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乙種装備を装着したキキョウにはマルチブーストアームを含めて四本の腕が有る。
本体の腕を一本奪われたのは痛いが、軽機関銃と高速振動マチェットを保持している以上、十分な戦闘力を残していると言えた。
しかし、マスターはそうは思っていないようだった。
「うぁ、あぁ……」
T字路の角から様子を伺うフィオの顔からは血の気が引き、こぼれる声は震えている。
彼の視線の先には引きちぎられ、無惨な物体と化して床に転がるキキョウの右腕があった。
フィオが受け継いでから、キキョウは一度も大きな損傷を受けた事はない。
定期メンテナンスとしてヘイゲン老の工場を訪れる事はあっても、損傷過多で担ぎ込まれた事などはなかったのだ。
フィオのキキョウへの信頼は、絶対無敵の守護天使に対するものと言ってよい。
無敵の守護天使が重大な損傷を受けた姿を目の当たりにし、フィオは恐慌を来し掛けていた。
「キ、キキョウさん! 逃げよう!」
狼狽した主の叫びにキキョウは眉をひそめる。
主への返答を、目の前にいる巨漢が笑いながら代弁した。
「おっと、そいつは無理ってもんだぜ、坊主。
俺らが逃がすと思ってんのかい?」
まさにその通り、主の意向に応えようにも障害を排除せねば実行は不可能だ。
あるいは、より深層に下ることを承知でT字路の向こうへ逃げ込み、体勢を整えるか。
キキョウのセンサーが感知した限り、T字路の左側の通路は天井が崩落して瓦礫に埋まっている。
逃げ込むなら右か。 その先に何が有るか不明だが。
「っ!」
キキョウはノーモーションで軽機関銃を撃ち放った。
「ふんっ!」
巨漢は両腕を顔面の前でクロスさせる。 太い腕に瘤のような筋肉が隆起した。
銃弾の雨は、筋肉の固まりのような腕の表面で火花を散らすのみだ。
「無駄無駄! 俺の鋼の肉体にゃそんなもん効かねえよ!」
だが、キキョウの狙いはそこにはない。
射撃の瞬間、巨漢の背後の男達はあわてて巨漢の影に隠れた。
どういうからくりで巨漢が銃弾を弾いているのか判らないが、少なくとも取り巻き達は銃を脅威と見なしている。
彼らを制するのがキキョウの狙いだ。
「マスター!」
呼びかけ、身を捻りながらスラスターを吹かす。
若く未熟な主は、狼狽しきっていながらもメイデンの意図を読み取ってくれた。
すばやく角から飛び出したフィオを、キキョウは残った左腕ですくい上げ、断続的にスラスターを吹かす機動制御で右側の通路へ飛ぶ。
「させるかぁっ!」
巨漢が拳を突き出すのを視界の隅に捉えたキキョウは、とっさにフィオを抱きしめ、敵に背を向けた。
拳が届く距離ではない、しかし、未知の防御法を持つ敵は未知の攻撃法も有している可能性は高い。
己の身を盾にしても主を守らねば。
その判断は正しかった。
キキョウの背面に不可視の衝撃が炸裂する。
「くぅっ!」
キキョウは背面からの衝撃にフィオごと突き飛ばされ、T字路の壁面に叩きつけられた。
「うわぁっ!?」
「くっ……!」
壁でバウンドし床に落下したキキョウは身を起こしながら、腰の背後に取り付けられたコアユニットの破損を感知する。
連動したマルチブーストアームは力を失い、動かない。 メインスラスターの喪失により、機動力は大幅に低下した。
如何にしてこの場を切り抜けるか。
難題に苦慮するキキョウのCPUの演算に、新たな問題が追加される。
「うっ……ぐぅ……」
「マスター!?」
腕の中の主があげる苦痛の声に、キキョウは常ならぬ焦りの声をあげた。
壁面とキキョウの機体の間に挟まれたフィオは、逃げ場のない衝撃をそのまま受けていた。
全身を広く打撲し、皮肉にも彼を守ろうと回されたキキョウの腕により肋骨が圧迫骨折してしまっている。
「だい、じょうぶ……!」
マスターは脂汗を浮かべながら、健気に言葉を絞り出す。
詳しく診断し、応急処置を行いたい所だがその余裕はない。
主の言葉を信じてその場に寝かせると、キキョウは機能しないマルチブーストアームから高速振動マチェットを掴み立ち上がった。
「坊主、生きてたか。運がいいな、今ので潰れると思ったんだが」
本気で感心したように言いつつ、太い指先でゴツい顎を撫でている巨漢に対して、逆手に握ったマチェットを構える。
デッドウェイトと化したコアユニットをパージ。
最早この相手を打倒するしかない局面だというのに、キキョウは未だに敵の手の内を分析できていない。
彼女の高精度なカメラアイは、弾丸が巨漢の皮膚の寸前で弾かれるのを確認していた。
腕から打ち出した衝撃波での遠距離攻撃は、圧縮空気の射出と考えることもできるが、それでは弾丸については説明が付かない。
斥力コントロールの類か、しかし、そもそもそんなものを生身で使用できるものか。
鋼の肉体と自称したように、そういった機能を備えたサイボーグなのか。
サイボーグであるとすると、いかにも山賊丸だしな風体とのアンバランスさが疑問だ。
メイデンの技術を転用し人間を機械で補助・強化するサイボーグ技術は、性能維持のために不断のメンテナンスが欠かせない。
非常に高価でもあり、アーミーの高位兵士でもない限り、サイボーグ化は行われないのが常だ。
そうすると、薄汚れた格好は擬態で、どこかのタウンの尖兵なのか。
いずれにせよ、能力不明な敵を現状の装備で排除しなくてはならない。
主の手当のため、一刻も早く。
取れる手段はひとつしかなかった。
キキョウの手の中で高速振動マチェットが耳障りな高周波音を上げ始める。
自慢のジェネレーター出力を限界まで注ぎ込んだ超稼働モードだ。 切断力は上がるが、長くは持たない。
現状の最大の攻撃を叩き込み、不明な防御方法は出力任せで突き破る。
力技以外の何者でもないが、他に手はない。
「ふっ……!」
キキョウは、メイデンならではの脚力で数メートルの距離を瞬時に詰めると、逆手に握ったマチェットをアッパースィングで叩き込む。
一瞬目を見張った巨漢は右の手のひらを広げ、下方から襲いくる刃を受け止めた。
弾丸を防御した際と同じく何らかの力場の作用か、受け止めた手のひらと刃の間にほんの数ミリの空間が発生している。
巨漢の手のひらに刃は届いていない。
ニヤリと笑う巨漢だが、キキョウとてこの結果は予測済み。
装甲ブーツに包まれた右足が跳ね上がり、鋭い回し蹴りが巨漢の頭を狙う。
メイデンの全力の蹴りだ。 当たれば昏倒どころか頭蓋骨破砕は確実。
だが、巨漢は左手のひらで回し蹴りを受け止めた。
得体の知れない能力だけでなく、メイデンの戦闘速度に追従するその反射神経にキキョウは目を見張る。
キキョウの左手と右足が、巨漢の両腕に防がれるという一瞬の均衡状態は、野太い気合いで終わりを告げた。
「しゃらくさいっ!」
同時に、キキョウの左肘と右膝に不可解な加重が加わる。
「なっ!?」
バキンと破砕音が鳴り響き、肘と膝の関節部が砕け散った。
マチェットを握った左腕と右膝から下が脱落し、バランスを崩したキキョウの上半身が崩れ落ちる。
予想した手のひら、拳など腕からの力場の放出ではなかった。
前触れもない、気合いと同時の破壊はキキョウの想定外である。
前のめりに倒れるキキョウの鳩尾に、鉄塊のような拳骨が吸い込まれる。
キキョウの胸内のジェネレーターから走るエネルギーバイパスがいくつも断線した。
「がっ……」
両腕に片足までも失ったメイデンの体はアッパーカット気味の拳にすくい上げられ、巨漢の頭上にまるでトロフィーのように掲げられた。
打撲と骨折の苦痛に耐えて身を起こしたフィオは、目に映る光景を激痛ゆえの幻覚だと思いこみたかった。
四肢の三本までを失い、巨漢の拳を受けて高々と掲げられたキキョウ。
彼の愛する守護天使は、無惨な敗北を晒している。
「キ、キキョウ、さん……!」
主の声が聞こえたか、キキョウは唯一残った左足で巨漢の腕を蹴るが、そこに勢いはなく儚い抵抗でしかない。
「勝負あったって奴だな。 お前ら、そっちの坊主の方を頼む」
巨漢の部下の男たちが倒れたフィオを引きずり起こす。
顎を捕まれ、顔を上げさせられると山賊めいた男は口笛を吹いた。
「こりゃなかなかの上玉だ! タウンの男の娘娼婦も勤まるんじゃねえの?」
童顔のフィオに山賊たちは下卑た笑いを漏らす。
「デッドマンの旦那にいい土産ができたな。
あの旦那、男のケツしか興味ないからなぁ……」
「いや、俺らで先に味見しとくべきだろ、旦那に渡す前の毒味って奴だ」
勝手なことを抜かす山賊たちに怖気が走る。
だが、それよりも重大な事に怖気どころではない戦慄が駆け抜けた。
キキョウの胴を掴みなおした巨漢が、ズボンのベルトを緩め逸物を取り出している。
フィオの腕よりも巨大なそれは、最早三本目の足というべきサイズで、隆々とそそり立っていた。
その意図は明白である。
「や、やめろ……!」
山賊たちに取り押さえられたまま、必死に叫ぶ。
声を張ると胸に激痛が走るが、それどころではない。
このままではキキョウが汚されてしまう。
「折角メイデンを捕まえたんだ、やらない方がおかしいだろう?」
巨漢は魁偉な容貌を歪ませて醜悪に笑うと、キキョウの股間のボディスーツに指をかける。
メイデンの手足さえもぎ取るような巨漢の指先の前では、対弾繊維も薄布も変わりはない。
あっさりとボディスーツは引きちぎられ、キキョウの秘部は剥き出しになる。
少女を思わせる無毛で清楚な割れ目に、間髪入れず凶悪な肉の杭が突き立てられた。
「やめろぉぉーーっ!」
股間を抉る肉の杭よりも、フィオの悲痛な絶叫の方がキキョウには堪えた。
主を護る事もできず、無様にも犯されてしまう我が身の情けなさ。
だが、キキョウはここに千載一遇のチャンスを見出していた。
射精の瞬間はどんな男でも気が緩むタイミングだ。 そこを突く。
拳の一撃で断裂したエネルギーバイパスを自己修復機能でいくらか接続し直し、左足へのパワー供給を回復した。
巨漢が射精した時を狙って、蹴り殺す。
だが、それまでは無力な振りをして犯されるしかない。
下手に気づかれてしまえば、左足すらもぎ取られるだろう。
「やめろぉっ! 畜生っ、キキョウさんを離せぇっ!」
傷ついたフィオが必死で暴れ、叫ぶ。
山賊たちに押さえつけられた彼の抵抗は儚く、血を吐くような叫びが響くのみだ。
(マスター、申し訳ありません。 もうしばらくの辛抱を)
主の声に疑似精神を引き裂かれるような痛みを感じつつ、キキョウは巨漢の隙を伺う。
巨漢はフィオの叫びを聞きつつ、頬を歪めて笑っていた。
(下衆な男……!)
膣道を巨大すぎる肉塊で抉られつつ、キキョウは内心唾棄した。
キキョウの秘所は当然ながら一切濡れていない。
敵意と殺意しか抱いていない男が相手では、快感など感じるはずもない。
フィオとゼンクにしか許した事のない場所へ無遠慮に入り込まれた激しい怒りがあるばかりだ。
「くくっ」
巨漢は楽しげに笑うと、吊り上げたまま貫いた腰を揺すりながら囁きかける。
「俺が出した瞬間に反撃しようって魂胆だな?」
見抜かれている。 いや、他にもうキキョウに逆転の目はないのだ、当然か。
無表情に揺さぶられながら、キキョウは内心臍を噛んだ。
「いいぜ、やれるもんならやってみな!」
巨漢はキキョウの尻肉に両手の指を食い込ませてがっちりと握ると、屈伸の力も加えて激しく腰を振り始めた。
「やめろっ! キキョウさんっ! キキョウさんっ!
畜生っ! 抜けよこの野郎っ!」
「坊主! 見てな、お前のキキョウさんの子宮ユニット、すぐにパンパンにしてやらあ!」
どすどすと音を立てるような勢いで、拳骨のような亀頭が子宮ユニットの入り口に叩きつけられる。
「そぉ……らぁっ!」
「出すなぁーーっ!」
フィオの絶叫が木霊す中、キキョウの尻を握りしめて深々と突き込んだ巨漢は、子宮ユニットに亀頭をめり込ませるようにして射精を開始した。
(来た! 今な、ら……!?)
到来したチャンスは、キキョウ自身の機体の異常に依って潰えた。
粘りつくほどに濃厚な白濁液が子宮ユニットに侵入した途端に、キキョウの機体は凍り付く。
子宮ユニットが受け入れた精液の遺伝子情報を採取、鑑定し、そして、それが探しに探していた、情報に合致するものであると判定した時。
キキョウの中の性感リミッターは完全に解放された。
それどころか、当人の意志を無視して膣肉が凶悪な蹂躙者に対して絡みつき、奉仕を開始してしまう。
「なっ、あっ♡ あぁっ♡」
急速に己の核が書き換えられていくかのような感覚に、キキョウはアメジストの瞳を一杯に開いて、狼狽の声を漏らす。 そこには紛れもない快楽の甘みがある。
狼狽の極みにありながらもキキョウのCPUは似た情報を検索していた。
アイネズの受けたウィルス弾。 使用した山賊が「本当の主を教え込む弾」と嘯いていたという、それがもたらす状態に似ている。
ならば、この男こそが。
「どうだ? 真の漢の精液はひと味違うだろう?」
キキョウの尻をぐっと引き寄せ、たっぷり放ちつつも堅さを失わない逸物で子宮ユニットを刺激しながら、巨漢は得意げに囁く。
筋肉と脂肪で盛り上がった汗臭い胸部に顔を押しつけらたキキョウからは、反論の言葉も出ない。
口を開けば、あられもない嬌声が漏れるだけだと自覚したからだ。
全身を貫く強烈な快楽情報に、ひくひくと白い尻肉を震えさせながら唇を噛むキキョウ。
床に押さえつけられた主の左腕で多目的端末が警告音を立てた。
痛みと、それを遙かに上回る怒りのあまりグラグラと歪む視界の中、杭のような肉槍で貫かれたキキョウの股間に精液が注ぎ込まれていく。
「やっ、めろぉ……っ!」
押さえつけられ動けないフィオの叫びなど、何の抑制にもならない。
巨漢は、丸く柔らかなキキョウの尻を両手で鷲掴みにしたまま、フィオの宝の奥底を汚液で汚す。
尻肉の間から覗く、太すぎる肉棒の幹に内部に納まりきらなかった白濁液が垂れ落ちていた。
不意に左腕の多目的端末が鋭い警告音をあげ、フィオは血走った視線をそちらに向ける。
「そ、そんな……!?」
マスターパーティションポイントが10も低下したという警告表示。
たとえキキョウの子宮ユニットが汚されとしても、ありえない情報だ。
「貴様……っ! 一体何をしたっ!」
「見てわかんねえのかい、坊主!
お前の! 可愛い人形に一発! ぶち込んでやったんだよぉ!
この通り濃いのをたっぷりなぁっ!」
巨漢は抱えたキキョウの体をくるりと回転させ、フィオの方に正面を向ける。
残った左膝と、右太股に腕を回して大きく開かせた股間には杭のような巨根が突き刺さっている。
巨漢が腰を引くと、驚くほどの長さがキキョウの胎内から引きずり出され、最後にきゅぽんと音を立てて拳骨のような亀頭が姿を現した。
「あぅんっ♡」
同時にキキョウの口からは甘い声が漏れ、白く滑らかな太股がさざめくように戦慄く。
逸物を引き抜かれた秘裂は巨根の痕を留めてパックリと広がり、粘度の高い白濁液がこぽこぽと噴き出していた。
「キ、キキョウさん……」
守護天使が自分以外の精液を垂れ流しているという衝撃的な光景もさることながら、頬を朱に染め甘い吐息を漏らすキキョウの様子にフィオは戦慄した。
キキョウは、間違いなく感じている。
自分を相手にする時よりも、遥かに明確に。
「まだわかんねえってんなら、見せてやるぜ。
もう一発ぶち込む所をよぉ!」
「や、やめっ……」
フィオの制止の言葉を聞く義理など巨漢にはない。
子供に小水をさせるような格好のまま、肉杭が秘唇を貫いた。
「くっ あぁぁーーーっ♡♡♡」
キキョウの口から、フィオが聞いたことのないような高い声があがる。
紛れもない嬌声だ。 いや、今のはもしや絶頂の叫びか。
巨漢が軽く屈伸するように上下する度に、豊かな乳房が激しく揺れ、キキョウの口からあられもない声があがる。
「あっ♡ ひぅっ♡ やっ、やめっ♡ はうっ♡」
「キ、キキョウさん!」
「あっ♡ やっ♡ み、みないでっ♡ マスター、みないでぇっ♡」
腕が健在であれば、顔を隠していたのだろう。
真っ赤に染まった顔で、キキョウは叫ぶ。
そのアメジストの瞳は、主の前で主以外の男に犯される不忠に対する絶望と、それを軽々と塗りつぶすほどの快楽に彩られていた。
「へへ…… マスターの前でメイデンを犯すのは最高だなあ!
おい、お前等! 折角だからメイデンの前でマスターも犯してやれ!」
「あいよヴァトーさん! 待ってましたぁっ!」
山賊たちの手がフィオのベルトに掛かる。
「なっ、やっ、やめろっ!」
「安心しろって坊主、おいちゃん達、巧いからな!
メイデンなんぞよりずっと良くしてやるぜぇ?」
「キ、キキョウさんっ!?」
思わず助けを求める相手は、巨大な肉杭に貫かれてしまっている。
四肢を破損し、剥き出しの肌を朱に染めたメイデンは、機体が屈服しきった状態であろうとも、必死で言葉を紡いでいた。
「お、おねがいっ♡ しますっ♡ マスターにはっ♡ ひどいこと、しないでぇっ♡」
「お願いったってなあ、お前に出せるものなんかないだろう?
この通り子宮ユニットまでズブズブに犯されちまっといて、今更何を差し出すってんだ?」
「そ、それはっ♡ はうっ♡」
言葉と共に突き上げられ、キキョウは呻く。
普段はクールで怜悧なメイデンは、主の貞操のため舌を垂らすほどに喘ぎながら無様な懇願を行う。
「ど、どうかっ♡ どうかっ♡ ゆるしてっ♡」
「なーに、坊主もケツ穴差し出しゃあ命までは取らんさ、俺らの性欲処理用に、お前と並んで抱いてやるぜ」
「ふ、ふざけるなぁっ!」
フィオは叫びながら必死で身をよじり、何とか自分のブーツに指先を触れた。
「うおっ!?」
少年を押さえつけていた山賊が慌てて飛び退く。
フィオのブーツの踵から小さな刃が飛び出し、完全に舐めきっていた山賊の腕を傷つけたのだ。
「キキョウさんを、離せぇーっ!」
解かれかけたベルトにぶら下がったホルスターから、工具兼用の高速振動ナイフを引き抜き、巨漢へ踊り掛かる。
「ちっ……」
巨漢は舌打ちをすると、キキョウを貫いたまま前蹴りを放つ。
「させ……ないっ!」
機体のほとんどを快楽に支配されつつも、キキョウは左足の装甲ブーツのスラスターを点火した。
「うおっ!?」
直撃すればメイデンならぬ少年の上半身を粉砕しかねなかった前蹴りは、急激なベクトル追加に狙いがぶれ、フィオの腕を掠めすぎる。
それでも、小柄な少年を吹き飛ばすには十分な運動エネルギーを叩きつけていた。
「ぐあっ!?」
フィオの体は独楽のように回転しながら吹き飛ばされ、T字路の奥、崩落した瓦礫に叩きつけられた。
途端に、瓦礫の山がみしりと軋みをあげる。
ぼこんと床が抜け、瓦礫の山はフィオ諸とも落下していく。
「うわぁぁっ!?」
「マ、マスター!」
貫かれたままのキキョウには為す術もない。
主が、階下へ落下していくのを虚しく見送るばかりだ。
「このクソ人形、よくも邪魔しやがったな……!」
そして、狙いを外された巨漢の怒りは、見失ったフィオではなくキキョウへ向く。
激しく腰を使われ、膣内を蹂躙されるキキョウの高い嬌声が、ぽっかりと空いた床の穴へと吸い込まれていった。
本体の腕を一本奪われたのは痛いが、軽機関銃と高速振動マチェットを保持している以上、十分な戦闘力を残していると言えた。
しかし、マスターはそうは思っていないようだった。
「うぁ、あぁ……」
T字路の角から様子を伺うフィオの顔からは血の気が引き、こぼれる声は震えている。
彼の視線の先には引きちぎられ、無惨な物体と化して床に転がるキキョウの右腕があった。
フィオが受け継いでから、キキョウは一度も大きな損傷を受けた事はない。
定期メンテナンスとしてヘイゲン老の工場を訪れる事はあっても、損傷過多で担ぎ込まれた事などはなかったのだ。
フィオのキキョウへの信頼は、絶対無敵の守護天使に対するものと言ってよい。
無敵の守護天使が重大な損傷を受けた姿を目の当たりにし、フィオは恐慌を来し掛けていた。
「キ、キキョウさん! 逃げよう!」
狼狽した主の叫びにキキョウは眉をひそめる。
主への返答を、目の前にいる巨漢が笑いながら代弁した。
「おっと、そいつは無理ってもんだぜ、坊主。
俺らが逃がすと思ってんのかい?」
まさにその通り、主の意向に応えようにも障害を排除せねば実行は不可能だ。
あるいは、より深層に下ることを承知でT字路の向こうへ逃げ込み、体勢を整えるか。
キキョウのセンサーが感知した限り、T字路の左側の通路は天井が崩落して瓦礫に埋まっている。
逃げ込むなら右か。 その先に何が有るか不明だが。
「っ!」
キキョウはノーモーションで軽機関銃を撃ち放った。
「ふんっ!」
巨漢は両腕を顔面の前でクロスさせる。 太い腕に瘤のような筋肉が隆起した。
銃弾の雨は、筋肉の固まりのような腕の表面で火花を散らすのみだ。
「無駄無駄! 俺の鋼の肉体にゃそんなもん効かねえよ!」
だが、キキョウの狙いはそこにはない。
射撃の瞬間、巨漢の背後の男達はあわてて巨漢の影に隠れた。
どういうからくりで巨漢が銃弾を弾いているのか判らないが、少なくとも取り巻き達は銃を脅威と見なしている。
彼らを制するのがキキョウの狙いだ。
「マスター!」
呼びかけ、身を捻りながらスラスターを吹かす。
若く未熟な主は、狼狽しきっていながらもメイデンの意図を読み取ってくれた。
すばやく角から飛び出したフィオを、キキョウは残った左腕ですくい上げ、断続的にスラスターを吹かす機動制御で右側の通路へ飛ぶ。
「させるかぁっ!」
巨漢が拳を突き出すのを視界の隅に捉えたキキョウは、とっさにフィオを抱きしめ、敵に背を向けた。
拳が届く距離ではない、しかし、未知の防御法を持つ敵は未知の攻撃法も有している可能性は高い。
己の身を盾にしても主を守らねば。
その判断は正しかった。
キキョウの背面に不可視の衝撃が炸裂する。
「くぅっ!」
キキョウは背面からの衝撃にフィオごと突き飛ばされ、T字路の壁面に叩きつけられた。
「うわぁっ!?」
「くっ……!」
壁でバウンドし床に落下したキキョウは身を起こしながら、腰の背後に取り付けられたコアユニットの破損を感知する。
連動したマルチブーストアームは力を失い、動かない。 メインスラスターの喪失により、機動力は大幅に低下した。
如何にしてこの場を切り抜けるか。
難題に苦慮するキキョウのCPUの演算に、新たな問題が追加される。
「うっ……ぐぅ……」
「マスター!?」
腕の中の主があげる苦痛の声に、キキョウは常ならぬ焦りの声をあげた。
壁面とキキョウの機体の間に挟まれたフィオは、逃げ場のない衝撃をそのまま受けていた。
全身を広く打撲し、皮肉にも彼を守ろうと回されたキキョウの腕により肋骨が圧迫骨折してしまっている。
「だい、じょうぶ……!」
マスターは脂汗を浮かべながら、健気に言葉を絞り出す。
詳しく診断し、応急処置を行いたい所だがその余裕はない。
主の言葉を信じてその場に寝かせると、キキョウは機能しないマルチブーストアームから高速振動マチェットを掴み立ち上がった。
「坊主、生きてたか。運がいいな、今ので潰れると思ったんだが」
本気で感心したように言いつつ、太い指先でゴツい顎を撫でている巨漢に対して、逆手に握ったマチェットを構える。
デッドウェイトと化したコアユニットをパージ。
最早この相手を打倒するしかない局面だというのに、キキョウは未だに敵の手の内を分析できていない。
彼女の高精度なカメラアイは、弾丸が巨漢の皮膚の寸前で弾かれるのを確認していた。
腕から打ち出した衝撃波での遠距離攻撃は、圧縮空気の射出と考えることもできるが、それでは弾丸については説明が付かない。
斥力コントロールの類か、しかし、そもそもそんなものを生身で使用できるものか。
鋼の肉体と自称したように、そういった機能を備えたサイボーグなのか。
サイボーグであるとすると、いかにも山賊丸だしな風体とのアンバランスさが疑問だ。
メイデンの技術を転用し人間を機械で補助・強化するサイボーグ技術は、性能維持のために不断のメンテナンスが欠かせない。
非常に高価でもあり、アーミーの高位兵士でもない限り、サイボーグ化は行われないのが常だ。
そうすると、薄汚れた格好は擬態で、どこかのタウンの尖兵なのか。
いずれにせよ、能力不明な敵を現状の装備で排除しなくてはならない。
主の手当のため、一刻も早く。
取れる手段はひとつしかなかった。
キキョウの手の中で高速振動マチェットが耳障りな高周波音を上げ始める。
自慢のジェネレーター出力を限界まで注ぎ込んだ超稼働モードだ。 切断力は上がるが、長くは持たない。
現状の最大の攻撃を叩き込み、不明な防御方法は出力任せで突き破る。
力技以外の何者でもないが、他に手はない。
「ふっ……!」
キキョウは、メイデンならではの脚力で数メートルの距離を瞬時に詰めると、逆手に握ったマチェットをアッパースィングで叩き込む。
一瞬目を見張った巨漢は右の手のひらを広げ、下方から襲いくる刃を受け止めた。
弾丸を防御した際と同じく何らかの力場の作用か、受け止めた手のひらと刃の間にほんの数ミリの空間が発生している。
巨漢の手のひらに刃は届いていない。
ニヤリと笑う巨漢だが、キキョウとてこの結果は予測済み。
装甲ブーツに包まれた右足が跳ね上がり、鋭い回し蹴りが巨漢の頭を狙う。
メイデンの全力の蹴りだ。 当たれば昏倒どころか頭蓋骨破砕は確実。
だが、巨漢は左手のひらで回し蹴りを受け止めた。
得体の知れない能力だけでなく、メイデンの戦闘速度に追従するその反射神経にキキョウは目を見張る。
キキョウの左手と右足が、巨漢の両腕に防がれるという一瞬の均衡状態は、野太い気合いで終わりを告げた。
「しゃらくさいっ!」
同時に、キキョウの左肘と右膝に不可解な加重が加わる。
「なっ!?」
バキンと破砕音が鳴り響き、肘と膝の関節部が砕け散った。
マチェットを握った左腕と右膝から下が脱落し、バランスを崩したキキョウの上半身が崩れ落ちる。
予想した手のひら、拳など腕からの力場の放出ではなかった。
前触れもない、気合いと同時の破壊はキキョウの想定外である。
前のめりに倒れるキキョウの鳩尾に、鉄塊のような拳骨が吸い込まれる。
キキョウの胸内のジェネレーターから走るエネルギーバイパスがいくつも断線した。
「がっ……」
両腕に片足までも失ったメイデンの体はアッパーカット気味の拳にすくい上げられ、巨漢の頭上にまるでトロフィーのように掲げられた。
打撲と骨折の苦痛に耐えて身を起こしたフィオは、目に映る光景を激痛ゆえの幻覚だと思いこみたかった。
四肢の三本までを失い、巨漢の拳を受けて高々と掲げられたキキョウ。
彼の愛する守護天使は、無惨な敗北を晒している。
「キ、キキョウ、さん……!」
主の声が聞こえたか、キキョウは唯一残った左足で巨漢の腕を蹴るが、そこに勢いはなく儚い抵抗でしかない。
「勝負あったって奴だな。 お前ら、そっちの坊主の方を頼む」
巨漢の部下の男たちが倒れたフィオを引きずり起こす。
顎を捕まれ、顔を上げさせられると山賊めいた男は口笛を吹いた。
「こりゃなかなかの上玉だ! タウンの男の娘娼婦も勤まるんじゃねえの?」
童顔のフィオに山賊たちは下卑た笑いを漏らす。
「デッドマンの旦那にいい土産ができたな。
あの旦那、男のケツしか興味ないからなぁ……」
「いや、俺らで先に味見しとくべきだろ、旦那に渡す前の毒味って奴だ」
勝手なことを抜かす山賊たちに怖気が走る。
だが、それよりも重大な事に怖気どころではない戦慄が駆け抜けた。
キキョウの胴を掴みなおした巨漢が、ズボンのベルトを緩め逸物を取り出している。
フィオの腕よりも巨大なそれは、最早三本目の足というべきサイズで、隆々とそそり立っていた。
その意図は明白である。
「や、やめろ……!」
山賊たちに取り押さえられたまま、必死に叫ぶ。
声を張ると胸に激痛が走るが、それどころではない。
このままではキキョウが汚されてしまう。
「折角メイデンを捕まえたんだ、やらない方がおかしいだろう?」
巨漢は魁偉な容貌を歪ませて醜悪に笑うと、キキョウの股間のボディスーツに指をかける。
メイデンの手足さえもぎ取るような巨漢の指先の前では、対弾繊維も薄布も変わりはない。
あっさりとボディスーツは引きちぎられ、キキョウの秘部は剥き出しになる。
少女を思わせる無毛で清楚な割れ目に、間髪入れず凶悪な肉の杭が突き立てられた。
「やめろぉぉーーっ!」
股間を抉る肉の杭よりも、フィオの悲痛な絶叫の方がキキョウには堪えた。
主を護る事もできず、無様にも犯されてしまう我が身の情けなさ。
だが、キキョウはここに千載一遇のチャンスを見出していた。
射精の瞬間はどんな男でも気が緩むタイミングだ。 そこを突く。
拳の一撃で断裂したエネルギーバイパスを自己修復機能でいくらか接続し直し、左足へのパワー供給を回復した。
巨漢が射精した時を狙って、蹴り殺す。
だが、それまでは無力な振りをして犯されるしかない。
下手に気づかれてしまえば、左足すらもぎ取られるだろう。
「やめろぉっ! 畜生っ、キキョウさんを離せぇっ!」
傷ついたフィオが必死で暴れ、叫ぶ。
山賊たちに押さえつけられた彼の抵抗は儚く、血を吐くような叫びが響くのみだ。
(マスター、申し訳ありません。 もうしばらくの辛抱を)
主の声に疑似精神を引き裂かれるような痛みを感じつつ、キキョウは巨漢の隙を伺う。
巨漢はフィオの叫びを聞きつつ、頬を歪めて笑っていた。
(下衆な男……!)
膣道を巨大すぎる肉塊で抉られつつ、キキョウは内心唾棄した。
キキョウの秘所は当然ながら一切濡れていない。
敵意と殺意しか抱いていない男が相手では、快感など感じるはずもない。
フィオとゼンクにしか許した事のない場所へ無遠慮に入り込まれた激しい怒りがあるばかりだ。
「くくっ」
巨漢は楽しげに笑うと、吊り上げたまま貫いた腰を揺すりながら囁きかける。
「俺が出した瞬間に反撃しようって魂胆だな?」
見抜かれている。 いや、他にもうキキョウに逆転の目はないのだ、当然か。
無表情に揺さぶられながら、キキョウは内心臍を噛んだ。
「いいぜ、やれるもんならやってみな!」
巨漢はキキョウの尻肉に両手の指を食い込ませてがっちりと握ると、屈伸の力も加えて激しく腰を振り始めた。
「やめろっ! キキョウさんっ! キキョウさんっ!
畜生っ! 抜けよこの野郎っ!」
「坊主! 見てな、お前のキキョウさんの子宮ユニット、すぐにパンパンにしてやらあ!」
どすどすと音を立てるような勢いで、拳骨のような亀頭が子宮ユニットの入り口に叩きつけられる。
「そぉ……らぁっ!」
「出すなぁーーっ!」
フィオの絶叫が木霊す中、キキョウの尻を握りしめて深々と突き込んだ巨漢は、子宮ユニットに亀頭をめり込ませるようにして射精を開始した。
(来た! 今な、ら……!?)
到来したチャンスは、キキョウ自身の機体の異常に依って潰えた。
粘りつくほどに濃厚な白濁液が子宮ユニットに侵入した途端に、キキョウの機体は凍り付く。
子宮ユニットが受け入れた精液の遺伝子情報を採取、鑑定し、そして、それが探しに探していた、情報に合致するものであると判定した時。
キキョウの中の性感リミッターは完全に解放された。
それどころか、当人の意志を無視して膣肉が凶悪な蹂躙者に対して絡みつき、奉仕を開始してしまう。
「なっ、あっ♡ あぁっ♡」
急速に己の核が書き換えられていくかのような感覚に、キキョウはアメジストの瞳を一杯に開いて、狼狽の声を漏らす。 そこには紛れもない快楽の甘みがある。
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「どうだ? 真の漢の精液はひと味違うだろう?」
キキョウの尻をぐっと引き寄せ、たっぷり放ちつつも堅さを失わない逸物で子宮ユニットを刺激しながら、巨漢は得意げに囁く。
筋肉と脂肪で盛り上がった汗臭い胸部に顔を押しつけらたキキョウからは、反論の言葉も出ない。
口を開けば、あられもない嬌声が漏れるだけだと自覚したからだ。
全身を貫く強烈な快楽情報に、ひくひくと白い尻肉を震えさせながら唇を噛むキキョウ。
床に押さえつけられた主の左腕で多目的端末が警告音を立てた。
痛みと、それを遙かに上回る怒りのあまりグラグラと歪む視界の中、杭のような肉槍で貫かれたキキョウの股間に精液が注ぎ込まれていく。
「やっ、めろぉ……っ!」
押さえつけられ動けないフィオの叫びなど、何の抑制にもならない。
巨漢は、丸く柔らかなキキョウの尻を両手で鷲掴みにしたまま、フィオの宝の奥底を汚液で汚す。
尻肉の間から覗く、太すぎる肉棒の幹に内部に納まりきらなかった白濁液が垂れ落ちていた。
不意に左腕の多目的端末が鋭い警告音をあげ、フィオは血走った視線をそちらに向ける。
「そ、そんな……!?」
マスターパーティションポイントが10も低下したという警告表示。
たとえキキョウの子宮ユニットが汚されとしても、ありえない情報だ。
「貴様……っ! 一体何をしたっ!」
「見てわかんねえのかい、坊主!
お前の! 可愛い人形に一発! ぶち込んでやったんだよぉ!
この通り濃いのをたっぷりなぁっ!」
巨漢は抱えたキキョウの体をくるりと回転させ、フィオの方に正面を向ける。
残った左膝と、右太股に腕を回して大きく開かせた股間には杭のような巨根が突き刺さっている。
巨漢が腰を引くと、驚くほどの長さがキキョウの胎内から引きずり出され、最後にきゅぽんと音を立てて拳骨のような亀頭が姿を現した。
「あぅんっ♡」
同時にキキョウの口からは甘い声が漏れ、白く滑らかな太股がさざめくように戦慄く。
逸物を引き抜かれた秘裂は巨根の痕を留めてパックリと広がり、粘度の高い白濁液がこぽこぽと噴き出していた。
「キ、キキョウさん……」
守護天使が自分以外の精液を垂れ流しているという衝撃的な光景もさることながら、頬を朱に染め甘い吐息を漏らすキキョウの様子にフィオは戦慄した。
キキョウは、間違いなく感じている。
自分を相手にする時よりも、遥かに明確に。
「まだわかんねえってんなら、見せてやるぜ。
もう一発ぶち込む所をよぉ!」
「や、やめっ……」
フィオの制止の言葉を聞く義理など巨漢にはない。
子供に小水をさせるような格好のまま、肉杭が秘唇を貫いた。
「くっ あぁぁーーーっ♡♡♡」
キキョウの口から、フィオが聞いたことのないような高い声があがる。
紛れもない嬌声だ。 いや、今のはもしや絶頂の叫びか。
巨漢が軽く屈伸するように上下する度に、豊かな乳房が激しく揺れ、キキョウの口からあられもない声があがる。
「あっ♡ ひぅっ♡ やっ、やめっ♡ はうっ♡」
「キ、キキョウさん!」
「あっ♡ やっ♡ み、みないでっ♡ マスター、みないでぇっ♡」
腕が健在であれば、顔を隠していたのだろう。
真っ赤に染まった顔で、キキョウは叫ぶ。
そのアメジストの瞳は、主の前で主以外の男に犯される不忠に対する絶望と、それを軽々と塗りつぶすほどの快楽に彩られていた。
「へへ…… マスターの前でメイデンを犯すのは最高だなあ!
おい、お前等! 折角だからメイデンの前でマスターも犯してやれ!」
「あいよヴァトーさん! 待ってましたぁっ!」
山賊たちの手がフィオのベルトに掛かる。
「なっ、やっ、やめろっ!」
「安心しろって坊主、おいちゃん達、巧いからな!
メイデンなんぞよりずっと良くしてやるぜぇ?」
「キ、キキョウさんっ!?」
思わず助けを求める相手は、巨大な肉杭に貫かれてしまっている。
四肢を破損し、剥き出しの肌を朱に染めたメイデンは、機体が屈服しきった状態であろうとも、必死で言葉を紡いでいた。
「お、おねがいっ♡ しますっ♡ マスターにはっ♡ ひどいこと、しないでぇっ♡」
「お願いったってなあ、お前に出せるものなんかないだろう?
この通り子宮ユニットまでズブズブに犯されちまっといて、今更何を差し出すってんだ?」
「そ、それはっ♡ はうっ♡」
言葉と共に突き上げられ、キキョウは呻く。
普段はクールで怜悧なメイデンは、主の貞操のため舌を垂らすほどに喘ぎながら無様な懇願を行う。
「ど、どうかっ♡ どうかっ♡ ゆるしてっ♡」
「なーに、坊主もケツ穴差し出しゃあ命までは取らんさ、俺らの性欲処理用に、お前と並んで抱いてやるぜ」
「ふ、ふざけるなぁっ!」
フィオは叫びながら必死で身をよじり、何とか自分のブーツに指先を触れた。
「うおっ!?」
少年を押さえつけていた山賊が慌てて飛び退く。
フィオのブーツの踵から小さな刃が飛び出し、完全に舐めきっていた山賊の腕を傷つけたのだ。
「キキョウさんを、離せぇーっ!」
解かれかけたベルトにぶら下がったホルスターから、工具兼用の高速振動ナイフを引き抜き、巨漢へ踊り掛かる。
「ちっ……」
巨漢は舌打ちをすると、キキョウを貫いたまま前蹴りを放つ。
「させ……ないっ!」
機体のほとんどを快楽に支配されつつも、キキョウは左足の装甲ブーツのスラスターを点火した。
「うおっ!?」
直撃すればメイデンならぬ少年の上半身を粉砕しかねなかった前蹴りは、急激なベクトル追加に狙いがぶれ、フィオの腕を掠めすぎる。
それでも、小柄な少年を吹き飛ばすには十分な運動エネルギーを叩きつけていた。
「ぐあっ!?」
フィオの体は独楽のように回転しながら吹き飛ばされ、T字路の奥、崩落した瓦礫に叩きつけられた。
途端に、瓦礫の山がみしりと軋みをあげる。
ぼこんと床が抜け、瓦礫の山はフィオ諸とも落下していく。
「うわぁぁっ!?」
「マ、マスター!」
貫かれたままのキキョウには為す術もない。
主が、階下へ落下していくのを虚しく見送るばかりだ。
「このクソ人形、よくも邪魔しやがったな……!」
そして、狙いを外された巨漢の怒りは、見失ったフィオではなくキキョウへ向く。
激しく腰を使われ、膣内を蹂躙されるキキョウの高い嬌声が、ぽっかりと空いた床の穴へと吸い込まれていった。
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