機甲乙女アームドメイデン ~ロボ娘と往く文明崩壊荒野~

日野久留馬

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 主の住居周りのデータは、当然のようにフリスのCPUに刻み込まれている。
 玄関のスチールドアは左側外開き。
 二階の最奥に位置するポジションなので廊下は右側に延びており、廊下端の簡素な階段からは一番遠い。
 つまり、階段からの襲撃に対して、ドアを障害物に使うことはできない。
 その事は当然織り込み済みであり、フリスは勢いよくドアを開けながら、右腕を廊下に沿って伸ばした。

 廊下を駆けあがって来たのは、砂埃に汚れた防弾ベストを身に着けた男。
 その手には箱状のボディを持つ安物のサブマシンガンが握られている。
 砂潜りサンドモールか、弾薬虫アモワームか、その手の荒事を担う者である事は確実だ。
 男は室内から出てきた少女人形へ銃を向けた。
 警告もなしに攻撃の意志を示す。 フリスが排除を決意するには十分な理由だ。

 フリスの手の甲に輝く翡翠のようなクリスタルはレーザー発振器。
 音もなく、碧の閃光が煌めいた。
 撃ち放たれたレーザーは男の持つサブマシンガンの箱型銃身を灼き貫く。 

 男の不運は銃の異常に気づく間もなくトリガーを引いた事だった。
 レーザーの貫通孔は冷えきらず、融解した金属が詰まるように銃身を塞いでいる。
 そこにフルオートで弾丸を放とうとすれば、塞がれた銃身に阻まれて暴発してしまうのは必然だ。
 紅い輝きと爆ぜる音が廊下を彩る。
  
「ぎゃああっ!?」

 暴発で右腕の肘から先を吹き飛ばされた男は、絶叫をあげて廊下を転げ回った。

「あら、お気の毒」

 無表情で男を見下ろして呟いたフリスは、それきり男への興味を失うと階段へ向けてレーザーを見せつけるように放った。
 威嚇だ。

「うおわっ!?」

「レーザーだとぉっ!?」

 階下で狼狽した叫びが上がる。

 レーザー兵器はタウン48のファクトリーで製造されておらず、この街の住人にとって馴染みの薄い武器だ。
 陽炎たつ日中の砂漠では、大気の揺らぎにレーザーは拡散され、その性能を十全に発揮しにくい。
 環境に大きく性能を左右される点は、兵器に対して質実剛健な確実性を要求するシヤの趣味に合わなかった。
 その為の非採用であったが、逆にレーザーが得意とするフィールドも存在する。
 気温が下がり、陽炎に邪魔されることのない夜戦だ。

 夜間のレーザーは、百発百中で通常の対弾装備も効果が薄い、恐るべき武器である。
 何よりも、夜の闇を裂いて走るエメラルド色の閃光の迫力は、秘めた破壊力以上に見る者の心を威圧する。

「あ、危ねえ……」

「くそっ、聞いてねえぞ、こんなの!」

 頭上を飛び越え、虚空へと消えていく碧の光線の前に、階段を登りかけた男達の意気は完全に挫けてしまった。
 あの光の弾幕が待ち受ける廊下へ飛び出す度胸はない。

 レーザーで威嚇射撃を続けるフリスの背後から、フィオは首を出して廊下の様子を覗いた。
 失った右腕を押さえたまま泡を吹いて失神している男以外は、階段の向こうからこちらを窺っている。
 時折、撃ち返してくるものの、段差に隠れたまま銃だけを突き出して撃つめくら撃ちだ。 そんなものが当たるはずもない。

「ふむ……。 フリス、そのまま威嚇を続けて。
 なるだけ殺さない方向でいくよ」 

「はい、オーダーは変わらず、ですね」

 ロングTシャツ一枚の姿とはいえ、フリスに内蔵されたレーザー兵器を駆使すれば、チンピラの10人や20人をフライにしてしまう事はたやすい。
 だが、フィオはフリスに殺戮を演じさせるつもりはなかった。
 
 自衛のためとはいえ相手を殺してしまっては警邏隊からの事情聴取は免れない。
 マザーに目を付けられている今の状況で、厄介事は御免だ。
 そもそも、この連中が狙っているのが自分かどうかも判らない。

 フィオはフリスの背に隠れたまま、階段へと声を掛けた。

「あのさあ! あんた達、僕になんか用なの? 鉄砲まで持ち出してさあ。
 僕に用だってんなら、うちのメイデンが相手になるよ?」

 完全にフリス頼みの台詞だが、メイデンに荒事を任せる事に関してフィオに恥の意識など微塵もない。
 威嚇射撃を続けるフリスも、フィオの台詞に「わたしが相手になります!」とばかりにドヤ顔をしている。

「用があるのが僕以外だってんなら、家の周りでドンパチされるのも迷惑だし、余所でやってくれないかな?
 今なら追撃もしないよ?」

 フィオの声に、散発的に行われていた反撃の発砲が止んだ。
 階段の向こうで男達がひそひそと相談をする。

「おいっ、追撃しないってよ! 逃げようぜ!」

「で、でも、違約金が……」

「馬鹿! あんな化け物メイデン相手してられるか!
 何がメイデン一体だ、Aクラスじゃねえか!」

 漏れ聞こえる相談内容にフィオは眉をひそめた。

「違約金ね……。
 潔白な稼業とはいえないけど、人を雇って闇討ちされるほどの恨みを買った覚えもないんだけどな」

「大丈夫です、マスター。 どれだけ襲ってきても、全部レーザーで返り討ちです!」

「うん、その時はよろしく。
 さて、あんた達!」

 フィオが声を張ると、相談していた男達は一斉に口を噤んだ。

「あんたらにも事情があるらしいけど、その辺はそこにぶっ倒れてる人から聞くよ。
 面倒事にしてしまうのはお互い嫌だろ? さっさと帰ってくれないかな。
 さもないと」

 フィオの視線を受けて、フリスは頷くと廊下に向けた右手に添えるように左手も挙げた。
 両手と額、三器のレーザー発振器が同時に閃光を発する。
 階段ぎりぎりをかすめ飛んでいく三条の光線に、男達はどよめくような悲鳴をあげた。

「わ、わかった! 退くよ!」

 それなりに平和的に場が収まったと、フィオはホッと一息ついて頬を緩める。
 その耳に、猛々しいエンジン音が響いた。



「レーザー兵器か、珍しいな」

 監視対象の少年のメイデンが、碧の閃光で襲撃者を迎え撃つ様をサイバーアイの望遠機能で確認し、ヒュリオは小さく呟いた。

「あの様子なら、これ以上の手出しは要らないか」

 スナイパーライフルを下ろす。
 緑の髪のメイデンはエメラルドのレーザーを続けざまに放って、襲撃者の動きを完全に封じている。
 レーザー用エネルギーコンデンサは十分な容量があると見え、そこにパワーを供給するジェネレーターも一目でわかるほどに大型。
 メイデンは途切れなく閃光を放ち続けていた。

「派手に撃ちまくってるな。
 動力供給パワーサプライは問題なさそうだが、放熱は大丈夫なのか?」

 サイバーアイの視界をズームアップし、レーザーを放つクリスタル状の発振器を拡大する。
 クリスタルの周辺に取り付けられた金属パーツが淡く暁のような色で輝いていた。
 放熱器だ。
 レーザーを放ち続ける右手を含めて計六ヶ所に設置されたクリスタル、そこに付属する放熱器はすべて強制放熱の輝きを帯びている。

「レーザーの高出力に対して放熱器が足りてないな、その癖六つもレーザー発振器を抱えてる。
 六門全部をぶっ放したら、放熱しきれずにオーバーヒートしちまうぞ、妙な設計のメイデンだな」

 裏を返すと、オーバーヒート覚悟であれば圧倒的な瞬間火力を放てるメイデンであるとも言える。

「廃棄タウンで試作品を拾ってきたという話だからな、設計が煮詰まってないのか……」

 自分とスゥが戦うのなら、あの放熱性能の問題を突く所だ。
 ヒュリオは無意識に件のメイデンとの戦闘シミュレーションを始めた頭を一振りして、状況を把握し直した。

 監視対象の少年が、襲撃者に対して手を引くように促している。

「ふむ、大事にはしたくないか。
 あれだけの火力を持つメイデンを有していながら、慎重だな」

 メイデンの性能に目が眩んでいない。

「気質かな。 いや、指導者が良かったのかな」

 集めた情報によれば、彼を指導していた砂潜りはランク1、屈指の実力者であったという。
 
「だが、このまま帰してしまうと連中の背後が洗えなくなる」

 ヒュリオはレシーバーを弾き、スゥと通信を繋いだ。

「スゥ、警邏隊に連絡だ。
 パトカーを何台か回させろ、俺が撃った連中を回収させるんだ」

 ヒュリオに撃たれた襲撃者達は路上で昏倒し、ぴくりとも動かない。
 ゴム弾とはいえ、ライフルの一撃をぶち込まれてすぐに立ち上がれるほどのタフガイはそうそう居ないのだ。

「了解しました。
 ……えっ」

 主への返答の後にリンク通信を開き、スゥは絶句した。

「どうした?」

「警邏隊に連絡したのですが、その、近くにいるからとシコンさんが」

 シコン。 マイザーのパートナーだ。
 思わず眉をひそめるヒュリオの耳に、けたたましいエンジン音が聞こえてきた。
 サイバーアイを向ければ、タウン48のロゴが大書きされたアーミー仕様の兵員輸送車。

「あいつら……」

 ヒュリオは眉をひそめる所か、あからさまな渋面になった。
 



 猛スピードで現れた兵員輸送車は、フィオのアパートの前で急ブレーキ。
 半回転して路面にタイヤの痕を刻み込みながら停車すると、助手席のドアが蹴り開けられた。

「ホールドアップよ! 貴方達!」

 乙種装備に身を固めたウェービーヘアのメイデンは、両手に握った二丁の軽機関銃をこれ見よがしに掲げ、叫びをあげた。

 突然の乱入者にフィオは目を見張った。
 彼女のボディスーツと兵員輸送車に刻まれた、数字を意匠化したエンブレム。
 アーミーの記章だ。

「撃ちます?」

「絶対にやめて」

「ですよね」

 フリスはレーザーを放っていた右手を、アーミーのメイデンに見えるように肘から曲げた。
 銃口を上に向けるような戦意がない事を示す行為であるが、フリスの「銃口」は額や膝にも存在する。

 主に危害を加えるつもりならば、あれも排除する。
 相手がアーミー所属のメイデンであろうと、フリスに負ける気は欠片もなかった。 

 戦意のなさをアピールするポーズとは裏腹に剣呑な光を宿す瞳で睨まれ、濃い紫のボディスーツに身を包んだメイデンは面白そうに唇の端を吊りあげる。 
 だが、2体のメイデンの間の緊張が高まる前に、兵員輸送車からもう一人の人影が降りてきた。
 
 一見すると細身の優男のようなアーミー兵士は、アパートの二階廊下で防衛体勢をとるフィオ主従と、階段に団子のような塊になって追い詰められている襲撃者達、そして路上に散らばる昏倒した男達をぐるりと見回す。

「ふむ」

 小さく頷くと胸に輝くアーミーのエンブレムを誇示するように背を伸ばし、声を張り上げた。

「私はアーミー所属の兵士、マイザーだ。
 ここで銃撃戦が行われていると警邏隊より通報があり、確認に来た次第だ。
 間違いないかね?」

 淡々とした状況確認の声に、襲撃者達の間に静かな恐怖が走り抜けていく。

「な、なんでアーミーが出張ってくるんだよ……」

「おかしいだろ、こんな辺鄙な区画に、なんで」

 当然の疑問だ。
 警邏隊のパトロールですら滅多に来ないエリアだからこそ、こんな荒事を企てたというのに、警邏隊を飛び越してアーミーが出てくるなど冗談ではない。

 アーミーの兵士、マイザーは細いフレームの眼鏡の位置を指先で直しながら、律儀に答える。

「なんでと言われれば、通りすがりで手透きだったからとしか言いようがないな」

「ふっ、ふざけんな!」

「なんだよ、その適当な理由!」

 思わず飛び出す罵声も、マイザーの鉄面皮を揺るがしはしない。
 マイザーは階段の中途半端な位置で団子になっている襲撃者達に目を向けた。

「私がこの場に現れた経緯がどうあれ、君達が暴れていたのは変わるまい。
 さて、双方とも警邏隊の詰め所まで同行願おうか」

 一歩踏み出す。
 青い制服の青年の、その僅かな動きで襲撃者達の恐慌は膨れ上がった。
 タウンの住人は生まれる前からの睡眠学習でアーミーの恐ろしさを刷り込まれている。

 タウンの守護者にして、敵対者を叩き潰す断罪者。
 プロパガンダ的に持ち上げられすぎた面はあるものの、アーミーは市民のタウンへの忠誠を補強する「鞭」としての役目を担っていた。
 その存在そのものへの恐怖はチンピラ、ゴロツキの類に堕ちた襲撃者達の脳にも、しっかりと根付いていた。

 だが、恐怖に対して力で対抗する事を、彼らは後天的に学んでしまっている。
 たとえ、それが最大の悪手であっても、暴力に根付いた生活を営んでいた彼らには、他に取れる選択肢がないのだ。
  
 階段の男達は顔をひきつらせながら、手にした銃をマイザーへ向けた。
 マイザーの足が止まる。

「それはタウンへの反逆とも受け取れるが、いいのかね?」

「うるせえ! お前を片付けちまえば済む事だ!」

「ふむ」

 マイザーの鉄面皮が崩れた。 頬が歪み、実に楽しげな笑顔を浮かべる。

「やってみたまえ、できるなら」

 青年の笑みに釣られるように、銃声が連鎖した。
 ピストル、サブマシンガン、アサルトライフル、ショットガン、襲撃者それぞれの持つ雑多な銃器が、統制もされないままマイザーへと放たれる。

 青い制服が血に染まり、青年が地に倒れるーー襲撃者達と、傍観者であるフィオの予想したその光景は現れない。

 マイザーは緩く体を揺すりながら、疾走した。
 銃弾はまるで彼の体を忌避するかのように着弾しない。

「な、なんだあれ!?」

 フリスと睨み合うメイデンを警戒しつつ、マイザーの様子を窺っていたフィオは、常識外の光景に度肝を抜かれた。 
 若きアーミー兵士は銃弾の雨の中、ごく僅かな身振りの回避運動のみで突き進んでいる。

 攻撃者の殺意と銃口の向きを読み取って着弾点を予測する、気配察知能力と眼力。
 最小限の動作で着弾点を回避し続ける運動能力。
 その二つが合わさった末の超人的回避能力であった。

「あ、あの人も、真の漢トゥルーガイなのか……?」

 思わず呆然と呟くフィオ。
 理解できないという意味ではキキョウを倒した、ヴァトーの能力に近いものを感じていた。

「な、なんだお前!? 来るなよぉっ!」

「せいっ!」

 マイザーは銃弾を悉く回避して階段に取り付くと、悲鳴をあげながら銃を乱射する先頭の男の腹部に拳を叩き込んだ。
 男は濁った呻きを漏らし、漫画のように階段から吹き飛ばされて道を開ける。
 マイザーはそのまま豪拳を振るい、まるで草刈り機のような勢いで男達を薙ぎ倒しながら階段を駆けあがっていく。

「マスター、どうなさいますか」

 軽合金の手すり越しにアーミーのメイデンと睨み合うフリスは、視線を外さぬまま主に問う。

「あ、ああ、そうだね……」

 常識に全力で喧嘩を売るアーミー兵士の行動にフィオの脳味噌は危うく停止しかかっていたが、頭を一振りして活を入れる。
 彼が対応策を口にする前に、アーミーのメイデンが口を開いた。

「後ろめたい事がないのなら、大人しくしてなさい。
 うちのマスターにぶん殴られちゃうわよ」

「そんな事はわたしがさせません!」

 憤然と応じるフリスに、アーミーのメイデンは美貌に肉食獣じみた笑みを浮かべる。

「貴女の相手は私よ。
 私を出し抜いて、マスターの相手まで出来るかしら?」

「……そんなの、簡単です」

 より険悪な雰囲気で睨み合う2体の機械乙女。
 階下から見上げていたアーミーのメイデンが、ふと何かに気付く。
 ボッと火が付くかのように頬を赤く染めると、そっぽを向いた。

「……? 何ですか?」

 相手の意味不明な挙動に困惑するフリス。
 アーミーのメイデンはわざとらしく咳払いをすると、小声で告げた。

「……垂れてるわよ、足」

「!?」

 つい先程まで、フリスの子宮ウテルスユニットにしこたま注ぎ込まれていた主の精液が、白い太股に垂れ落ちてきている。
 ロングTシャツ一枚で下着も穿いていないため、途中で遮るものは何もない。
 今度はフリスが真っ赤になった。
 慌てて太股を擦り合わせる。

「武士の情けよ、すぐに後始末なさい」

「……恩に着ます」

 太股を伝う主の精を指先で拭ったフリスは、やり場に困った挙げ句、口に入れた。
 舌先で指を拭うと、口内に残る主の味に目を細める。
 所在なさげにフリスの行動を見守っていたアーミーのメイデンは、小さく「はしたない」と呟いた。

 緊張感が抜けてしまった2体のメイデンの様子にフィオは小さくため息を吐く。

「えぇと、僕らは反抗したりしませんよ」

「本当かね?」

 廊下の端から声が掛けられた。
 青い制服の青年、マイザーが悠然と階段を上ってくる。
 銃弾の雨をかいくぐり、拳に物を言わせまくった直後とは思えない静かな佇まいにフィオは内心気圧されながらも頷いた。

「いいんですか、マスター」

「いいさ、仕掛けてきたのはあっちだし、僕らには後ろめたい事なんか、何もない」

 聞こえよがしに呟くと、フィオはマイザーへ挑むような視線を向けた。 
 


「あ、あの野郎……!」

 フィオのアパートにほど近い廃ビルの屋上にスゥが設置した監視スポット。
 13人の昏倒した襲撃者とフィオ主従を乗せたマイザーの兵員輸送車が走り去るのをスポット内から確認し、ヒュリオはバリバリと頭をかきむしった。

「ろくに相談しなかったからって、これか?
 何なんだ、あの独断専行っぷりは……!」

 面倒くさいからとマイザーを放り出した半日前の自分を殴ってやりたい。
 マイザーに対しては殴る所かライフル弾をぶち込んでやりたい所だ。

「マスター、あの、どうします……?」

 スゥが困惑しきった声で指示を仰ぐ。

「……あいつがどこの警邏隊詰め所に向かったか突き止めろ。
 オレ達も行くぞ」

 想定外事象はいくらでも起こるもの。
 ヒュリオはそう自分に言い聞かせながら監視スポットから立ち上がった。
 機械化した体をいつも以上に重く感じる。

「ヤンチャ坊主が面倒を掛けてくれるぜ、まったく……」
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