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手早く身支度を整えてラブホテルを飛び出したフィオ主従は三輪バイクで指定された番地へと向かう。
その後を車間を開けて追跡するセダンがあった。
ごく普通の都市内用通勤車両のハンドルを握っているのは、これまたごく普通の冴えない風貌の市民。
だが、それは全て偽装だ。
その正体はアーミー特製の特殊任務車両。
実際の運転手は3Dホログラムグラスで偽装された姿とは似ても似つかない精悍なサイボーグ戦士、ヒュリオである。
「先の通話の声紋分析、できたか?」
ハンドルを握ったまま、ヒュリオは助手席の相棒に尋ねる。
「はい、市民ルースの端末を使って通話を行った人物は87.4%の確率で要注意市民ディモンであると思われます」
アーミー権限で傍受した通話の分析結果を告げるスゥにヒュリオは渋い顔で頷いた。
「朝の一件で懲りればいいものを……。
落とし前を付けようってつもりか、三下め」
今朝方、満腹食堂で発生した騒ぎをヒュリオは遠距離から観察していた。
フィオ自らが首を突っ込んだ一件なので、影ながら護衛する身としては派手に支援する訳にもいかないという建前もあるが、フィオがトラブルをどう捌くか見てみたいというヒュリオ自身の思惑もあった。
「裏の顔役とか祭り上げられていい気になりすぎたな。
スゥ、ディモンに鼻薬を嗅がされてる警邏隊分署を調べておいてくれ。
後でマザーに報告する」
「よろしいんですか?」
「ああ、お気に入りの坊やにちょっかい出されたんだ、マザーが雷落としてくれるだろうよ。
ディモンの奴にも、な」
ディモンら裏の顔役と呼ばれる人物たちの事は、アーミーでも把握していた。
彼らが警邏隊上層部と繋がっている事も。
黙認されていたのは、偏に警邏隊への温情である。
マザーをトップとするアーミーと違い、警邏隊は人間たちによって運営されている組織だ。
それ故にというべきか、腐敗もするし、癒着もする。
シヤは人が人である以上、ある程度の悪心もやむなしとお目こぼしを行っていた。
タウン48の女帝は、汚点すらも含めて人の営みを愛する懐深い支配者であった。 基本的には。
無数の小悪党どもが好き勝手に悪事を行うよりも、マフィア化して纏まってくれた方が把握しやすいという理由もある。
そして、度が過ぎた悪党には女帝の処刑斧たるアーミーが降り下ろされるのだ。
「ディモンが終わりなのは確定だが、そこには市民ルースや市民ランディの身の安全までは含まれていない。
友人を助け出せるかどうかは君次第だぞ、少年」
車間距離を保ったまま、二人乗りの三輪バイクの後ろ姿をサイバーアイで捉えながらヒュリオは小さく呟いた。
エリア18。
タウン中心から離れた倉庫街で蒲鉾を想わせる形状の倉庫が立ち並んでいる。
その四番地にディモン所有の倉庫があった。
この倉庫もまた、メイデン達と同じく彼が他人から巻き上げた物件であり、登録上の持ち主はディモンではない。
ディモンは手に入れた倉庫に手を加え、様々な仕掛けを施していた。
不正に入手した物資を隠匿するという目的以外に、この場に引き込んだターゲットを始末する殺し間として使っているのだ。
その最奥、いわば司令室とも言える部屋に満腹食堂の面々は囚われていた。
ボコボコに殴られ、顔中腫らしたルースと店主はそれぞれ手錠を掛けられて床に転がされている。
そしてサクラはディモンに犯されていた。
倉庫内外の様子を映し出す監視カメラの情報端末席に腰を下ろしたディモンは、床に這い蹲った二人に見せつけるような背面座位の姿勢で全裸に剥いたサクラを貫いている。
「あっ♡ がっ♡ あぐっ♡ あぎぃっ♡」
大人しげなおかっぱ少女人形は、普段の奥ゆかしい佇まいを放り出し獣じみた嬌声を上げていた。
「はっはぁっ! ちっこいメイデンはいいねえ! ぎゅうぎゅう締まりやがる!」
「んあぁぁぁっ♡♡♡」
ディモンが大きく体を揺するとサクラは舌を突き出し、仰け反って達する。
激しいエクスタシーにガクガクと体を痙攣させるサクラ。
真紅の瞳は焦点を失い、ぼろぼろと洗浄液をこぼしていた。
「手前ぇっ! 止めやがれっ!」
床に転がされた店主が鼻血と青痣まみれの顔を上げ、ディモンに叫ぶ。
ディモンはニヤつきながら店主を見下ろすと、さらにサクラの体を揺らした。
「へっ、負け犬の遠吠えは気持ちいいねえ!
やめろって言われてもこの通り、サクラちゃんのまんこが離してくれねえんでな!
下手くそのあんたより、俺のちんぽがいいとさ!」
「ぐっ……」
店主は悔しげに顔を歪めた。
実際、サクラがここまで乱れているのを見るのは初めてだ。
勿論、種も仕掛けもある。
メイデンのCPUを侵すウィルスナノマシンアンプルだ。
拳銃型の高圧注射器を用いてサクラに投与されたウィルスは彼女のCPUを侵食し、性感センサーのリミッターを解除してしまっている。
ガバメントからメイデンのCPUアップデートについての指示が出ていたが、民生用メイデンは日々の業務を優先してアップデートを怠る傾向があった。
サクラもまたアップデートを行っておらず、ウィルスを防ぐ事ができなかったのだ。
CPUアップデートの内容について、ガバメントは民間に一切の説明を行っていない。
メイデンのCPUを侵すウィルスを持つ賊の存在などを知らせて社会不安を煽ることもないという判断である。
ウィルスの存在自体を知らない店長からしてみれば、ディモンの言葉を認めざるを得ない状況であった。
「そぅら! どうだ、サクラぁ!」
「ひぎぃっ♡ んあっ♡ あぁぁぁっ♡」
ディモンに突き上げられサクラは完全に正体を無くしたまま、あられもない声を上げて悶え狂う。
清楚な秘唇はドス黒い逸物に押し広げられ、まるで失禁したかのように溢れる潤滑液で椅子の下には水たまりができていた。
「おうっ、いい締まりだぁっ! うぉっ!」
唸るような声と同時に突き上げ、ディモンは精を放った。
主以外の男の精液がサクラの膣肉を灼き、子宮ユニットに染み込んでいく。
「んあぁぁぁーーっ♡♡♡」
サクラが一際高い声を上げると同時に、床に転がった店主の多目的端末がアラート音を鳴らす。
マスターパーティション減少の警告だ。
「あっ……♡ あぐぅっ……♡」
リミッターを切られ、強すぎる快感に晒されたサクラのCPUはついにシャットダウンしてしまう。
ディモンが逸物を引き抜くと、脱力した少女人形の股間からどろりと精液がこぼれ落ちた。
「ちっ、畜生っ、サクラぁ……」
「ははっ、ほうら見やがれ! サクラの中にたんまり出してやったぜ!」
ディモンは店主をあざ笑うと、これ見よがしに射精したてのサクラの秘所を剥き出しにした。
ディモンの逸物を喰わえ込まされたままの形に広がった秘裂の奥から、生々しい音を立てて白濁液が吹き出す様に店主は歯噛みする。
「くくくっ、いい顔だなあ!
もうちょっと遊んでやりてえ所だが、待ち人の到着のようだぜ」
壁際に並べられたモニターのひとつに、三輪バイクから降りるフィオ主従の姿が映っている。
「さぁて、お出迎えと行くか!」
ディモンはシャットダウンしたサクラを店主の隣に放り出すと、上機嫌でズボンを上げた。
「この倉庫か……」
指定された番地にそびえる倉庫を睨みながら、フィオは三輪バイクを停車させた。
「マスター、監視カメラがあります。
こちらの動向は把握されてるようです」
「だろうね、そうじゃないと場所を指定した意味なんてない」
虎穴に入る必要があるのは、あらかじめ判りきった事だ。
「行くよ、フリス」
「はい。 できれば武装ユニットを持ってきたかった所ですけど」
現在のフリスはボディスーツと装甲ブーツのみの姿だ。
「仕方ないよ。
タウンの外へ仕事しに行くわけでもないのに町中で重武装してたら警邏隊に目を付けられる」
フィオの言葉にフリスは不承不承頷くと、彼の前に立って倉庫に向き直った。
貨物搬入用の大扉がこれ見よがしに開いている。
照明は落ちているが、ノクトビジョンを備えたフリスには奥まで見通すことができた。
「倉庫内を区切って部屋を作っているようですね。
奥にドアが見えます」
「そこでお待ちかねって訳か」
フィオは腰の後ろのホルスターからマシンピストルを抜いた。
「フリス、先導を頼む」
「はい!」
フリスをポイントマンとする隊列で踏み込む。
左右に開いた大扉を潜り、広く区切られた室内の中程まで慎重に歩を進めていくと、大扉の内側に仕掛けられた装甲シャッターが轟音と共に降りて退路を塞いた。
「ちっ!」
背後に目を走らせるフィオ。
同時に天井のライトが点灯し、二人を照らし出す。
「はっはぁ! いらっしゃぁい、お二人さん!
ディモンのプレイルームへようこそぉ!」
質の悪いスピーカーから、ひび割れた男の声が陽気に響く。
「そして、お前はさよならだ、フィオちゃぁぁん!」
ディモンの声と同時に、コンクリート製の床が抜けた。
「なぁっ!?」
「マスター!?」
とっさにスラスターを吹かして滞空したフリスは、コンクリ片と共に落下していく主へ手を伸ばす。
だが、その手を阻むように重厚な鉄板が現れた。
横向きに配置された装甲シャッターが新たな床となり、落下したフィオとフリスを分断したのだ。
「はっはぁぁ! だぁい成功っ!」
「マスター! このぉっ!」
フリスは両腕のレーザーを床へと放つ。
だが、着弾点は赤熱化しても貫通しない。
「無駄無駄ぁ! 戦車用の複合装甲材だぜ、大出力レーザーでもすぐにはぶち抜けねえよ!
んでもってぇ、あんたにゃそんな時間はやらねえ!」
奥側の扉が開き、武器を携えたメイデンが四体飛び出してくる。
「……いいでしょう。
まとめて排除して、マスターを救出します!」
フリスはサファイヤの瞳を怒りに煌めかせ、迎撃体勢を取った。
「いってぇ……」
1フロア分落下したフィオは打った尻の痛みに顔をしかめつつ、風を切って迫る刃の音に反応して転がった。
「わぁっ!?」
高速振動ナイフの刃が一瞬前にフィオの首があった空間を横薙ぎにする。
何とか身を起こし、碌な光源もない空間に目を凝らす。
サブマシンガンと高速振動ナイフを携えた、Mフレームのメイデンの姿が見える。
「メイデン……!」
両目を隠す視覚強化センサーを装着した『盾』と呼ばれていたメイデンだ。
天井を装甲シャッターで塞がれ、電灯もない地下でありながら、フィオはそこまで把握できていた。
フィオの五感は常人よりも遙かに鋭敏になっている。
真の漢の能力の一環であろうが、修羅場真っ最中のフィオにはそこまで気を回す余裕はない。
右手に握ったマシンピストルを構えつつ、左手で高速振動ナイフを逆手に握る。
図らずも相手のメイデンと似たようなスタイルで身構えながら、フィオは退路を探していた。
小口径のマシンピストルは対人用で、メイデンに対してはせいぜい目くらましにしかならない。
高速振動ナイフはダメージを与えられる可能性はあるが、本来作業用で刃渡りが短すぎる。
これで人間を超越した運動性能を持つメイデンとチャンバラするなど冗談ではない。
冷や汗を流して周囲を見回すフィオの様子は『盾』からすれば、追いつめられた獲物の悪あがきにすぎない。
『盾』は一足飛びに距離を詰めると前蹴りを放つ。
「ぐぁっ!?」
とっさに防いだ右腕がへし折れる感触と共にフィオは吹き飛ばされ、壁際に積まれたプラスチックコンテナの山に突っ込む。
崩れたコンテナからパウチに入ったレトルト食品のパックが少年の上に降り注ぐ。
コンテナとパックに埋もれ、動きが止まったフィオの額を3点バーストの9ミリ弾が貫いた。
殺った。
サブマシンガンで少年の頭を撃ち抜いた『盾』の確信は即座に裏切られた。
「うっ、おぉぉっ!」
額から血を吹きこぼした少年は、血走った目を見開いてレトルトパックを蹴り飛ばすと高速振動ナイフを構えて立ち上がった。
少年が頭蓋骨に防弾用装甲を仕込んでいたという可能性を『盾』は瞬時に否定する。
着弾時に弾丸は貫通しており、後頭部から血と脳漿が吹き出す様も確認したのだ。
脳に致命的な損傷を負ったはずなのに立ち上がる少年、理解不能な存在だ。
『盾』はそれ以上の分析を止めた。
判らない事について考えるよりも、ナイフをかざしてこちらへ迫る少年の排除が先だ。
サブマシンガンをその場に落とし、腰のホルスターに下げたもう一丁の銃を引き抜く。
異常に機関部が大きい、奇妙な拳銃だ。
20ミリ対メイデン拳銃、乙女殺し。
重火器の使用が制限されるタウン内で、メイデンを破壊しうる小型装備として作られた密造銃である。
『盾』は機関部の脇から飛び出したボルトハンドルを引いてペットボトル大の巨大な弾丸を装填する。
拳銃サイズに納めるには無理がありすぎる弾頭を使用するため、機関部は頑丈でシンプルなボルトアクション機構が採用されていた。
「がぁぁぁっ!」
額から血を流し、獣のような彷徨と共に飛びかかる少年へ、乙女殺しを向ける。
発砲。
20ミリ弾はメイデンのナノスキンコートすら貫通し、重大な損傷を与えることができる。
銃身がほとんどないため、本来使用すべき機関砲などに比べれば威力は下がっているものの、そんなものを人間に対して撃てばどうなるか。
腹部に着弾した20ミリ弾は少年の腹腔を丸ごと吹き飛ばす。
肉片と内臓を後方へとまき散らしつつ、分断された少年の下半身と胸から上は湿った音を立てて床に転がった。
その後を車間を開けて追跡するセダンがあった。
ごく普通の都市内用通勤車両のハンドルを握っているのは、これまたごく普通の冴えない風貌の市民。
だが、それは全て偽装だ。
その正体はアーミー特製の特殊任務車両。
実際の運転手は3Dホログラムグラスで偽装された姿とは似ても似つかない精悍なサイボーグ戦士、ヒュリオである。
「先の通話の声紋分析、できたか?」
ハンドルを握ったまま、ヒュリオは助手席の相棒に尋ねる。
「はい、市民ルースの端末を使って通話を行った人物は87.4%の確率で要注意市民ディモンであると思われます」
アーミー権限で傍受した通話の分析結果を告げるスゥにヒュリオは渋い顔で頷いた。
「朝の一件で懲りればいいものを……。
落とし前を付けようってつもりか、三下め」
今朝方、満腹食堂で発生した騒ぎをヒュリオは遠距離から観察していた。
フィオ自らが首を突っ込んだ一件なので、影ながら護衛する身としては派手に支援する訳にもいかないという建前もあるが、フィオがトラブルをどう捌くか見てみたいというヒュリオ自身の思惑もあった。
「裏の顔役とか祭り上げられていい気になりすぎたな。
スゥ、ディモンに鼻薬を嗅がされてる警邏隊分署を調べておいてくれ。
後でマザーに報告する」
「よろしいんですか?」
「ああ、お気に入りの坊やにちょっかい出されたんだ、マザーが雷落としてくれるだろうよ。
ディモンの奴にも、な」
ディモンら裏の顔役と呼ばれる人物たちの事は、アーミーでも把握していた。
彼らが警邏隊上層部と繋がっている事も。
黙認されていたのは、偏に警邏隊への温情である。
マザーをトップとするアーミーと違い、警邏隊は人間たちによって運営されている組織だ。
それ故にというべきか、腐敗もするし、癒着もする。
シヤは人が人である以上、ある程度の悪心もやむなしとお目こぼしを行っていた。
タウン48の女帝は、汚点すらも含めて人の営みを愛する懐深い支配者であった。 基本的には。
無数の小悪党どもが好き勝手に悪事を行うよりも、マフィア化して纏まってくれた方が把握しやすいという理由もある。
そして、度が過ぎた悪党には女帝の処刑斧たるアーミーが降り下ろされるのだ。
「ディモンが終わりなのは確定だが、そこには市民ルースや市民ランディの身の安全までは含まれていない。
友人を助け出せるかどうかは君次第だぞ、少年」
車間距離を保ったまま、二人乗りの三輪バイクの後ろ姿をサイバーアイで捉えながらヒュリオは小さく呟いた。
エリア18。
タウン中心から離れた倉庫街で蒲鉾を想わせる形状の倉庫が立ち並んでいる。
その四番地にディモン所有の倉庫があった。
この倉庫もまた、メイデン達と同じく彼が他人から巻き上げた物件であり、登録上の持ち主はディモンではない。
ディモンは手に入れた倉庫に手を加え、様々な仕掛けを施していた。
不正に入手した物資を隠匿するという目的以外に、この場に引き込んだターゲットを始末する殺し間として使っているのだ。
その最奥、いわば司令室とも言える部屋に満腹食堂の面々は囚われていた。
ボコボコに殴られ、顔中腫らしたルースと店主はそれぞれ手錠を掛けられて床に転がされている。
そしてサクラはディモンに犯されていた。
倉庫内外の様子を映し出す監視カメラの情報端末席に腰を下ろしたディモンは、床に這い蹲った二人に見せつけるような背面座位の姿勢で全裸に剥いたサクラを貫いている。
「あっ♡ がっ♡ あぐっ♡ あぎぃっ♡」
大人しげなおかっぱ少女人形は、普段の奥ゆかしい佇まいを放り出し獣じみた嬌声を上げていた。
「はっはぁっ! ちっこいメイデンはいいねえ! ぎゅうぎゅう締まりやがる!」
「んあぁぁぁっ♡♡♡」
ディモンが大きく体を揺するとサクラは舌を突き出し、仰け反って達する。
激しいエクスタシーにガクガクと体を痙攣させるサクラ。
真紅の瞳は焦点を失い、ぼろぼろと洗浄液をこぼしていた。
「手前ぇっ! 止めやがれっ!」
床に転がされた店主が鼻血と青痣まみれの顔を上げ、ディモンに叫ぶ。
ディモンはニヤつきながら店主を見下ろすと、さらにサクラの体を揺らした。
「へっ、負け犬の遠吠えは気持ちいいねえ!
やめろって言われてもこの通り、サクラちゃんのまんこが離してくれねえんでな!
下手くそのあんたより、俺のちんぽがいいとさ!」
「ぐっ……」
店主は悔しげに顔を歪めた。
実際、サクラがここまで乱れているのを見るのは初めてだ。
勿論、種も仕掛けもある。
メイデンのCPUを侵すウィルスナノマシンアンプルだ。
拳銃型の高圧注射器を用いてサクラに投与されたウィルスは彼女のCPUを侵食し、性感センサーのリミッターを解除してしまっている。
ガバメントからメイデンのCPUアップデートについての指示が出ていたが、民生用メイデンは日々の業務を優先してアップデートを怠る傾向があった。
サクラもまたアップデートを行っておらず、ウィルスを防ぐ事ができなかったのだ。
CPUアップデートの内容について、ガバメントは民間に一切の説明を行っていない。
メイデンのCPUを侵すウィルスを持つ賊の存在などを知らせて社会不安を煽ることもないという判断である。
ウィルスの存在自体を知らない店長からしてみれば、ディモンの言葉を認めざるを得ない状況であった。
「そぅら! どうだ、サクラぁ!」
「ひぎぃっ♡ んあっ♡ あぁぁぁっ♡」
ディモンに突き上げられサクラは完全に正体を無くしたまま、あられもない声を上げて悶え狂う。
清楚な秘唇はドス黒い逸物に押し広げられ、まるで失禁したかのように溢れる潤滑液で椅子の下には水たまりができていた。
「おうっ、いい締まりだぁっ! うぉっ!」
唸るような声と同時に突き上げ、ディモンは精を放った。
主以外の男の精液がサクラの膣肉を灼き、子宮ユニットに染み込んでいく。
「んあぁぁぁーーっ♡♡♡」
サクラが一際高い声を上げると同時に、床に転がった店主の多目的端末がアラート音を鳴らす。
マスターパーティション減少の警告だ。
「あっ……♡ あぐぅっ……♡」
リミッターを切られ、強すぎる快感に晒されたサクラのCPUはついにシャットダウンしてしまう。
ディモンが逸物を引き抜くと、脱力した少女人形の股間からどろりと精液がこぼれ落ちた。
「ちっ、畜生っ、サクラぁ……」
「ははっ、ほうら見やがれ! サクラの中にたんまり出してやったぜ!」
ディモンは店主をあざ笑うと、これ見よがしに射精したてのサクラの秘所を剥き出しにした。
ディモンの逸物を喰わえ込まされたままの形に広がった秘裂の奥から、生々しい音を立てて白濁液が吹き出す様に店主は歯噛みする。
「くくくっ、いい顔だなあ!
もうちょっと遊んでやりてえ所だが、待ち人の到着のようだぜ」
壁際に並べられたモニターのひとつに、三輪バイクから降りるフィオ主従の姿が映っている。
「さぁて、お出迎えと行くか!」
ディモンはシャットダウンしたサクラを店主の隣に放り出すと、上機嫌でズボンを上げた。
「この倉庫か……」
指定された番地にそびえる倉庫を睨みながら、フィオは三輪バイクを停車させた。
「マスター、監視カメラがあります。
こちらの動向は把握されてるようです」
「だろうね、そうじゃないと場所を指定した意味なんてない」
虎穴に入る必要があるのは、あらかじめ判りきった事だ。
「行くよ、フリス」
「はい。 できれば武装ユニットを持ってきたかった所ですけど」
現在のフリスはボディスーツと装甲ブーツのみの姿だ。
「仕方ないよ。
タウンの外へ仕事しに行くわけでもないのに町中で重武装してたら警邏隊に目を付けられる」
フィオの言葉にフリスは不承不承頷くと、彼の前に立って倉庫に向き直った。
貨物搬入用の大扉がこれ見よがしに開いている。
照明は落ちているが、ノクトビジョンを備えたフリスには奥まで見通すことができた。
「倉庫内を区切って部屋を作っているようですね。
奥にドアが見えます」
「そこでお待ちかねって訳か」
フィオは腰の後ろのホルスターからマシンピストルを抜いた。
「フリス、先導を頼む」
「はい!」
フリスをポイントマンとする隊列で踏み込む。
左右に開いた大扉を潜り、広く区切られた室内の中程まで慎重に歩を進めていくと、大扉の内側に仕掛けられた装甲シャッターが轟音と共に降りて退路を塞いた。
「ちっ!」
背後に目を走らせるフィオ。
同時に天井のライトが点灯し、二人を照らし出す。
「はっはぁ! いらっしゃぁい、お二人さん!
ディモンのプレイルームへようこそぉ!」
質の悪いスピーカーから、ひび割れた男の声が陽気に響く。
「そして、お前はさよならだ、フィオちゃぁぁん!」
ディモンの声と同時に、コンクリート製の床が抜けた。
「なぁっ!?」
「マスター!?」
とっさにスラスターを吹かして滞空したフリスは、コンクリ片と共に落下していく主へ手を伸ばす。
だが、その手を阻むように重厚な鉄板が現れた。
横向きに配置された装甲シャッターが新たな床となり、落下したフィオとフリスを分断したのだ。
「はっはぁぁ! だぁい成功っ!」
「マスター! このぉっ!」
フリスは両腕のレーザーを床へと放つ。
だが、着弾点は赤熱化しても貫通しない。
「無駄無駄ぁ! 戦車用の複合装甲材だぜ、大出力レーザーでもすぐにはぶち抜けねえよ!
んでもってぇ、あんたにゃそんな時間はやらねえ!」
奥側の扉が開き、武器を携えたメイデンが四体飛び出してくる。
「……いいでしょう。
まとめて排除して、マスターを救出します!」
フリスはサファイヤの瞳を怒りに煌めかせ、迎撃体勢を取った。
「いってぇ……」
1フロア分落下したフィオは打った尻の痛みに顔をしかめつつ、風を切って迫る刃の音に反応して転がった。
「わぁっ!?」
高速振動ナイフの刃が一瞬前にフィオの首があった空間を横薙ぎにする。
何とか身を起こし、碌な光源もない空間に目を凝らす。
サブマシンガンと高速振動ナイフを携えた、Mフレームのメイデンの姿が見える。
「メイデン……!」
両目を隠す視覚強化センサーを装着した『盾』と呼ばれていたメイデンだ。
天井を装甲シャッターで塞がれ、電灯もない地下でありながら、フィオはそこまで把握できていた。
フィオの五感は常人よりも遙かに鋭敏になっている。
真の漢の能力の一環であろうが、修羅場真っ最中のフィオにはそこまで気を回す余裕はない。
右手に握ったマシンピストルを構えつつ、左手で高速振動ナイフを逆手に握る。
図らずも相手のメイデンと似たようなスタイルで身構えながら、フィオは退路を探していた。
小口径のマシンピストルは対人用で、メイデンに対してはせいぜい目くらましにしかならない。
高速振動ナイフはダメージを与えられる可能性はあるが、本来作業用で刃渡りが短すぎる。
これで人間を超越した運動性能を持つメイデンとチャンバラするなど冗談ではない。
冷や汗を流して周囲を見回すフィオの様子は『盾』からすれば、追いつめられた獲物の悪あがきにすぎない。
『盾』は一足飛びに距離を詰めると前蹴りを放つ。
「ぐぁっ!?」
とっさに防いだ右腕がへし折れる感触と共にフィオは吹き飛ばされ、壁際に積まれたプラスチックコンテナの山に突っ込む。
崩れたコンテナからパウチに入ったレトルト食品のパックが少年の上に降り注ぐ。
コンテナとパックに埋もれ、動きが止まったフィオの額を3点バーストの9ミリ弾が貫いた。
殺った。
サブマシンガンで少年の頭を撃ち抜いた『盾』の確信は即座に裏切られた。
「うっ、おぉぉっ!」
額から血を吹きこぼした少年は、血走った目を見開いてレトルトパックを蹴り飛ばすと高速振動ナイフを構えて立ち上がった。
少年が頭蓋骨に防弾用装甲を仕込んでいたという可能性を『盾』は瞬時に否定する。
着弾時に弾丸は貫通しており、後頭部から血と脳漿が吹き出す様も確認したのだ。
脳に致命的な損傷を負ったはずなのに立ち上がる少年、理解不能な存在だ。
『盾』はそれ以上の分析を止めた。
判らない事について考えるよりも、ナイフをかざしてこちらへ迫る少年の排除が先だ。
サブマシンガンをその場に落とし、腰のホルスターに下げたもう一丁の銃を引き抜く。
異常に機関部が大きい、奇妙な拳銃だ。
20ミリ対メイデン拳銃、乙女殺し。
重火器の使用が制限されるタウン内で、メイデンを破壊しうる小型装備として作られた密造銃である。
『盾』は機関部の脇から飛び出したボルトハンドルを引いてペットボトル大の巨大な弾丸を装填する。
拳銃サイズに納めるには無理がありすぎる弾頭を使用するため、機関部は頑丈でシンプルなボルトアクション機構が採用されていた。
「がぁぁぁっ!」
額から血を流し、獣のような彷徨と共に飛びかかる少年へ、乙女殺しを向ける。
発砲。
20ミリ弾はメイデンのナノスキンコートすら貫通し、重大な損傷を与えることができる。
銃身がほとんどないため、本来使用すべき機関砲などに比べれば威力は下がっているものの、そんなものを人間に対して撃てばどうなるか。
腹部に着弾した20ミリ弾は少年の腹腔を丸ごと吹き飛ばす。
肉片と内臓を後方へとまき散らしつつ、分断された少年の下半身と胸から上は湿った音を立てて床に転がった。
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颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
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