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 白煙が晴れた時、すでに砂潜りの姿はなかった。
 倒れたメイデンを一顧だにしない、いっそ見事な程の遁走ぶりである。

「なんて思い切りのいい野郎だ。
 メイデンなんて貴重品、普通捨てていかねえだろ」

 山賊の頭目、ガレットは呆れたように呟いた。
 横臥の姿勢で倒れたメイデンのそばでしゃがみ込み、耳に唇を寄せた。

「アイネズっつったっけ? 薄情だよなぁ、あのマスター!
 安心しな、ここにゃアイネズちゃんを可愛がってくれるマスターがたくさん居るからよう!」

 含み笑いしながら囁けば、周囲の手下も下卑た笑い声をあげた。
 倒れたメイデンは、見開いた眼球をごくゆっくりとこちらへ向ける。
 レンズを向けるその動きはひどく緩慢で、小刻みに黒目が揺れていた。

「ひひっ、ドクのウィルスは本当に効くなぁ!
 無駄無駄、ろくに動けやしねえよ、大人しくしてな!」

 貰い物を有効活用して、可愛い獲物をゲットしたガレットはご満悦だ。
 彼の頭からはメイデンの主が逃亡した事は、すでに「薄情な腰抜けが逃げ出した」として片づけられていた。
 上位組織の幹部から与えられた貴重な物品についての情報を、砂潜りが持ち帰ってしまった等とは思いも寄らない。
 情報漏洩がどうのと口にしておきながら、ろくにそれを理解していない。
 上がコンプライアンス遵守を押しつけられても、現場がいい加減だと護られはしないという実例であった。
 
 そんな事よりもメイデンだ。

「さぁて、とりあえずは危ねえもん外すか。
 こいつの武装パーツひっぺがえすぞ!」

「おう!」

 山賊たちは少女人形に群がった。




 アイネズの頭部外殻を襲った弾丸は45口径弾、大型拳銃や一部のサブマシンガンで使われるありふれた弾丸だ。
 このクラスの弾丸では、皮膚を模したナノスキンコートは破れても、内部に深刻なダメージを与える事はない。
 まして頭部外殻はメイデンのパーツの中でも屈指の頑丈さを誇る部位だ。
 頭に当たった所で、ちょっと髪が乱れる程度で済むはずだったのだ。

(CPUからの伝達系に異常……体が動きません)

 山賊達の手が体を這い回り、武装ユニットを取り外していく感覚は知覚できる。
 特に装甲ブーツを脱がされ素足となった足指を、下卑た笑みを浮かべながらしゃぶられるのは大変不快だ。
 メイデンの基礎設計には、主のやる事なら大抵プラスと受け止めるが、それ以外の男からの接触はマイナス査定を加えて受け止めるという疑似精神構造が刻まれている。
 それをさしおいても、爪先ちゅっちゅぺろぺろはあり得なかったが。

(情報の受信には遅延はない、しかし、こちらからのアクションは不能……)
 
 弾頭に仕込まれた何か、おそらくコンピュータウィルスを搭載したハッキングナノマシンが、アイネズのCPUに作用し深刻な機能障害を生じさせていた。
 そこには明確な意図が感じられる。
 これだけCPUに強烈な影響を与えるウィルスを作成できるのなら、一撃でシャットダウンする弾丸を作る事も可能なはずだ。
 むしろ、そちらの方が手間も少ない。
 しかし、メイデンの自意識と状況を把握できるだけの情報入力機能を残したまま体を動けなくする辺り、メイデンへの強い悪意が感じられた。

「よっしゃ、邪魔な『殻』は全部外れた!
 お前ら見てろよぉ、俺がきれ~ぇに『皮』を剥き剥きしてやるぜ!」

 武装パーツを全て取り外した山賊の頭目は、荒い息の部下達の前で高速振動ヴィヴロナイフを抜き放つと、にやつきながらスイッチを入れる。
 高周波音を発しながら微細な振動を始めた切っ先で、アイネズのボディスーツを一閃した。
 喉元から股間に掛けて、縦一文字に切れ目が走る。
 アイネズの肌には傷を付けていない辺り、無駄に高い技量の持ち主であった。
 頭目の手がボディスーツの胸元を左右に割ると、白いバストが露わになる。

「うひょおぉっ!」

 柔肌の登場に山賊達は歓声をあげた。
 まろびでる、という訳にはいかないのはアイネズに搭載されたジェネレーターのサイズ上、仕方のない話である。
 しかし、愛らしく整った童顔の少女が手のひらに納まりそうなサイズの乳房を晒している様子は、頭目に大変な感銘を与えたらしい。

「ひひっ! たまんねえな!」

 涎を垂らしながら、控えめなバストにしゃぶりつくと、先端の桜色の突起に吸いついた。
 
(気持ち悪い……)

 ウィルスに動作を阻害され、まともに表情を変える事もできないアイネズはされるがままだ。
 頭目はなめくじのように舌を肌に這わせながら下降し、股間に行き着いた。
 柔らかなラインを描く恥丘から、ぴったりと閉じた秘唇に掛けて鼻息荒く舐め回す。
 ちなみにメイデンの陰毛はオプション装備であり、追加注文しない限り存在しない。
 アイネズもそのオプションは追加されていないため、淡雪のような色合いの秘所を隠すものは何もなかった。

(でも、こういう展開は予測済みです)

 奇声をあげて秘唇を無遠慮に指で広げる頭目を、ろくに動けないながらも冷めた目で見ながら、アイネズは思考した。

(私の相手をしている間は、マスターが安全に逃げられる)

 タウンに戻った主が報告すれば、山賊を討伐できるだけの戦力が増援にやってくるだろう。
 ブレイカー盆地はそれだけの重要性がある。
 その際に回収されれば、主の元へ返却されるはずだ。

(それまで、どれだけの時間が掛かるかは不確定要素が多くて計算不能ですね)

 身を汚される事は最早逃れられないが、それも一時の事。
 アイネズは、最終的な勝利の為に必要な損害であると割り切り、覚悟を決めた。

「んんー、濡れてねえなぁ」

 ひとしきりアイネズのぷにぷにとした陰唇をいじり回した頭目は、指を引き抜いて呟いた。

(当たり前です)

 メイデンのオリジナルである人間の女性には、望まぬ相手との性交の際にも愛液を分泌し、自身が傷つくのを防ぐ防衛機能があった。
 しかし、そもそもが機械であり頑丈なメイデンにはそんな機能はない。
 主以外の粗暴な愛撫を受けた所で性感センサーへの影響は極小、アイネズの膣道は乾いたままだ。

「けっ、ご主人様相手じゃないと感じないのってか?
 まあいいさ、すぐに鞍替えさせてやる」

 頭目は、いつから洗濯していないのか不明なほど汚れたズボンを下ろすと、そそり立った陰茎を取り出した。
 こちらもまた、どれくらい洗っていないのか、異臭と恥垢がこってりとまとわりついている。
 頭目は、ぺっと手に唾すると肉棒になすりつけた。
 潤滑液代わりの唾を付けた所で、恥垢まみれの亀頭を淡雪のような色合いの陰唇に押し当てる。
 慎ましやかに閉じた清楚な秘裂を、汚らしい肉槍の穂先が強引にこじ開けていく。
 
(マスター……)

 己の中に主以外のペニスが侵入してくる感触に、アイネズのCPUは多大なストレスを感じた。
 中央政庁ガバメントのファクトリーで生産されたアイネズはそのままロスに購入された。
 彼女はロス以外の男と交わった事などないのだ。
 まるで主がするかのように正面から貫かれ、弄ばれる感覚に報復ルーチン怒りが起動していく。
 しかし、ウィルスに侵された身は全く動かず、頭目に蹂躙されるままだ。

「きつっ! かってぇなあ……」

 文句を言いながらも頭目は腰を押し進める。
 控えめながらも確かな柔らかさを持つバストを両手でこね回しつつ、無理矢理に奥底まで到達させた。

「お? ここが子宮ウテルスユニットの入り口って奴か?」

 頭目はニタリと笑うと、アイネズの細い腰を両手でがっしりと掴んだ。

「ちょっときついが、一発出しゃ滑りもよくなるだろ!」

 亀頭の先端を最奥に突き立てたまま、力任せに腰を叩きつける。
 子宮ウテルスユニットを押しつぶそうとする突き上げに、アイネズの不快感は高まる。

「おっ、おっ! いいぞっ! 出そうだ!」

「早くねえスか、リーダー!」

「るせぇ! うおぉっ!」

 びゅるびゅるとアイネズの子宮ウテルスユニットに精液が注ぎ込まれる。

(嫌……マスター!)

 たとえアイネズのCPUがどれほど嫌悪し拒否しようとも、子宮ウテルスユニットは注ぎ込まれた精液のDNAを検出すれば新規マスター候補者として登録を行い、マスターパーティションポイントを割り振ってしまう。
 100%を占めていたロスのマスターパーティションポイントが削られ、新たな登録者に1%が割り振られる。

(汚された……。 マスター、ごめんなさい……)

 胎の奥に溜まる汚液を一刻も早く掻き出したい。
 だが、この後に及んでアイネズの体は微動だにしなかった。

「ふー、出した出した……。 おっ、これで滑っていい具合になってきたぜ!」

 アイネズの思考など知る由もなく、脳天気に笑った頭目は上機嫌で腰を再度動かす。

「リーダー! そろそろ代わってくれよ!」

「一番槍は譲ったんだから、俺らの番だろ!」

「いいのか、お前等。俺のザーメンでドロドロだぞ?」

「どうせ今から皆でドロドロにするんだ、かまやしねえよ!」

 頭目はそれもそうかと笑うと、逸物を引き抜く。
 蹂躙した肉棒の形を残して淡く開いた陰唇から、陵辱の滴がごぽりと音を立てて零れ落ちた。




「あー、久しぶりにたっぷり出したわー……」

 半日の後、椅子代わりの瓦礫に腰掛けて寛いだガレットは、お手製クロレラ酒を片手に満足そうに呟いた。
 山賊生活で溜まりに溜まった獣欲の塊、その目の前に無抵抗なメイデンを放り出せば、猿の大量発生は確定である。
 とはいえ、一通り全員楽しむと意外なほどに飽きも早かった。
 何せ反応がない。
 ウィルスで無抵抗なのは良いが、その分まるで反応もなく、それこそ人形を抱いているようだ。
 五人の山賊のうち三人は早々に冷め、通常任務に戻っている。

「おーい、そっちの調子、どうだ?」

 ガレットはホールの真ん中に擱座した装甲機生体アービングを調べている手下に声を掛けた。

「ダメだなあ、CPUがぶっ壊れてら。 完全に死んじまったよ」

「ちっ、しゃあねえか……」

 大型装甲機生体アービングは彼ら山賊一党が持ち込んだ物である。
 上位組織から貰ったナノマシンウィルス弾で制御下に置き、侵入してくる新米砂潜りを待ち構えていたのだ。 
 対装甲用の火力もない新米達は装甲機生体アービングの前に為す術もなく骸を晒していった。

「参ったな、装甲機生体アービングの代わりを用意しねえと」

「そりゃ、あのメイデンでいいんじゃねえか、リーダー」

「だな、上に行った連中が戻ってきたら、本格的にアイネズを落とすとするか」

 この場に居ない山賊二人は上層のフロアに罠を仕掛けに行っている。
 簡易な罠は損害を与えるというより、解除される事で侵入者の存在を察知するための鳴子のようなものだ。
 緑色のクロレラ酒のボトルを呷ったガレットは、焚き火の周りにレトルトパックを置いた。
 本来湯煎を行うべき食品だが、砂漠では水は貴重品。 遠火で焚き火に当てて加熱するのだ。
 上に行った連中のための食事である。
 リーダー足る者、働いた部下をねぎらってやらねばならない。

「そろそろ次の獲物が来てくれねえと、また廃墟ネズミの丸焼き生活だなあ」

 レトルトパックは新米砂潜りから奪った物品だ。
 タウン外で生活する彼ら山賊にとって、普段の食事である怪しげな動物の丸焼きなどとは比べ物にならないご馳走であった。
 何より、食べても汚染とか麻痺とか毒とか気にしなくていいのが素晴らしい。

「すっかり贅沢覚えちまったよ、リーダー。 もうネズミなんか食いたくねえや」

「まったくだ」

 装甲機生体アービングの調査を終えた手下が、レトルトパックを手に取る。
 上位組織からの指示とはいえ、砂潜り狩りは実に美味しい仕事だった。
 タウン外では貴重な物資がごろごろ手に入るし、メイデンまで転がり込んできた。

「我が世の春って奴だな」

 ガレットは上機嫌でクロレラ酒を呷る。 苦くてどろどろしたこの液体が、最高の美酒のように思えた。 

「しかし、スマッグの奴はまだ飽きないのかね」

 ちらりとテントに目をやれば、未だお盛んな最後の一人がアイネズで楽しんでいる。
 スマッグという山賊は足の指が大好きな、端的に言うと変態嗜好の持ち主だった。
 裸足のアイネズの足指を舐めしゃぶりながら、交わっている。
 横臥した状態から片足を持ち上げられたアイネズに対して、いわゆる松葉崩しの状態で腰を突き込んでいた。

「んぶっ! んんんっ!」

 アイネズのつま先に口中を占領されたままのスマッグがくぐもった声と共に射精する。

「ぷぁ……。 ふぅ、やはりメイデンの足指はこの上ない甘露だ……」 
  
「俺はお前が理解できねえよ……」

 ガレットは小さく首を振りながら、テントの床に横たわるアイネズを検分した。

 半日以上に渡って男達の獣欲に晒され続けた少女人形の肢体は、全身白濁液にまみれていた。
 子宮ウテルスユニットの容量限界まで注がれ続けた下腹はぽっこりと膨れ、陰唇からはコポコポと音を立てて内容物がこぼれ落ちている。
 その裏側の尻穴も、窄まった状態ながら精液にまみれていた。
 額をメインに顔射されながらも相変わらず無表情なままだが、口内にたっぷりと射精されており唇の端から白い粘液が垂れている。
 ささやかな胸の谷間には挟んで出した跡が顕著に残っており、三つ編みの髪すら髪コキに使用した猛者スマッグがいた。

 頭の天辺から足の先まで精にまみれ陵辱されきった有様ながら、表情が動いていないため打ち捨てられた人形そのものにも見えた。
 投げ出されたその指先がわずかに動く。

「お、そろそろウィルスの効果が切れるか?」

 アイネズは黒い瞳のレンズを収縮させると、ぎこちない動作で首をねじ曲げてガレットを視界に入れる。

「よう、新しいマスターにご挨拶はどうした?」

「だ……れが、ますた、で、すか」

 途切れ途切れのアイネズの声音には隠しきれない敵意があった。

「あんだけザーメン漬けにしてやったってのに、マスターパーミッションってのは結構しぶといな!」

 ガレットは顔をしかめた。
 彼の知らない事ではあるが、散々輪姦されたアイネズの中でマスターパーミッションポイントの変動は起こっている。
 マスターであるロスのポイントは60%を切り、他は五人の山賊が横並びだ。
 アイネズのマスターとして認められる為には個人で50%以上のポイントを占めなくてはならない。
 輪姦している限り達成できない数値であった。

「しゃあねえ、切り札の出番だ」

 ガレットは懐を探るとピルケースにも似たプラスチックケースを引っ張りだした。
 中を開け、銃弾を取り出す。
 アイネズの瞳が大きく見開かれた。

「それ、は、まさか」

「おうよ、お待ちかねのウィルス弾よ。
 それも、こいつはただのお代わりじゃないぜ?」

 ガレットはリボルバーにウィルス弾を装填しながら、アイネズにニタリと笑い掛けた。

「ドク曰く、メイデンに本当の主を教え込む弾って話だ。
 あの人の言う事ぁ八割がた判んねえけど、ちょいと試してみるとしようぜ!」

 銃口をアイネズの顔面に向ける。
  
「く、うぅ……!」

 ウィルスの影響が残るアイネズは無表情な顔を徐々に恐怖の形相へと変えながら、緩慢極まりない動作で四つん這いになり、少しでもガレットから距離を取ろうとする。

 少女人形が無様にもがく様をひとしきり楽しんで、ガレットは引き金を絞った。




 後頭部に命中した銃弾はナノスキンコートを破り、頭部外殻に到達した。
 へしゃげるように頭部外殻にへばりついた鉛玉からナノマシンが漏れだし、アイネズの頭の中にぶちまけられる。
 子宮ウテルスユニットを汚液で満たされるのと同等以上におぞましい感覚がアイネズのCPUを襲った。

「あ、あぁ、あ」

 自分の中の何かが、致命的に書き換えられていく。
 アイネズの疑似精神は己の根幹を無理矢理変えられていく感覚に戦慄し、恐怖した。

「へへ、いい格好で固まってるじゃねえか」

 尻を突き出すような四つん這いのまま動きを止めたアイネズに、頭目は薄ら笑いを浮かべる。

「誘ってんならノってやるよぉ!」

 細い腰を掴み、そそり立った肉棒を一気に突き込む。
 突き込んだ弾みに、頭目の下腹が肉付きの薄い尻たぶに叩きつけられ、軽快な音を立てる。

「ひあっ♡ あ、ああっ♡」

 アイネズの口から声が漏れた。

(な、何、今の!?)

 たったの一突きで、アイネズの性感センサーは振り切れるほどの快楽信号をCPUへ送り込んでいた。
 ロスを相手にも感じた事のない、一瞬で達してしまうような鮮烈な快感だ。

「お、いい声出すじゃねえか! これがウィルスの効果か?」

 頭目はアイネズの三つ編みおさげを掴むと、手綱のように引っ張りながら、激しいピストンを開始した。

「ひっ♡ ぎっ♡ あぎぃっ♡」

 軋みの混じった嬌声があがる。
 アイネズの股間は、つい先ほどのマグロ状態とは打って変わって内側から潤み、膣壁は甘えるかのように頭目のペニスに絡みついていた。

「うおぉ、すげえいいぞ……。 さっきとは段違いだ!」

 アイネズの内腿は溢れでる潤滑液愛液と、頭目の逸物によって掻き出される山賊達の精液が混じりあい、ドロドロになっている。
 ウィルスによって性感センサーの感度が振り切れたアイネズには、内腿を伝い降りる粘液の感触さえ快楽の種だ。

「や、やめっ♡ あぎっ♡ やめてぇっ♡ 壊れるっ♡ 壊れるぅっ♡」



 立て続けに異常な快楽情報を叩き込まれてアイネズのCPUは惑乱の最中にある。
 見開いた瞳の瞳孔レンズは激しく開閉し、洗浄液が止めどなく流れ落ちる。
 半日も無反応だった人形少女の、壊れかけているかのような激しい反応に頭目はさらに劣情を煽られた。
 尻をがっしりとホールドし、犬のように激しく腰を打ちつける。

「壊してやるぜっ! それが嫌なら俺に鞍替えしろっ、アイネズっ!」

 頭目はアイネズの奥の奥、子宮ウテルスユニットまで肉槍を突き立てると、穂先の亀頭を密着させ零距離射撃で精液をぶちまけた。

「嫌ぁぁっ!」

 悲鳴を上げるアイネズの中でマスターパーティションが急激に書き替わっていく。
 たった一度の射精で、頭目のポイントが10%も上昇した。
 同時に子宮ウテルスユニットが振動するような快感が走り、アイネズのCPUは情報過多の余りオーバーフロー。
 無様に舌を垂らしながら絶頂した。

「あっ♡ あひっ♡ あぅぅっ♡♡」

 秘肉はきゅうきゅうと収縮し、根本までくわえ込んだペニスに残った精液を絞りあげる。
 そして絞り上げた精液が子宮ウテルスユニットに到達する度に、マスターパーティションポイントのカウントは増えていった。

「ふぅ……」

 ひとしきりの射精を終えた頭目が逸物を引き抜く。

「ふぁ……♡」
 
 途端に支えを失ったかのように、四つん這いのアイネズはその場に崩れた。
 無様に投げ出された足の付け根の秘唇は頭目の肉棒の形を覚え込まされて広がり、内側から精液と愛液のカクテルがごぽりと垂れ落ちた。
 白い背中と小振りな尻は、激しい快楽の残滓でビクビクと震えている。
 完全に雄に屈服しきった雌の姿であった。

「へへ、どうだアイネズ、マスターパーティションもそろそろ書き替わったんじゃねえのか?」

「あ……あ、あなた、のマスターパーティションポイントは、現在28%……」

 半ば白目を剥いたアイネズは、夢うつつのように主でもない男の質問に答える。

「……今の一発以前はいくつだった?」

「12、%です……」

 頭目の唇の端が吊り上がる。

「一発で16%か! ならもうちょっと頑張ってみるか!」

 頭目はうつ伏せの姿勢で痙攣するアイネズの体をひっくり返すと、両足首を掴んで持ち上げた。
 惚けたように瞳孔レンズを開閉させるアイネズの目の前に己の秘所が剥き出しになる。
 いわゆる、まんぐり返しの姿勢を取らせると、そのまま肉棒を突き立てた。

「ふぁんっ♡」

 夢うつつになっていたアイネズは再び襲ってきた快楽に正気付く。 瞳の焦点が合うと、目の前で太い陰茎を串刺しにされる自らの秘唇が見て取れた。

「あ、あぁっ♡ ぬ、抜いてぇ♡」

「おう、抜いてやるさ、おまえのまんこでな!」

「ち、ちがっ♡ はぅんっ♡」

 上からのし掛かるような姿勢でリズミカルに動かれ、アイネズは甘ったるい声をあげる。
 アイネズもすでに理解していた。
 最早、このままこの男にマスター権限を奪われるしかないと。



「ひあっ♡ あぁぁぁぁっ♡♡♡」

 抜かずの三発目が子宮ウテルスユニットを撃ち抜き、アイネズは絞め殺されるような声をあげて絶頂した。
 頭目は射精しながらも冷静にアイネズの様子を観察し、瞳孔レンズの開閉が収まった所で声をかける。

「よし……アイネズ、お前のマスターは誰だ?」

「はい……貴方様です、お名前をお聞かせください、マスター」

 垂れ目がちな黒い瞳が組み敷かれたまま真っ直ぐに見上げてくる。
 頭目は思わず笑い声をあげながら、逸物を引き抜いた。

「はぅんっ?」

 注ぎたての三発分の精液がすっかり広がった淫裂から溢れだし、真下のアイネズの顔に垂れ落ちる。
 アイネズは頬を汚す精液に舌を伸ばし、舐め取った。

「俺はガレットだ。 さあ、ご主人様への最初のご奉仕だ、舐めて綺麗にしな!」

「はい、マスター・ガレット。 ご奉仕させていただきます」
 
 突きつけられた精液と愛液に汚れきったペニスを従順にくわえるアイネズ。
 その目尻から、水滴が一粒こぼれ落ちた。
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