こうとする組織が現れ自分に敵対してきたことには驚いたが、奴らの信仰している悪魔の力を利用すれば自分はもっと上へ成り上がれると思い、今回の事を計画した。

完ぺきだったはずだ。騎士団が邪教アジトの跡地を調査する前に、この魔石を持ち出すために隠密スキルを持っている女冒険者に持ってこさせた。
誰にもバレてないはずだ。なのにどうしてこうなった。

いくら考えても答えは出ない。
痛む頭に苛立ちながら、周囲を見渡す。
まだ騎士団の姿は見えない。だがそのうちすぐに追いつかれるだろう。

「こうなったら…」

セルドはブローチを外し、悪魔の魔石を手に取る。そして天へと掲げ、自身の魔力を注ぎ込んだ。

「ぐ、ぬぅううう…!悪魔の魔石よ!ワシに力をよこせ!」

邪教祖はこれを使って悪魔に身を捧げることによって姿を変え、世界を破壊しかねない力を得たとナタリー達から報告を受けている。
ならば自分もこれを使えば、悪魔の力を手に入れられるはずだ。
その力で自分は王都を、いや、世界を手に収めるのだ!

魔石からどす黒い光が飛び出し、セルドの身体を包み込む。そして人間の身体が大きく、強固に変化していく。肌の色が変わり、角が生え、背には大きなコウモリのような羽が生える。
気が付いた時には自分の姿は完全に悪魔と呼ぶにふさわしい姿になっていた。

(おぉ…これがワシの新しい姿…)

「あん?なんだよこの身体、シケてんなぁ」

(!?)

新しく変わった自分の姿に感動していると、自分の意思とは関係なく口が動き、言葉を紡いだ。

「汚ぇおっさんだし魔力もあの教祖に比べてみそっかすだし、腕力もそんなにないし……まぁないよりマシかぁ」

(な、なんだ貴様!ワシの身体に何をした!?)

「なんだようっせぇな…あぁ、この体のヤツの人格か。まだ残ってんのかい」

(答えろ!お前はなんなんだ!!)

自分の意思で体を動かせない。まるでどこかに閉じ込められたような感覚に陥ったセルドは、気怠そうに頭をかいている者に怒鳴る。

「オレ様はお前が呼び出した悪魔だよ。さっき魔石に魔力流し込んだろ。そいつはオレ様をこの世界に召喚する代わりに、魔力を流し込んだ者の身体の主導権をオレ様に譲渡する仕組みになってんの」

(なんだと!?そんな話聞いてないぞ!?)

「勉強不足じゃねぇの?あの教祖は最初から体も魂も捧げるつもりでオレ様召喚したみたいだけど…説明すんのもめんどいし、いつまでもオレ様の身体にこんな小汚いおっさんの魂置いとくなんて嫌だから、さっさと出しちまうか」

(な、何をするつもりだ!返せ!それはワシの身体だ!)

「残念もうオレ様の身体でぇ~す。安心しろよ、こんな平均以下の魔力しかなくても大事な体だからちゃんと大切に使ってやるって」

セルドの身体を乗っ取った悪魔はそういうと、下半身から異様に勃起したものを取り出す。
すると信じられないことに、セルドは自分が触れられているという触感を感じた。そう、セルドは男性器に、いや、男性器に収まっている精液になっていた。

(な、なんだ?なにがどうなって…?)

「お前はどうも自慢なのはこれだけらしいからな。ここだけは他と比べて随分ご立派だわ。それなら最後にその自慢のものからお前の魂を全部排出してやるよ」

(な、なんだと!?やめろぉおおおおっ!)

悪魔は発起した男性器を軽く握ると上下に動かし始める。するとセルドはどんどん「自分」がせりあがっていくのを感じる。そして……



「ふぅ~すっきりした」

すっかり治まった男性器をしまい、悪魔は辺り一面に飛び散った「セルド」を見渡す。

「うわすげぇ量。まぁお前はこういうことだけが取り柄な人間みたいだったからな」

(あ、あ、ああああああ)

「じゃあな、みそっかすでもこの体はありがたく使わせてもらうよ」

(あああああああ)

悪魔はセルドにそう言うと、羽を広げて飛び去って行く。射精され、自分の身体から排出されたセルドは草木に、地面に付着している。

身動き一つも取れず、発声することすら叶わない液体にされてしまった。あとはそのまま死滅していくか、雨でも降って洗い流されるのを待つしかない…

(か、返せ!ワシの身体を返せぇええええええええ!)

そう飛び去って行く悪魔に言うがその声が届くことなく、飛び去って行く自分の元身体を見送るしかできなかった。

そして数分後、追いかけてきたソフィアやロイドたちに踏みつけられることとなる。

 
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