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己の拳を躱せる人間などおらず、叩き込めばメイデンですら打ち倒す事ができる。
これまでの人生でマイザーの中に培われてきたその価値観は、あっさりと覆されていた。
「ふむ、いかんね、いかん」
痩身の初老男は嘆かわしいと言わんばかりの口調と共に、繰り出される拳を捌き続ける。
当たらない、何故だ。
マイザーの胸の中で焦燥が募る。
こいつの一撃を受けてから、シコンはまだ立ち上がれないでいる。
相棒の元へ駆けつけるには、まずこいつを排除せねばならないというのに必殺の拳が当たらないのだ。
「ダメだね、君。 そんなブンブン振り回すだけじゃあ出来損ないの扇風機みたいだよ。
ちゃんと鍛錬積んでるのかい?」
「何っ!」
明らかなからかいにマイザーは唇を噛む。
デッドマンに言われるまでもなく鍛錬は積んでいる。
タウンの資料室に蓄えられた過去の武道家の貴重な資料映像を元にその動きをトレースしているのだ。
千年以上前の武道家達の技法はデータベースにある限り、全て見て取ったとの自負がある。
だが、デッドマンは軽く笑い飛ばした。
「見様見真似の猿回しだ。
ちゃんとした師にも付いた事がない、そんな拳じゃ私に届きはしないよ?」
「ふざけた事をっ、黙れぇ!」
繰り出した蹴りは十字に組んだ腕で阻まれる。
マイザーは蹴りの反動を使ったバックステップで距離を取った。 左足を敵に向けて腰を落とし、大きく体を開いて半身に構える。
反応できないほど高速の一撃を叩き込んでやる。
「ふっ!」
左膝を沈めつつ、後に引いた右足で地を蹴る。
軸となった左足が鋭く回転し、膝を伸ばす。
右足が生んだ推進力に左足からの追加が加わり、マイザーの体は突き出した右拳を鏃に矢の如くデッドマンへ迫る。
「八極拳の箭疾歩か、猿真似にしては上等だが!」
デッドマンの左腕が旋回し、疾風の拳を弾いた。
己の速度を上回るデッドマンの動作にマイザーは目を見張る。
その胸板に、ふわりと浮いた左右の革靴が連続で叩き込まれた。
跳躍からの二連蹴り、連環腿だ。
「ぐはっ!?」
ばきりと、体の中から響いた異音を聞きながら、マイザーは宙を舞う。
地に叩き付けられると同時に、彼の口から血の雫が溢れた。
「ま、見様見真似じゃこの程度だね」
デッドマンは悠々と付いてもいない埃をはたいて見せると、マイザーに笑いかけた。
「ぐっ……き、貴様ぁ……」
マイザーは立ち上がれない。
彼の強靱な肉体は経験したことのない打撃に打ちのめされていた。
へし折れた肋骨が肺に突き立ち、呼吸を阻害する。
心臓に刺さらなかっただけマシではあるが、マイザーは身を起こす事すら不可能だ。
「ふむ、その程度で済んでいるとは丈夫なもんだ、内臓ミンチにしてやるつもりの蹴りだったんだがね?
とはいえ、我らが同類というにはやや落ちる。
察するに、成りかけといった所かな?」
デッドマンは倒れたマイザーの苦悶に歪む顔を覗き込み、どこか楽しげに語りかける。
「成り、かけ……?」
マイザーには理解の出来ない話だ。
「そうとも、君は蛹、蝶になる前の蛹だよ。
真の漢という名の蝶にね」
「何を、言っている……」
デッドマンはマイザーの困惑に訳知り顔で頷いた。
「なるほど、なるほど、やはり君たちにも知らされていない、と。
アーミーと言えば懐刀だろうに、マザーの秘密主義ときたら嫌になるねえ」
「マザーを愚弄するな……っ!」
「君たち自身の事もきちんと教えてくれない相手に仕え続けるのもどうかと思うがねえ。
まあ、そういう風に」
言葉の途中でデッドマンはひょいと身を屈める。
寸前まで彼の上半身があった空間を7.62ミリのライフル弾が駆け抜けた。
ジェネレーターに痛打を食らったシコンがコンデンサの備蓄電力による稼働に切り替えて身を起こし、腰だめに構えた軽機関銃を掃射している。
「人の話を邪魔するんじゃないよ、人形!」
苛立たしげに吐き捨てたデッドマンは鋭く床を蹴ると、軽機関銃の弾幕の隙間を縫うように疾走した。
一蹴りの跳躍で高く跳ね上がると、天井をも足場とする立体的な機動でシコンの狙いを惑わす。
銃弾の回避はマイザー自身も得意とする所だが、その彼を持ってして舌を巻くほどの身のこなしでシコンに迫ると、掬い上げるような蹴りを放った。
「うあっ!?」
軽々と蹴り上げられ下水道の天井にぶち当たったシコンが落下する所へ、デッドマンは双掌打を合わせた。
不意打ちのダメージで未だ正常稼働していないジェネレーターに止めを刺すかのように、シコンの豊かな胸に両の掌が吸い込まれる。
とても掌が発するとは思えない戦車砲の着弾音めいた轟音と共に、シコンの機体は下水道の壁に叩き付けられた。
「うっ……ぐぅ……」
壁に半ば埋まりながらも握った軽機関銃を持ち上げようとするシコンの顎をデッドマンの手が持ち上げる。
「しぶといねえ、ちょっと借りるよ!」
シコンの顔を覗き込みながら囁いたデッドマンは、背後の武装アームに手を伸ばし搭載されたオートショットガンを引き千切るようにもぎ取った。
くるりと手の中で回転させ銃把を握る。
「君らをぶん殴ると手の方が痛いからね」
シコンの顎を左手で掴んだまま、無造作に引き金を引く。
デッドマンは鼻歌を歌うような気軽さで装填された大口径スラッグ弾18発を続けざまに発射した。
「うあぁっ!?」
至近距離から連射を浴びせられ、シコンは身動きもできないまま悲鳴を上げる。
残弾を全て撃ち尽くすと、デッドマンはマイザーの目の前に襤褸切れのようになったシコンを放り投げた。
「シコン!」
相棒の無惨な姿にマイザーは息を呑む。
ほとんど密着するような銃撃はシコンの機体に重大な損傷を与えていた。
ナノスキンコートで覆われたメイデンといえど、至近距離からの対装甲用大口径スラッグ弾の前には耐える事ができない。
とっさに四肢を丸めて胴を庇った結果、盾となった両腕はフレームまで達するダメージに砕け左右とも肘から千切れ落ちた。
装甲ブーツに覆われた脚部は腕に比べれば原型を残しているが、歪に凹んで機能停止したブーツはすでに拘束具にしかならない。
「く、うぅ……」
双掌打のダメージでジェネレーターが緊急停止しコンデンサに蓄えられた残存電力で辛うじて稼働するシコンは、手足を破損しながらも何とか身を起こそうともがく。
デッドマンは弾切れのショットガンで自分の肩を叩きながら悠々と歩み寄ると、機体の損傷とは裏腹に傷一つ無いシコンの美貌を革靴で踏みつけた。
「うぁっ!?」
「全く、話の途中だというのに……。
タウンの人形は躾がなってないから困る」
「シコンっ! 貴様ぁ……っ!」
血の泡の混じった咳と共に吐き出したマイザーの怒声をデッドマンは素知らぬ顔で聞き流す。
「さて、どこまで話したんだったか……。
そうそう、君らの処遇の辺りだったな。
君、真の漢というものについて知ってるかね?」
「そんなもの、知るか……!」
犯罪者と語る舌などない。
マイザーはデッドマンの問いを切って捨てる。
「つれないねぇ。
この状況でその態度はいかにもアーミーらしいけど、どうにも勘に触るね」
デッドマンは呆れ顔で苦笑すると踏みつけていたシコンの首を左手で掴むと、片手で釣り上げるように持ち上げた。
両腕を失ったとはいえ金属フレームのために重たいメイデンを腕一本で扱う膂力は、細身の体格には似つかわしくないパワフルさだ。
「君に節度を教えてやるには、どうしたらいいだろうね?
この人形で遊んでみるのがいいのかな?」
「やめろっ、シコンを離せ!」
血の混じった咳を吐き出しながら身を捩るマイザーを見下ろし、デッドマンは頬を歪める。
温厚な紳士めいた風貌だけに、悪意の混じった表情は醜悪であった。
「マザーのやる事は変わらないねえ。
人形を餌にアーミーの心を釣る、いつでもどこでもワンパターンだ。
所詮、機械仕掛けの紛い物だね」
低く嘲笑を漏らしながら、デッドマンは片手で釣り上げたシコンの胸を鷲掴みにした。
「くぅっ、このぉ……っ!」
シコンの豊かな胸の中のジェネレーターはデッドマンの打撃を二度叩き込まれ緊急停止し再起動もままならない。
メイデンを軽々と持ち上げるデッドマンを振りほどくには、コンデンサに残った備蓄電力だけでは心許ない。
反撃のチャンスが訪れた時のため、シコンは屈辱に耐えて電力の温存を選択した。
だが、性感センサーのリミッターが外れているシコンの機体は、無遠慮に胸を揉みほぐされていると徐々に頬に赤みが刺すのを抑える事ができない。
「んん? 中々に反応がいいね?
察するに成りかけながら、メイデンのリミッターを外す事はできたという所かね?」
デッドマンは納得したように一人頷くと、メイデンスーツの上からめり込ませるように股間を指先で強く撫で上げた。
「んくぅっ♡」
仰け反ったシコンの口から快感の呻きが漏れ、声を出した本人が驚いたかのように目を見張った。
「はははっ、主が見ている前だというのに随分いやらしい人形だね!」
「なっ、何をっ! 私は……あうぅっ♡」
嘲笑うデッドマンにむきになって反論しようとするシコンであったが、メイデンスーツの股間をずらして指を差し込まれ、紛れもなく甘い声を出してしまう。
デッドマンは戦乙女の秘唇にねじ込んだ人差し指と中指を鍵盤を叩くかのように動かし、纏わり付く膣肉を掻き回した。
「あっ♡ くっ♡ やっ、やめてっ♡」
主の目の前だというのに、性感センサーのリミッターが外れたシコンは敏感な箇所に与えられる刺激に嬌声を抑えることができない。
「シコンっ! くそっ、貴様ぁ!」
「中々いい感じにできあがってるじゃあないか、随分可愛がってやっているようだね、青年?
ここはひとつ、おじさんが仕上げをやってあげるとしよう!」
デッドマンはニヤリと笑うとズボンのベルトを緩め、逸物を取り出した。
釣り上げられたシコンの顔が恐怖に歪む。
「やっ、やめてっ! それはダメぇっ!」
「はっはっはっ! 君の意見は聞いていないよ、人形!」
デッドマンはシコンの首を掴んで釣り上げたまま、己の右肩に破損した装甲ブーツに拘束されたメイデンの左足を載せる。
縦に大きく股を開かされ、メイデンスーツをずらされたシコンの秘唇が露わになった。
潤んでしまっているそこを、デッドマンは無造作に逸物で貫き通す。
「ひっ!?」
主以外を受け入れた事のない場所を一瞬で制圧され、シコンは引き攣った声を上げる。
だが、奥深くまで貫かれてしまった媚肉の方は、驚愕と嫌悪に硬直するCPUとは裏腹に従順に侵入者に絡みついていく。
「おぉ、紛い物の癖してよく絡む……。
たまには人形を抱くのも悪くないね!」
デッドマンはシコンの具合に唸ると、ゆっくりとピストンを開始した。
「ひっ♡ やっ♡ いやっ♡ いやぁぁっ♡」
否定の声は隠しようもなく甘い。
デッドマンの逸物は細身の体格とは裏腹に大きく太いが、常識の範囲でありマイザーの逸物と概ね大差はない。
だが、そのエラの張り出しが全く違う。
マイザーの逸物が肉の槍ならば、デッドマンの逸物は肉の十字槍かハルバードか。
大きすぎる程に張り出したエラが抜き差しされる度にシコンの膣壁を容赦なく削り上げ、圧倒的な快楽情報をCPUへと流し込んだ。
「シ、シコン……っ!」
目の前で犯され快楽の喘ぎを漏らしてしまう相棒の名を、マイザーはいつもの鉄面皮が抜け落ちたかのような蒼白な顔で呼ぶ。
「マ、マスターっ♡ こんなっ、こんなのっ♡ いやっ♡ 私っ♡ いやぁっ♡
たすけっ♡ たすけてっ♡ マスターっ♡」
シコンの瞳からは洗浄液がこぼれ落ち、勝ち気な美貌を歪ませて主へ助けを求める。
無力なマスターに見せつけるかのように、デッドマンは腰の動きを早めた。
「さあ仕上げだ! お前の役割を思い出せ、人形!」
「やめろっ! 貴様ぁぁっ!」
マイザーの叫びを聞き流したデッドマンは一際鋭く腰を叩き付けてると、怒濤の勢いで精を放った。
「やだぁぁっ♡ いやぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
否定の叫びは半ばから絶頂の嬌声へと変わる。
シコンの子宮ユニットは主以外の精液を注がれ、そのDNAを分析し、相手が何者であるかを確認した後に、機体に秘された隠匿情報を開示した。
「なにこれっ、なにこれぇっ♡」
子宮ユニットに染み込む精の感触と同時に己の中から湧き出してきた情報にシコンのCPUは圧倒され、混乱の声をあげる。
同時にマイザーの左腕で多目的端末が鋭い警告音を発した。
「なっ、ば、馬鹿な!?」
警告のホログラフ表示に目を向けたマイザーは、シコンのマスターパーティションポイントが一瞬にして大きく削られている事を確認し驚愕の声を上げる。
シコンの子宮ユニットへ熱い精を注ぎ終えたデッドマンは、逸物を抜かずそのまま第二ラウンドとばかりに腰を動かし始めた。
「自分が何仕えるべきか理解したかね、人形?
お前達の主は私たち、真の漢だよ!」
「ちっ、ちがっ♡ ちがうぅっ♡ 私のマスターはっ♡ お前じゃないぃっ♡」
焦げ茶の放熱髪を振り乱して首を振り、シコンは必死にデッドマンの言葉を否定する。
だが、彼女の機体は己を貫く肉棒の持ち主が真の漢であると知り、マスターパーティションポイントが残った状態でありながら従順な奉仕を開始してしまう。
主に対するが如くシコンの膣肉はきゅうきゅうと吸い付き、新たな精を求めて肉槍を締め上げる。
聞き分けのないメイデンを躾けるかのように荒々しく抜き差しされる逸物はシコンの蜜壺をそのエラで蹂躙し、注がれたての精液と溢れて止まらない潤滑液が混じり合った混合液が周囲に飛び散った。
「あひっ♡ ひぃっ♡ んあぁっ♡」
「一発だけじゃまだ躾が足りないかな?
それじゃあ、お代わりといこうか!」
最早シコンの機体に抵抗力はない。
デッドマンはシコンの首を掴んでいた手を外すと豊かなヒップに両腕を回し、貫いたまま抱え上げた。
駅弁の姿勢に、彼女自身の体重が肉槍を奥深くまで突き通させる。
「んあぁぁぁっ♡♡♡」
子宮ユニットを穿つほどの衝撃にシコンは再び絶頂し、デッドマンの逸物を咥え込んだ秘裂から飛沫のような潤滑液が迸った。
「シ、シコン……」
マイザーはむっちりとした尻肉をびくびくと震わせ、精液混じりの潤滑液を垂れ流す相棒の姿に言葉も出ない。
デッドマンが知っているはずもない話だが、駅弁スタイルはマイザーが好んで行う体位だ。 勝ち気で強気な相棒を女性側に反撃を許さない体位で責め立て、屈服させるのは彼らの夜の営みの常であった。
その相棒とだけの秘密を踏みにじられている。
「だっ、だめっ♡ この格好はだめぇっ♡ この格好で貴方の精液出されたらぁっ♡」
絶頂の余韻を必死で剥ぎ取りながら訴えるシコンの言葉を、デッドマンは無情に切り捨てる。
「君に選択権などないよ、人形。 さあ腹一杯に受け取りたまえ!」
荒々しくグラマラスな女体を上下させると同時に、デッドマンは震脚を思わせるような勢いで腰を突き上げた。
「おっ♡♡」
肉槍の穂先がシコンの子宮口を穿ち、瞳が半ばひっくり返る。
ゼロ距離で発射された二発目の精液が子宮ユニットの奥で跳ね返って飛び散り、隅々にまで染み込んでいく。
「ひぁぁぁっ♡♡♡」
悲鳴のような絶頂の嬌声は不意に途切れた。
シコンのCPUは圧倒的すぎる快楽情報に打ちのめされ、シャットダウンしてしまったのだ。
「む、堪え性のない……。 これだから人形は」
デッドマンは興が削がれたように吐き捨てると、シャットダウンしたシコンの機体をマイザーの目の前に放り出した。
「シコンっ!」
倒れ伏したマイザーの目の前に投げ出されたシコンは白目を剥き、口からは舌をはみ出させ、涎と涙と鼻汁に塗れており、普段の勝ち気な美貌からはかけ離れた有様であった。
デッドマンは再起動していないシコンの腰を掴むと尻を高くあげる姿勢を取らせる。
両腕を失ったシコンは乱れきった表情の顔を床に押しつけた土下座のような姿勢のまま、背後から貫かれた。
「まだするのかっ! もういい加減にしろっ!」
「もちろん、まだだとも。
この人形、まだ君の管理下のままだろう?」
デッドマンの言葉に、マイザーは警告音を鳴らし続ける多目的端末に目を走らせた。
もう70%を切っている。
「な、なんなんだ、貴様はっ! なぜこんなに簡単にマスターパーティションを奪える!」
「真の漢だと言ってるだろう、少しは覚えたまえ、君」
デッドマンは呆れたように言いながら、意識のないシコンの蜜壺を後背位で愉しむ。
「一体なんなんだ、その真の漢というのは……」
怒りと衝撃を噛み殺しながら、マイザーは震え声でデッドマンに問うた。
「そうだね、今必要な部分だけで言うならば……。
メイデンの本当の主という事さ。
君のような成りかけとは雄として物が違う!」
デッドマンはシコンのむっちりとした尻たぶに平手を叩き付けた。
スパンキングの衝撃からか、シコンのCPUは再起動し瞳に光が戻る。
「うぁ……っ♡ あっ♡ な、なにっ♡ 私っ、何されてるのっ♡」
犯されながらの再起動で困惑の喘ぎを漏らすシコンにデッドマンは囁きかけた。
「彼の見ている前で、君のマスターパーティションを書き換えるのさ、彼から私に。
さあ、ご主人に言うお別れの言葉を考えるんだ、人形」
「そっ、そんなっ、あうぅっ♡」
背後からずんずんと突き込まれ、シコンは主の目の前だというのに快楽に歪んだ顔を晒してしまう。
マイザーはそんな相棒に必死に呼びかけた。
「シコン! しっかりしろ、シコン!」
「マ、マスターっ、ごめんなさいっ♡ 私っ、もうだめっ♡
これ以上この方の精液を頂いてしまったらっ♡ 私っ、墜ちちゃうっ♡ 墜とされちゃうぅっ♡」
「はははっ、よく理解してるじゃないか人形! さあもう一発だ!」
デッドマンはシコンの尻をひとつ引っぱたくと、一際強く腰を突き込んだ。
「ひぃんっ♡」
媚びたような声をあげるシコンの奥底で、デッドマンの射精が三度炸裂する。
「あぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
シコンの子宮ユニットを大量の精液が埋め尽くし、制圧する。
膣内に迸る精の熱さに、シコンは背と尻を激しく震わせながら絶頂した。
「あっ♡ ひっ♡ はひぃっ♡」
マイザーの目の前で、シコンは彼が見た事もないような無様なアヘ顔で続けざまに達している。
「ふぅ……。 さて、どんなもんかな?」
ひとしきり出し終えたデッドマンは、憤怒の表情で唇を噛み締めているマイザーの左手首に目を走らせた。
「おや、ジャスト50か、もう一発必要だったかな」
呑気な口調で呟くと、ひくひくと痙攣するシコンの尻たぶを鷲掴みにして再度腰を動かし始める。
「んはぁっ♡」
「いい加減にしろっ! それ以上シコンを汚すなっ!」
「ほう、ならば君自身が身代わりになるかね?」
「な、なんだと?」
思いもよらない提案にマイザーは絶句した。
「私は元々人形よりもそっちが趣味でね。
ついでに言うとレイプなぞ大嫌いな純愛派なのさ。
君が自らの意思で尻を私に捧げてくれるというのならば、こんな人形遊びなどする事もないのだがね」
シコンを激しくレイプしておきながらのうのうと言ってのけるデッドマンをマイザーは火を噴きそうな目で睨み付けた。
「馬鹿な事を言うな!」
「至って大真面目さ。
君は見所がある、そういう若者は私は愛しく思うんだよ。
どうだい、マザーなんか捨てて、こっちに来ないかい?
私の元に来るのなら、君のお人形を返してやってもいいんだよ?」
「くっ……」
勝手な言い様にマイザーは唇を噛んだ。
苦悩するマイザーを面白そうに見下ろしつつ腰を振るデッドマンであったが、不意に表情を引き締めると鋭く床を蹴ってバックステップする。
「はくぅぅんっ♡♡」
乱暴に肉槍を引き抜かれた衝撃で、高々と尻をあげたままのシコンは無様な嬌声と共に達する。
デッドマンの逸物の太さのままにぱっくりと開いた秘唇から、注ぎ込まれた精液が噴水のように噴き出した。
アヘ顔精液噴水と化したシコンはエクスタシーの余り再びシャットダウンしてしまう。
同時にサプレッサーで抑えた発砲音が響き、ライフル弾が一瞬前までデッドマンの頭があった空間を貫いていく。
「警告なしで発砲とは酷くないかね?」
逸物をズボンに仕舞いながら苦情を漏らすデッドマンに、暗がりから冷えた声が応じた。
「同僚のヘッドハンティングは見過ごせないんでね」
暗がりの中でスナイパーライフルのボルトを引く音が響く。
デッドマンは大きなゼスチャーで肩を竦めた。
「もう一組アーミーが出てくるとは間が悪いもんだ。
仕方ない、ここは退散させてもらおうか」
「させるかよ」
銃声が響く。
だが、デッドマンは発砲の瞬間が見えているかのように射線から体をずらして躱すと、一目散に逃走に移った。
「アディオスだよ、青年! 良ければ私の勧誘に乗ってくれると嬉しいな!」
「何が勧誘だ、質の悪い強要じゃねえか」
吐き捨てるような呟きと共に、重々しい足音が暗がりから歩み寄ってくる。
「ヒュリオ……」
スナイパーライフルを携えたサイボーグ戦士の姿に、マイザーは自分でも思いもよらないほどに安堵していた。
「酷い目にあったな、マイザー。 すぐに手当する」
「いや、自分はいい。 それよりもシコンを」
「判ってるさ。 スゥ、そっちを頼む」
「は、はい!」
尻を高くあげた姿勢のまま精液を垂れ流しつつ痙攣しているシコンの有様に、スゥは一瞬絶句したが慌てて彼女の介抱を開始した。
「君らをこんな目に遭わせる奴がいるとはな、アウトローも油断ならん」
マイザーの傷を確かめたヒュリオは精悍な眉を寄せた。
「これは開腹手術が必要だな……。 この場ではどうにもならん。
スゥ、マイザーとシコンを連れてガバメントまで戻ってくれ」
「は、はい。 マスターはどうされるんです?」
「オレはターゲットを追う。 オレ達の任務はあの少年の監視と護衛だ。
アウトローと絡んでる暇はない」
じろりとヒュリオに睨まれ、マイザーは目を伏せる。
「面目ない……」
「少しは本気で面目なさそうな顔ができるようになったな。
まあ、若いうちは負けを経験するのも悪くないさ。
今回は酷くやられすぎたが」
無惨な状況のシコンにちらりと目を向け、ヒュリオは痛ましげに溜息を吐いた。
これまでの人生でマイザーの中に培われてきたその価値観は、あっさりと覆されていた。
「ふむ、いかんね、いかん」
痩身の初老男は嘆かわしいと言わんばかりの口調と共に、繰り出される拳を捌き続ける。
当たらない、何故だ。
マイザーの胸の中で焦燥が募る。
こいつの一撃を受けてから、シコンはまだ立ち上がれないでいる。
相棒の元へ駆けつけるには、まずこいつを排除せねばならないというのに必殺の拳が当たらないのだ。
「ダメだね、君。 そんなブンブン振り回すだけじゃあ出来損ないの扇風機みたいだよ。
ちゃんと鍛錬積んでるのかい?」
「何っ!」
明らかなからかいにマイザーは唇を噛む。
デッドマンに言われるまでもなく鍛錬は積んでいる。
タウンの資料室に蓄えられた過去の武道家の貴重な資料映像を元にその動きをトレースしているのだ。
千年以上前の武道家達の技法はデータベースにある限り、全て見て取ったとの自負がある。
だが、デッドマンは軽く笑い飛ばした。
「見様見真似の猿回しだ。
ちゃんとした師にも付いた事がない、そんな拳じゃ私に届きはしないよ?」
「ふざけた事をっ、黙れぇ!」
繰り出した蹴りは十字に組んだ腕で阻まれる。
マイザーは蹴りの反動を使ったバックステップで距離を取った。 左足を敵に向けて腰を落とし、大きく体を開いて半身に構える。
反応できないほど高速の一撃を叩き込んでやる。
「ふっ!」
左膝を沈めつつ、後に引いた右足で地を蹴る。
軸となった左足が鋭く回転し、膝を伸ばす。
右足が生んだ推進力に左足からの追加が加わり、マイザーの体は突き出した右拳を鏃に矢の如くデッドマンへ迫る。
「八極拳の箭疾歩か、猿真似にしては上等だが!」
デッドマンの左腕が旋回し、疾風の拳を弾いた。
己の速度を上回るデッドマンの動作にマイザーは目を見張る。
その胸板に、ふわりと浮いた左右の革靴が連続で叩き込まれた。
跳躍からの二連蹴り、連環腿だ。
「ぐはっ!?」
ばきりと、体の中から響いた異音を聞きながら、マイザーは宙を舞う。
地に叩き付けられると同時に、彼の口から血の雫が溢れた。
「ま、見様見真似じゃこの程度だね」
デッドマンは悠々と付いてもいない埃をはたいて見せると、マイザーに笑いかけた。
「ぐっ……き、貴様ぁ……」
マイザーは立ち上がれない。
彼の強靱な肉体は経験したことのない打撃に打ちのめされていた。
へし折れた肋骨が肺に突き立ち、呼吸を阻害する。
心臓に刺さらなかっただけマシではあるが、マイザーは身を起こす事すら不可能だ。
「ふむ、その程度で済んでいるとは丈夫なもんだ、内臓ミンチにしてやるつもりの蹴りだったんだがね?
とはいえ、我らが同類というにはやや落ちる。
察するに、成りかけといった所かな?」
デッドマンは倒れたマイザーの苦悶に歪む顔を覗き込み、どこか楽しげに語りかける。
「成り、かけ……?」
マイザーには理解の出来ない話だ。
「そうとも、君は蛹、蝶になる前の蛹だよ。
真の漢という名の蝶にね」
「何を、言っている……」
デッドマンはマイザーの困惑に訳知り顔で頷いた。
「なるほど、なるほど、やはり君たちにも知らされていない、と。
アーミーと言えば懐刀だろうに、マザーの秘密主義ときたら嫌になるねえ」
「マザーを愚弄するな……っ!」
「君たち自身の事もきちんと教えてくれない相手に仕え続けるのもどうかと思うがねえ。
まあ、そういう風に」
言葉の途中でデッドマンはひょいと身を屈める。
寸前まで彼の上半身があった空間を7.62ミリのライフル弾が駆け抜けた。
ジェネレーターに痛打を食らったシコンがコンデンサの備蓄電力による稼働に切り替えて身を起こし、腰だめに構えた軽機関銃を掃射している。
「人の話を邪魔するんじゃないよ、人形!」
苛立たしげに吐き捨てたデッドマンは鋭く床を蹴ると、軽機関銃の弾幕の隙間を縫うように疾走した。
一蹴りの跳躍で高く跳ね上がると、天井をも足場とする立体的な機動でシコンの狙いを惑わす。
銃弾の回避はマイザー自身も得意とする所だが、その彼を持ってして舌を巻くほどの身のこなしでシコンに迫ると、掬い上げるような蹴りを放った。
「うあっ!?」
軽々と蹴り上げられ下水道の天井にぶち当たったシコンが落下する所へ、デッドマンは双掌打を合わせた。
不意打ちのダメージで未だ正常稼働していないジェネレーターに止めを刺すかのように、シコンの豊かな胸に両の掌が吸い込まれる。
とても掌が発するとは思えない戦車砲の着弾音めいた轟音と共に、シコンの機体は下水道の壁に叩き付けられた。
「うっ……ぐぅ……」
壁に半ば埋まりながらも握った軽機関銃を持ち上げようとするシコンの顎をデッドマンの手が持ち上げる。
「しぶといねえ、ちょっと借りるよ!」
シコンの顔を覗き込みながら囁いたデッドマンは、背後の武装アームに手を伸ばし搭載されたオートショットガンを引き千切るようにもぎ取った。
くるりと手の中で回転させ銃把を握る。
「君らをぶん殴ると手の方が痛いからね」
シコンの顎を左手で掴んだまま、無造作に引き金を引く。
デッドマンは鼻歌を歌うような気軽さで装填された大口径スラッグ弾18発を続けざまに発射した。
「うあぁっ!?」
至近距離から連射を浴びせられ、シコンは身動きもできないまま悲鳴を上げる。
残弾を全て撃ち尽くすと、デッドマンはマイザーの目の前に襤褸切れのようになったシコンを放り投げた。
「シコン!」
相棒の無惨な姿にマイザーは息を呑む。
ほとんど密着するような銃撃はシコンの機体に重大な損傷を与えていた。
ナノスキンコートで覆われたメイデンといえど、至近距離からの対装甲用大口径スラッグ弾の前には耐える事ができない。
とっさに四肢を丸めて胴を庇った結果、盾となった両腕はフレームまで達するダメージに砕け左右とも肘から千切れ落ちた。
装甲ブーツに覆われた脚部は腕に比べれば原型を残しているが、歪に凹んで機能停止したブーツはすでに拘束具にしかならない。
「く、うぅ……」
双掌打のダメージでジェネレーターが緊急停止しコンデンサに蓄えられた残存電力で辛うじて稼働するシコンは、手足を破損しながらも何とか身を起こそうともがく。
デッドマンは弾切れのショットガンで自分の肩を叩きながら悠々と歩み寄ると、機体の損傷とは裏腹に傷一つ無いシコンの美貌を革靴で踏みつけた。
「うぁっ!?」
「全く、話の途中だというのに……。
タウンの人形は躾がなってないから困る」
「シコンっ! 貴様ぁ……っ!」
血の泡の混じった咳と共に吐き出したマイザーの怒声をデッドマンは素知らぬ顔で聞き流す。
「さて、どこまで話したんだったか……。
そうそう、君らの処遇の辺りだったな。
君、真の漢というものについて知ってるかね?」
「そんなもの、知るか……!」
犯罪者と語る舌などない。
マイザーはデッドマンの問いを切って捨てる。
「つれないねぇ。
この状況でその態度はいかにもアーミーらしいけど、どうにも勘に触るね」
デッドマンは呆れ顔で苦笑すると踏みつけていたシコンの首を左手で掴むと、片手で釣り上げるように持ち上げた。
両腕を失ったとはいえ金属フレームのために重たいメイデンを腕一本で扱う膂力は、細身の体格には似つかわしくないパワフルさだ。
「君に節度を教えてやるには、どうしたらいいだろうね?
この人形で遊んでみるのがいいのかな?」
「やめろっ、シコンを離せ!」
血の混じった咳を吐き出しながら身を捩るマイザーを見下ろし、デッドマンは頬を歪める。
温厚な紳士めいた風貌だけに、悪意の混じった表情は醜悪であった。
「マザーのやる事は変わらないねえ。
人形を餌にアーミーの心を釣る、いつでもどこでもワンパターンだ。
所詮、機械仕掛けの紛い物だね」
低く嘲笑を漏らしながら、デッドマンは片手で釣り上げたシコンの胸を鷲掴みにした。
「くぅっ、このぉ……っ!」
シコンの豊かな胸の中のジェネレーターはデッドマンの打撃を二度叩き込まれ緊急停止し再起動もままならない。
メイデンを軽々と持ち上げるデッドマンを振りほどくには、コンデンサに残った備蓄電力だけでは心許ない。
反撃のチャンスが訪れた時のため、シコンは屈辱に耐えて電力の温存を選択した。
だが、性感センサーのリミッターが外れているシコンの機体は、無遠慮に胸を揉みほぐされていると徐々に頬に赤みが刺すのを抑える事ができない。
「んん? 中々に反応がいいね?
察するに成りかけながら、メイデンのリミッターを外す事はできたという所かね?」
デッドマンは納得したように一人頷くと、メイデンスーツの上からめり込ませるように股間を指先で強く撫で上げた。
「んくぅっ♡」
仰け反ったシコンの口から快感の呻きが漏れ、声を出した本人が驚いたかのように目を見張った。
「はははっ、主が見ている前だというのに随分いやらしい人形だね!」
「なっ、何をっ! 私は……あうぅっ♡」
嘲笑うデッドマンにむきになって反論しようとするシコンであったが、メイデンスーツの股間をずらして指を差し込まれ、紛れもなく甘い声を出してしまう。
デッドマンは戦乙女の秘唇にねじ込んだ人差し指と中指を鍵盤を叩くかのように動かし、纏わり付く膣肉を掻き回した。
「あっ♡ くっ♡ やっ、やめてっ♡」
主の目の前だというのに、性感センサーのリミッターが外れたシコンは敏感な箇所に与えられる刺激に嬌声を抑えることができない。
「シコンっ! くそっ、貴様ぁ!」
「中々いい感じにできあがってるじゃあないか、随分可愛がってやっているようだね、青年?
ここはひとつ、おじさんが仕上げをやってあげるとしよう!」
デッドマンはニヤリと笑うとズボンのベルトを緩め、逸物を取り出した。
釣り上げられたシコンの顔が恐怖に歪む。
「やっ、やめてっ! それはダメぇっ!」
「はっはっはっ! 君の意見は聞いていないよ、人形!」
デッドマンはシコンの首を掴んで釣り上げたまま、己の右肩に破損した装甲ブーツに拘束されたメイデンの左足を載せる。
縦に大きく股を開かされ、メイデンスーツをずらされたシコンの秘唇が露わになった。
潤んでしまっているそこを、デッドマンは無造作に逸物で貫き通す。
「ひっ!?」
主以外を受け入れた事のない場所を一瞬で制圧され、シコンは引き攣った声を上げる。
だが、奥深くまで貫かれてしまった媚肉の方は、驚愕と嫌悪に硬直するCPUとは裏腹に従順に侵入者に絡みついていく。
「おぉ、紛い物の癖してよく絡む……。
たまには人形を抱くのも悪くないね!」
デッドマンはシコンの具合に唸ると、ゆっくりとピストンを開始した。
「ひっ♡ やっ♡ いやっ♡ いやぁぁっ♡」
否定の声は隠しようもなく甘い。
デッドマンの逸物は細身の体格とは裏腹に大きく太いが、常識の範囲でありマイザーの逸物と概ね大差はない。
だが、そのエラの張り出しが全く違う。
マイザーの逸物が肉の槍ならば、デッドマンの逸物は肉の十字槍かハルバードか。
大きすぎる程に張り出したエラが抜き差しされる度にシコンの膣壁を容赦なく削り上げ、圧倒的な快楽情報をCPUへと流し込んだ。
「シ、シコン……っ!」
目の前で犯され快楽の喘ぎを漏らしてしまう相棒の名を、マイザーはいつもの鉄面皮が抜け落ちたかのような蒼白な顔で呼ぶ。
「マ、マスターっ♡ こんなっ、こんなのっ♡ いやっ♡ 私っ♡ いやぁっ♡
たすけっ♡ たすけてっ♡ マスターっ♡」
シコンの瞳からは洗浄液がこぼれ落ち、勝ち気な美貌を歪ませて主へ助けを求める。
無力なマスターに見せつけるかのように、デッドマンは腰の動きを早めた。
「さあ仕上げだ! お前の役割を思い出せ、人形!」
「やめろっ! 貴様ぁぁっ!」
マイザーの叫びを聞き流したデッドマンは一際鋭く腰を叩き付けてると、怒濤の勢いで精を放った。
「やだぁぁっ♡ いやぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
否定の叫びは半ばから絶頂の嬌声へと変わる。
シコンの子宮ユニットは主以外の精液を注がれ、そのDNAを分析し、相手が何者であるかを確認した後に、機体に秘された隠匿情報を開示した。
「なにこれっ、なにこれぇっ♡」
子宮ユニットに染み込む精の感触と同時に己の中から湧き出してきた情報にシコンのCPUは圧倒され、混乱の声をあげる。
同時にマイザーの左腕で多目的端末が鋭い警告音を発した。
「なっ、ば、馬鹿な!?」
警告のホログラフ表示に目を向けたマイザーは、シコンのマスターパーティションポイントが一瞬にして大きく削られている事を確認し驚愕の声を上げる。
シコンの子宮ユニットへ熱い精を注ぎ終えたデッドマンは、逸物を抜かずそのまま第二ラウンドとばかりに腰を動かし始めた。
「自分が何仕えるべきか理解したかね、人形?
お前達の主は私たち、真の漢だよ!」
「ちっ、ちがっ♡ ちがうぅっ♡ 私のマスターはっ♡ お前じゃないぃっ♡」
焦げ茶の放熱髪を振り乱して首を振り、シコンは必死にデッドマンの言葉を否定する。
だが、彼女の機体は己を貫く肉棒の持ち主が真の漢であると知り、マスターパーティションポイントが残った状態でありながら従順な奉仕を開始してしまう。
主に対するが如くシコンの膣肉はきゅうきゅうと吸い付き、新たな精を求めて肉槍を締め上げる。
聞き分けのないメイデンを躾けるかのように荒々しく抜き差しされる逸物はシコンの蜜壺をそのエラで蹂躙し、注がれたての精液と溢れて止まらない潤滑液が混じり合った混合液が周囲に飛び散った。
「あひっ♡ ひぃっ♡ んあぁっ♡」
「一発だけじゃまだ躾が足りないかな?
それじゃあ、お代わりといこうか!」
最早シコンの機体に抵抗力はない。
デッドマンはシコンの首を掴んでいた手を外すと豊かなヒップに両腕を回し、貫いたまま抱え上げた。
駅弁の姿勢に、彼女自身の体重が肉槍を奥深くまで突き通させる。
「んあぁぁぁっ♡♡♡」
子宮ユニットを穿つほどの衝撃にシコンは再び絶頂し、デッドマンの逸物を咥え込んだ秘裂から飛沫のような潤滑液が迸った。
「シ、シコン……」
マイザーはむっちりとした尻肉をびくびくと震わせ、精液混じりの潤滑液を垂れ流す相棒の姿に言葉も出ない。
デッドマンが知っているはずもない話だが、駅弁スタイルはマイザーが好んで行う体位だ。 勝ち気で強気な相棒を女性側に反撃を許さない体位で責め立て、屈服させるのは彼らの夜の営みの常であった。
その相棒とだけの秘密を踏みにじられている。
「だっ、だめっ♡ この格好はだめぇっ♡ この格好で貴方の精液出されたらぁっ♡」
絶頂の余韻を必死で剥ぎ取りながら訴えるシコンの言葉を、デッドマンは無情に切り捨てる。
「君に選択権などないよ、人形。 さあ腹一杯に受け取りたまえ!」
荒々しくグラマラスな女体を上下させると同時に、デッドマンは震脚を思わせるような勢いで腰を突き上げた。
「おっ♡♡」
肉槍の穂先がシコンの子宮口を穿ち、瞳が半ばひっくり返る。
ゼロ距離で発射された二発目の精液が子宮ユニットの奥で跳ね返って飛び散り、隅々にまで染み込んでいく。
「ひぁぁぁっ♡♡♡」
悲鳴のような絶頂の嬌声は不意に途切れた。
シコンのCPUは圧倒的すぎる快楽情報に打ちのめされ、シャットダウンしてしまったのだ。
「む、堪え性のない……。 これだから人形は」
デッドマンは興が削がれたように吐き捨てると、シャットダウンしたシコンの機体をマイザーの目の前に放り出した。
「シコンっ!」
倒れ伏したマイザーの目の前に投げ出されたシコンは白目を剥き、口からは舌をはみ出させ、涎と涙と鼻汁に塗れており、普段の勝ち気な美貌からはかけ離れた有様であった。
デッドマンは再起動していないシコンの腰を掴むと尻を高くあげる姿勢を取らせる。
両腕を失ったシコンは乱れきった表情の顔を床に押しつけた土下座のような姿勢のまま、背後から貫かれた。
「まだするのかっ! もういい加減にしろっ!」
「もちろん、まだだとも。
この人形、まだ君の管理下のままだろう?」
デッドマンの言葉に、マイザーは警告音を鳴らし続ける多目的端末に目を走らせた。
もう70%を切っている。
「な、なんなんだ、貴様はっ! なぜこんなに簡単にマスターパーティションを奪える!」
「真の漢だと言ってるだろう、少しは覚えたまえ、君」
デッドマンは呆れたように言いながら、意識のないシコンの蜜壺を後背位で愉しむ。
「一体なんなんだ、その真の漢というのは……」
怒りと衝撃を噛み殺しながら、マイザーは震え声でデッドマンに問うた。
「そうだね、今必要な部分だけで言うならば……。
メイデンの本当の主という事さ。
君のような成りかけとは雄として物が違う!」
デッドマンはシコンのむっちりとした尻たぶに平手を叩き付けた。
スパンキングの衝撃からか、シコンのCPUは再起動し瞳に光が戻る。
「うぁ……っ♡ あっ♡ な、なにっ♡ 私っ、何されてるのっ♡」
犯されながらの再起動で困惑の喘ぎを漏らすシコンにデッドマンは囁きかけた。
「彼の見ている前で、君のマスターパーティションを書き換えるのさ、彼から私に。
さあ、ご主人に言うお別れの言葉を考えるんだ、人形」
「そっ、そんなっ、あうぅっ♡」
背後からずんずんと突き込まれ、シコンは主の目の前だというのに快楽に歪んだ顔を晒してしまう。
マイザーはそんな相棒に必死に呼びかけた。
「シコン! しっかりしろ、シコン!」
「マ、マスターっ、ごめんなさいっ♡ 私っ、もうだめっ♡
これ以上この方の精液を頂いてしまったらっ♡ 私っ、墜ちちゃうっ♡ 墜とされちゃうぅっ♡」
「はははっ、よく理解してるじゃないか人形! さあもう一発だ!」
デッドマンはシコンの尻をひとつ引っぱたくと、一際強く腰を突き込んだ。
「ひぃんっ♡」
媚びたような声をあげるシコンの奥底で、デッドマンの射精が三度炸裂する。
「あぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
シコンの子宮ユニットを大量の精液が埋め尽くし、制圧する。
膣内に迸る精の熱さに、シコンは背と尻を激しく震わせながら絶頂した。
「あっ♡ ひっ♡ はひぃっ♡」
マイザーの目の前で、シコンは彼が見た事もないような無様なアヘ顔で続けざまに達している。
「ふぅ……。 さて、どんなもんかな?」
ひとしきり出し終えたデッドマンは、憤怒の表情で唇を噛み締めているマイザーの左手首に目を走らせた。
「おや、ジャスト50か、もう一発必要だったかな」
呑気な口調で呟くと、ひくひくと痙攣するシコンの尻たぶを鷲掴みにして再度腰を動かし始める。
「んはぁっ♡」
「いい加減にしろっ! それ以上シコンを汚すなっ!」
「ほう、ならば君自身が身代わりになるかね?」
「な、なんだと?」
思いもよらない提案にマイザーは絶句した。
「私は元々人形よりもそっちが趣味でね。
ついでに言うとレイプなぞ大嫌いな純愛派なのさ。
君が自らの意思で尻を私に捧げてくれるというのならば、こんな人形遊びなどする事もないのだがね」
シコンを激しくレイプしておきながらのうのうと言ってのけるデッドマンをマイザーは火を噴きそうな目で睨み付けた。
「馬鹿な事を言うな!」
「至って大真面目さ。
君は見所がある、そういう若者は私は愛しく思うんだよ。
どうだい、マザーなんか捨てて、こっちに来ないかい?
私の元に来るのなら、君のお人形を返してやってもいいんだよ?」
「くっ……」
勝手な言い様にマイザーは唇を噛んだ。
苦悩するマイザーを面白そうに見下ろしつつ腰を振るデッドマンであったが、不意に表情を引き締めると鋭く床を蹴ってバックステップする。
「はくぅぅんっ♡♡」
乱暴に肉槍を引き抜かれた衝撃で、高々と尻をあげたままのシコンは無様な嬌声と共に達する。
デッドマンの逸物の太さのままにぱっくりと開いた秘唇から、注ぎ込まれた精液が噴水のように噴き出した。
アヘ顔精液噴水と化したシコンはエクスタシーの余り再びシャットダウンしてしまう。
同時にサプレッサーで抑えた発砲音が響き、ライフル弾が一瞬前までデッドマンの頭があった空間を貫いていく。
「警告なしで発砲とは酷くないかね?」
逸物をズボンに仕舞いながら苦情を漏らすデッドマンに、暗がりから冷えた声が応じた。
「同僚のヘッドハンティングは見過ごせないんでね」
暗がりの中でスナイパーライフルのボルトを引く音が響く。
デッドマンは大きなゼスチャーで肩を竦めた。
「もう一組アーミーが出てくるとは間が悪いもんだ。
仕方ない、ここは退散させてもらおうか」
「させるかよ」
銃声が響く。
だが、デッドマンは発砲の瞬間が見えているかのように射線から体をずらして躱すと、一目散に逃走に移った。
「アディオスだよ、青年! 良ければ私の勧誘に乗ってくれると嬉しいな!」
「何が勧誘だ、質の悪い強要じゃねえか」
吐き捨てるような呟きと共に、重々しい足音が暗がりから歩み寄ってくる。
「ヒュリオ……」
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「いや、自分はいい。 それよりもシコンを」
「判ってるさ。 スゥ、そっちを頼む」
「は、はい!」
尻を高くあげた姿勢のまま精液を垂れ流しつつ痙攣しているシコンの有様に、スゥは一瞬絶句したが慌てて彼女の介抱を開始した。
「君らをこんな目に遭わせる奴がいるとはな、アウトローも油断ならん」
マイザーの傷を確かめたヒュリオは精悍な眉を寄せた。
「これは開腹手術が必要だな……。 この場ではどうにもならん。
スゥ、マイザーとシコンを連れてガバメントまで戻ってくれ」
「は、はい。 マスターはどうされるんです?」
「オレはターゲットを追う。 オレ達の任務はあの少年の監視と護衛だ。
アウトローと絡んでる暇はない」
じろりとヒュリオに睨まれ、マイザーは目を伏せる。
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