機甲乙女アームドメイデン ~ロボ娘と往く文明崩壊荒野~

日野久留馬

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EX03

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 湯気立ち込めるバスルームの中でアーミー所属のAクラス戦闘メイデン、シコンは入念に戦闘準備を整えていた。
 きめ細かな泡立ちのボディソープでグラマラスな肢体を磨き上げると、熱いシャワーで洗い流す。
 貯水タンクの残量など一切気にせず、たっぷりと湯を浴びる事ができるのはアーミー所属という一種の特権階級であるからだ。
 大規模浄水プラントを所有するタウン48といえど、ここまで贅沢に水を使える者は数少ない。

「よし……」

 しっとりと水気を含んだウェービーヘアにタオルを当てながら、シコンはバスルームの鏡に目を向けた。
 曇り止めの施されたバスミラーは湯気の中であっても、彼女の肢体をぼやける事なく映し出していた。

 最新鋭Aクラス戦闘メイデンであるシコンは、Mフレームという枠の中に詰め込めるだけのスペックを詰め込まれた、超高級機フラグシップである。
 高出力な大型ジェネレーターを内蔵したバストはフレーム積載量ギリギリのサイズで形良い釣り鐘型。
 豊かに張り出した胸部とは裏腹に腰は細くくびれ、女性的なたおやかさを湛えている。
 よく発達した肉付きのよい臀部へと繋がるボディラインの流麗さは、流石Aクラスと言わせるだけのものがあった。
 くっきりとした眉が特徴の勝気な美貌と優美な女体の組み合わせは、天から下った戦女神のような気高さすら漂わせている。

「むぅ……」

 鏡の中の己の姿をじっくりと確認したシコンは、頭の後ろで両腕を組むと、ぐっと上体を反らした。
 ボリュームたっぷりのバストが柔らかく揺れ、淡い色合いの乳首が天を指す。
 巨乳を強調するポーズのまま、シコンはじっと鏡を見つめる。
 その凛々しい美貌には交戦状態であるかのように真剣な表情が浮かんでいた。 

「違うわね……」

 ぽつりと呟くと姿勢を変える。
 大きく反っていた背筋を逆に丸め、前屈みになると両腕を胸の下で組んだ。
 豊かなバストは左右から圧迫され、窮屈そうに形を変える。
 只でさえ迫力のある巨乳が、我ここに有りと自己主張した。

 前屈みのまま己の胸を見下ろし、次いで鏡に視線を向けたシコンは緊迫した表情で自らの鏡像を子細に観察すると、にへっと笑い顔を作った。
 相当無理をしているのか、唇の端が引き攣っている。
 さらに、バチコーン!とばかりにウィンクを一発飛ばす。
 引き攣った笑みのまま片目を瞑り、セクシーポーズで硬直したシコンは、しばし間を置いてその場に膝を着き、頭を抱えた。

「これはない、ないわー。 流石にキャラじゃない……」

 バスルームで己の武器肉体を丹念に手入れしたシコンは、戦略誘惑方法についてCPUの全領域を傾けて立案していた。
 だが、元来戦闘向けの性格設定であるシコンは、その方面において圧倒的に経験値が不足している。
 メイデンの嗜みとして、戦術奉仕の技法はROMに焼き込まれているものの、そこに持ち込む前段階のハードルが高いのだ。

「でも、下手な誘い方だと、マスターが応じてくださらないし……」

 マスターは筋金入りの朴念仁だ。 マスター登録の際に性交を行っているので性的欲求はあるはずなのだが、それ以降一切手を出してこない。
 自分の取柄は戦闘力だと自認しているシコンだが、Aクラスメイデンの名に恥じぬだけの魅力を備えているとも自負していた。
 だが、主は毎晩就寝寸前までトレーニングを行っては、ぐっすりと睡眠を取ってシコンに指も触れない。
 健康的過ぎる主の生活パターンは、シコンの「女」としてのプライドを著しく傷つけていた。
 もしかしたら不要と思われているのではないかという不安の余り、慣れない誘惑を試みる程に。

「いっそ、裸で大股開きになって言っちゃうべきかしら、プリーズファックミーって」

 頭を抱えたままのシコンは焦げ茶色のウェービーヘアを掻きむしった。

「い、言える訳ないじゃない、そんなはしたない事……!」

 トリガーハッピーのバトルマニアであると同時に、シコンは乙女であった。 彼女にとって「はしたない」という要素は最上級の禁忌に値する。

 ひとしきり頭を掻きむしっていたシコンは、意を決すると立ち上がった。

「もう、こうなりゃ出たとこ勝負よ、やってやろうじゃない……!」

 湯上りボディにバスタオルを巻き、長い髪もタオルの中に押し込んで纏める。

「行くわよ。 マスター、お覚悟を……!」

 潜めた声で討ち入りのような宣言をすると、シコンはバスルームから出陣した。




 アーミーの宿舎も、基本的な間取りはそこらのワンルームマンションとさして変わりはしない。
 しかし、その設備は段違いである。
 特に壁の防音性能は高く、隣の部屋の物音を完全にシャットアウトする。
 アーミーの兵士がそれぞれパートナーのメイデンを与えられている事に起因する、マザーの気遣いである。 端的に言うと大きなお世話であった。

「ふっ……ふっ……」

 上半身裸になり迷彩柄のトレーニングパンツを穿いたマイザーは、部屋の真ん中で腕立て伏せをしていた。
 すでに開始から30分以上経過しており、フローリングの床には汗の小さな水たまりができている。
 室内に足を踏み入れたシコンは、シャワーを浴びる前と変わらないペースで腕立てを続ける主に内心嘆息した。
 このままでは、いつものように運動で心地よい疲労を得た主はベッドへ直行、快眠コースへと進んでいってしまう。

「マスター」

「シコン、丁度いい所に」

 マイザーはリズミカルな腕立てのペースを落とさぬまま、メイデンを見上げた。

「負荷が足りないと思っていたんだ。 背中に乗ってくれないか」

「え……」

 誘いの言葉よりも先に指示を受け、シコンは絶句した。

「わ、私、重たいわよ!?」

「君の重量は知っている。 負荷として丁度いい」

「ダンベル替わり……」

 金属骨格を持つ以上、成人男性二人分近い体重であるのは仕方ない事だ。 だが、一切のデリカシーなく指摘されるのは流石に面白くない。
 頬を膨らませながらも、シコンは腕立てを続ける主に歩み寄った。
 裸体にバスタオルを巻きつけただけのシコンは、豊かな胸の双丘の上半分も、むっちりとした太腿もさらけ出している。
 腕立て中の主が顔を上げれば、わずかに隠れただけの秘所まで丸見えになってしまう所であるが、マイザーは全く気に掛けた様子もない。
 シコンが乗りやすいように、一旦運動を止めて促す。

「さ、乗ってくれ」

「……失礼します」

 しどけない格好へ一言の感想もない主にメイデンのプライドをさらに傷つけられながらも、シコンは促されるままマイザーの背に腰を下ろした。

「よし、いい負荷だ」

 マイザーは相棒の内心にまったく頓着せずに腕立て伏せを再開した。
 シコンという負荷をトレーニングに活かすべく、今度はゆっくりとした動作である。
 丹念に時間を掛けて腕を曲げ、たっぷりと筋肉に負荷を与えてから、同じ時間を掛けて腕を伸ばす。

 マイザーの腕に、より合わせた針金を思わせる筋肉の隆起が浮き上がる。
 動作と共に伸び縮みして形を変える筋肉の隆起は腕ばかりではない。
 腕立て伏せは腕の筋肉だけを使う運動ではなく、胸、背中の筋肉にも密接に関わっている。
 シコンは自分のお尻の下で、主の背筋がゆっくりと動いているのを感じ取った。

「……」

 徐々にシコンの頬が赤みを帯びていく。
 バスタオル一枚を挟んだだけの向こうで躍動する、若々しい肉体。
 マイザーは俗に言う細マッチョ体型だが、その路線を極めたタイプと言える。
 180を超える長身は一見ひょろりとして見えるが、素肌を晒すと彫刻家が丹念に刻み込んだかのような筋肉のうねりが現れるのだ。
 古代ギリシャの英雄像が動き出したかのような肉体美である。

 ある意味で若き雄の理想を具現化したような肉体が、シコンの尻の下にある。
 逞しい筋肉が腕立て伏せに伴ってゆっくりとうねる様がダイレクトに伝わってくると、シコンのジェネレーターは勝手に高稼働モードへと移行してしまった。
 白い肌が朱に染まっていく。
 下腹が疼き、胎奥から雫が滲み出てくる。
 潤滑液愛液の分泌を自覚し、シコンはぎゅっと目を瞑って太腿を硬く閉じた。

(や、やだ、私ったら……はしたない)

 そう思いはするものの、そもそも、シコンの望みはその「はしたない」行為をされる事である。
 だが、主自身の主導で行われる行為と、シコンから要求する行為の間には埋めがたい「はしたなさ」の差がある、とシコンは考えていた。
 実に面倒くさい乙女であった。

「……199……200!」

 シコンが己の内に生じた悶々としたものを扱いかねている内に、主は1セットの腕立て伏せを終えた。

「ありがとうシコン、いい負荷だった」

「い、いえ……」

 主の背から降りる。 シコンは潤んだ秘唇からはしたない雫が垂れないよう、きゅっと太腿をすり合わせた。

「ふぅ……」

 運動の後の調息を行いながら、マイザーも立ち上がる。
 汗に濡れた逞しい胸板から香る主の体臭が嗅覚センサーを刺激し、シコンの子宮ウテルスユニットは「もう我慢できない」とばかりに激しい疼きをCPUへと送り込んだ。

「うぅ……♡」

 とろりと、ついに淫らな蜜が太腿を伝い落ちてしまう。
 マイザーの並外れて鋭敏な視力は、バスタオルでぎりぎり隠された秘所から零れる雫を見逃さない。

「シコン、拭き忘れが」

 よし、死のう。 主の指摘に、シコンは即座に自決シークエンスの起動を決意した。
 120mm砲で頭を撃ち抜いてCPUを粉々にしてしまおう。 甲種装備の使用申請を出さねば。

 羞恥心を拗らせ、朱に染まった顔のまま硬直して思考を飛躍させるメイデンを、マイザーはアイスブルーの瞳を光らせて観察した。

「ふむ……発情しているのか?」

「~~~ッ!」

 明け透けに指摘され、飛躍しかかった思考は沸騰して四散した。

「い、いけませんかっ!」

 思わず、主に対して噛みつくような声を出してしまう。
 メイデンとしてあるまじき事とCPUのどこかが警告を発するが、一旦外れた箍は簡単には戻らない。
 溜め込んだ鬱憤を吹きだすように主を詰る。

「マ、マスターがしてくれないからっ! 私を娶って何日経ってると思ってるの! 指ひとつ触れないなんて、どんだけなのよ!
 マスターはあれですか、男の方が好きなタイプなんですか!」

「い、いや、男を抱く趣味はないが……」

「じゃあ、なんでですかぁ!」

 勝気な瞳に涙を浮かべるメイデンに、マイザーは困ったように目を伏せた。

「……溺れてしまうと思ったからだ」

「え……?」

 思いもよらぬ言葉にきょとんとするシコンに、マイザーは目を伏せたまま続ける。

「君を受領して、マスター登録を行った時に思ったんだ。 君は……魅力的過ぎる」

「みっ……」

 シコンは真っ赤になって絶句する。
 鉄面皮のマスターの口から出た言葉は、シコンが求めてやまなかった賞賛の言葉ではあるが、ストレートすぎて彼女の思考を停止させた。
 CPUが驚きと喜びでハングアップしかかっているシコンに、マイザーはさらに淡々と言葉を紡いだ。

「私とて木石ではない、人並みに性欲もある。 マスター登録は素晴らしい体験だった……。
 それだけに、下手に君に手を出してしまえば溺れ切ってしまう事は明白だ」

「……お、溺れたら、ダメなんですか」

「そうなれば、私の中の優先順位の一番に君が来てしまう。
 私はタウンに忠誠を誓ったアーミーの兵士だ。 君を、タウンよりも優先するわけにはいかない」

 クソ真面目な真顔で言ってのけるマイザーの顔を、シコンは半ばぽかんとして見つめた。
 彼の言葉を額面通りに受け取るなら、アーミーを辞するまでシコンはマイザーに抱いてもらえない。 そして、シコンはアーミーから支給された備品である以上、マイザーがアーミーを辞するならば返却の必要がある。
 つまり、シコンはマイザーに今後抱かれる事はない。
 マスターの言い分を理解し、シコンのCPUは怒りに加熱した。

「……馬鹿ですかマスターは! 何そのシングルタスク脳!」

 思わず直球で主を罵倒してしまう。

「タウンも大事! わ、私も大事! それでいいじゃない! なんで大事なものに順番をつけるんですか!」

「い、いや、そうしないといざという時に……」

「あーもう! 石頭ぁ! シリコンチップの私たちメイデンより固い脳味噌してどうするんですか! もっと柔軟に考えなさいよ!」

「柔軟と言われても……」

 マイザーの眉は下がり、内心の困惑を示している。 冷徹な鉄面皮の下から、年相応の若さが覗いていた。

「私はアーミー所属のメイデン、タウンへの忠誠心はCPUに刻み込まれてるわ。 
 マスターが私を抱いて、お、溺れちゃって、私をタウンより大事にしたとしても、その私がタウンへ忠誠を捧げてるなら、いいんじゃない?」

「そ、そうかな……?」

 勢い任せに詭弁以下の理屈をまくしたてられ、マイザーは揺らいだ。
 あと一押し。 ここが狙い所。 シコンのCPUは今こそが戦機と判断した。
 汗まみれの主に抱きつき、逞しい胸板に自慢のバストを押し付ける。
 形の良い巨乳が柔らかく潰れる感触に、マイザーは目を見張った。

「そ、そうよ! だ、だから、溺れちゃっても……いいのよ?」

 ここまでやっておきながら、シコンの言葉は恥じらうように尻すぼみになった。
 勢いで流されていたシコンの中の乙女回路が己の行いを「はしたない!」と断じたのだ。
 だが、ここまでやった甲斐はあった。
 マイザーの手がシコンの頭に伸びる。

「そう……だな」

 主の指先が頭を覆うタオルの結び目を解く。 はらりとタオルが落ち、しっとりと濡れたウェービーヘアが肩へと流れる。
 濡れた前髪の下で期待に瞳を輝かせるシコンの胸元へマイザーは指を伸ばした。
 豊かな胸の谷間に人差し指を差し入れ、バスタオルを軽く引っ張る。 魅惑の肢体を覆う頼りない装束は、あっさりと足元へ滑り落ちた。

「あっ……♡」

 マイザーは裸身をさらして身をすくませるメイデンのおとがいを指先でつまむと、顔を上に向けさせ唇を奪った。

「んぅっ……♡」

 シコンの瞳が弓の形に細まり、満足した猫のような吐息を漏らす。
 マイザーはキスを続けながら、トレーニングパンツを脱ぎ捨てた。
 猛々しくそそり立った逸物が現れ、シコンは唇を奪われたまま目を見張る。
 マイザーは唇を離すと頬を真っ赤に染めたシコンの顔を覗き込み、律儀に宣言する。

「溺れるぞ、君に」

「は、はい、存分に……♡」

 マイザーはシコンの左足を抱え上げ乙女の秘裂を露わにすると、すかさず逸物を叩き込んだ。

「ひっ……♡」

 ずどんと一息に奥底まで貫かれたシコンは、瞳を見開いて硬直する。

 マイザーはシヤの期待する真の漢トゥルーガイの域には至っていないものの十分に常人の枠を踏み外した、いわば準真の漢トゥルーガイともいえる存在だ。
 彼の精を受けたシコンの機体は、最も重要な情報のロックこそ外れていないものの、多くのリミッターはすでに解除されている。
 性感センサーのリミッターも外れており、彼女の秘肉は経験の少なさとは裏腹に恐ろしく過敏になっていた。
 体験した事もないような、甘い電流がシコンのCPUを翻弄する。

「あ、あ、ぁぁ……♡」

 絞め殺されるような微かな喘ぎと共にシコンの下腹が大きくひくついた。
 主を受け入れた秘唇から熱い潤滑液愛液が大量に滴り落ちる。
 揺れる瞳を一杯に見開き、震える唇を淡く開閉させる顔には、いつもの勝気で不敵な気配は消え失せていた。
 たった一突きで声も出ないような絶頂に突き上げられたメイデンを、マイザーは常の彼ならぬ優しい眼差しで見下ろす。

「本当に君は……愛らしい」

 言いながらゆっくりと腰を引き、大振りなスイングを力強く突き込んだ。
 主の硬い亀頭が、メイデンの子宮口を容赦なく抉る。
 弱点への痛撃にシコンは大きく仰け反った。

「ひっ♡ んぐぅっ♡」

 シコンはあられもない嬌声を発しようとした己の口を、咄嗟に両手で抑えた。
 激しい快楽情報でパンクしそうなCPUは、この期に及んで彼女にはしたない真似を禁じている。
 マイザーは頬を緩め、悪戯っぽく微笑んだ。

「それはなしだ、シコン。 君の可愛い声を聞きたい」

 マイザーは囁きながら、シコンの左足も抱え上げた。
 しなやかな両足を己の肩にひっかけさせ、重量感溢れるヒップを両手で力強く掴む。

(こ、こんな格好……♡)

 主の逸物と両手、わずか三点で支えられてしまったシコンは、両手で口を抑えながら恥ずかし気に俯いた。
 駅弁ファックの体勢で、マイザーは大きく腰を前後に揺すった

「んっ♡ くっ♡ んうっ♡」

 振り子のように揺れるシコンの胎内で、主の肉棒は傍若無人に暴れまわる。
 反り返った逸物はGスポットを刺激しつつ、よく発達したエラで乙女の経験不足の膣壁を存分に耕していく。
 性感リミッターの外れた媚肉は、シコンのCPUを灼き尽くす程の勢いで快楽情報を送り込んできた。
 シコンは激しすぎる快感に瞳に涙をにじませながらも、必死で声を抑え続けた。

「んうぅっ♡ んぅっ♡ んーーっ♡」

「強情だな、君は。 ならばこれでどうだ!」

 言葉と同時にマイザーはシコンを抱えたまま、軽く跳ねた。
 一瞬の浮遊感の後、着地する。
 シコン自身の重量が全て連結ポイント、主の逸物を受け入れた秘裂に集中する。
 落下の勢いを得た肉槍の切っ先は、メイデンの最奥を守る城門子宮口へ破城槌のように叩きつけられた。
 何度となく責め立てられた城門に最早耐久力はない。
 子宮ウテルスユニットにまで亀頭の切っ先の侵入を許してしまい、最大の弱点を穿たれたシコンの肢体は最大級の快感にがくがくと痙攣した。

「あぐぅっ……♡」

 暴力的なまでのエクスタシーにシコンは半ば白目を剥き、その両手はだらりと力なく垂れ下がった。
 強烈すぎる絶頂にマイザーの指が食い込んだ尻肉は細波が走るようにかくかくと震え、肉槍に串刺しにされた秘唇からは小水を思わせる量の潤滑液愛液が噴き出していた。
 口の端から舌をはみ出させ快楽に染まり切った己の顔を鏡で見れば、シコンは真っ赤になって「はしたない!」と非難した事だろう。
 
 主の逸物の猛攻を受け完全敗北してしまったシコンの有様に、マイザーは満足げな笑みを浮かべた。
 だが、敗北し屈服しようとも、シコンもまたAクラスメイデン。
 最高級の品質を持つ媚肉は、この状態から主への反撃を開始する。
 快楽の余りシャットダウン寸前の桃源郷を揺蕩うCPUから独立したかのように、シコンの膣壁は傍若無人な主の肉槍を締め上げた。

「うっ……。 まだ序の口だ、ここでペースを崩すわけには」

 マイザーが腰を引こうとする。
 その後頭部に、シコンの両腕が回された。
 ぎゅっと抱きしめ、主の離脱を阻止する。

「くっ、シコン!?」

 駅弁の姿勢で貫かれ、あられもない絶頂を晒していたシコンの瞳に爛々とした光が宿っている。
 Aクラスメイデンならではのタフさで辛うじてシャットダウンを堪えたシコンは、口の端から垂れる涎の痕も拭わぬまま、不敵に微笑んだ。

「はぁ……♡ 逃がさないわよ、マスター……♡ 勝ち逃げなんて許さないんだから、私と……イきなさいっ♡」

 きゅうっと膣壁を締め上げる。
 メイデンとしてあらかじめ刻まれていた奉仕の技術、これまで使った事のない戦術奉仕の技法が、今まさに火を吹いた。
 勝利を得て油断したマイザーの肉槍は、押し寄せる膣壁の猛攻にあっさりと討ち取られてしまう。

「うぉっ!? くぉぉっ!」

 苦し気にも聞こえる程の歓喜の声と共に、マイザーは放つ。
 若き兵士の活力そのものが、怒涛の勢いで乙女の聖域に流れ込んだ。
 子宮口に突き立った亀頭から零距離射撃で放たれた精液は、子宮ウテルスユニットの奥底にぶち当たって広がり、シコンの最重要部品を制圧していく。

「ひあぁぁぁーーっ♡♡♡」

 低ランクCPUしか持たないメイデンであればあっさりと意識を手放しているような絶頂の中、シコンの口からはついに我慢し続けていたあられもない嬌声が漏れてしまう。
 普段の凛々しさ、猛々しさからは想像もつかないような、甘く、可愛らしい声を上げながら主にしがみつき、胎奥を灼く粘液の熱さに陶酔した。

「こ、これで、相打ちね……♡ 私だけイかされたんじゃ、ないんだから」

 絶頂の余韻にひくひくと震えながらも勝気に言ってのけるシコンに、マイザーは苦笑した。

「負けず嫌いだな、君は。 いいとも、今のは相打ちだ。 だが、私は勝負ごとには拘る男だぞ?」

 マイザーはシコンの唇を軽くついばむと、豊かな尻肉をホールドしなおした。

「あ、待って」

 シコンは、改めて責め立てようとする主を制する。

「その、続きはお布団で、ね?」

「この体勢は嫌いかね?」

「さすがに恥ずかしいし……。 それに、身動きできないから、私がやられっぱなしじゃない」

「ふむ、確かにフェアではないかも知れん」

 マイザーは頷くと、シコンを貫き、抱えたままベッドへと歩みだした。

「あうっ♡」

 マイザーが歩を進めるたびに、たっぷりと精液が注がれた膣内が抉られ新たな快楽が発生する。
 主の胸板に頬を寄せ、胎内を貫く逸物の感触を堪能しながら、シコンはベッドをちらりと見た。
 戦場はフローリングの上からシーツの上へ。
 やられっぱなしなどと言ったが、シコンはすでに勝てるとは思っていない。
 熱い精液のマーキングを受け、一気にマスターパーティションポイントを上昇させた子宮ウテルスユニットは、この逞しい雄に屈服しきっている。

 だが、シコンの戦意は衰えていない。
 己の持つ戦術奉仕の技法を全て披露し、マスターに尽くそうと意気に燃えている。

「マスター、覚悟なさいよ。 たくさん、イかせてあげるんだから♡」

「やってみたまえ、それはこちらの台詞だと教えてやるとも」

 互いの瞳を覗き込んで挑発的な言葉を投げつけあうマイクパフォーマンス。
 二人の口元に不敵な笑みが浮かぶ。
 マイザーはシコンを貫いたまま、ベッドに押し倒した。

 第二ラウンドの開始だ。
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