バルファ旅行記

はるば草花

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バルファ旅行記すりー前編

すりー前編18

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「母がそのグループをぼっこぼこにしたらしい。それも、体術のみで…。母によると不良なんかとは基礎が違うらしい」

「うわー…」


ラルクス同士の戦いでなく、肉体言語を使用とか、母はすごいな。この時点では誠那生まれてないが。


「腹を立てた父が隠していたラルクスとしての、つまり魔法を使おうとしたんだが、それも母があっさり一瞬で魔法で意識を奪ったらしい」

「おー…」

「で、同じラルクス同士でもあるし、更正してやろうと母が父を拾い、ま、色々あって結婚したんだ」

「すげー。ラノベっぽい展開な気がする。ちょっと女性が強すぎる気がするが」


色々あってとは、さすがに言いたくないよな。俺も酔った父が聞いてもいないのに言ってきた母との馴れ初めとか、あんまり人に話したいものでなかった。簡単にいえば、馬鹿ップルにしか思えなかった。


「人だとしたなら、王女が1人で街に遊びにいって悪を叩きのめして結婚って、ローマの休日とはずいぶん違うな。これは幻獣だからまだ許される気がする」


誠那、ローマの休日とか好きそうだもんな。豪快よりお淑やか希望か?
…今なにか胸にひっかかるものがあったが、まあ気にしなくていいだろう。


「それと…」

「まだ何かあるのか?!」


誠那は色々秘密が多いとは思っていたが…。面白がって内緒とか言ってる程度だと思ってた。すでにお腹いっぱいだ。メモに書ききれない。


「母がこっち側の初めの賢者なんだ」

「……………はああああああ?!」


しまった。いくらいい部屋といってもさっきの叫びはかなり響いたかもしれないな。


「ちょっ、お、…くっ、言葉がうまく出てこない…」


初めの賢者なんて、20年くらい前のこととはいえ、おとぎ話レベルなはずだろ。


「あー、バルファ愛の強いオミには刺激の強い話だったか?」


俺は息をぜーはーさせ、整えてからまた誠那の顔を見る。


「…たしかに驚いたが、話が聞きたい。つまりは、それで向こうで暮らせたわけか」


誠那は頷いた。これで誠那の謎が判明したというわけか。


「しかし、そもそも初めの賢者ってなんだ?調べても詳しい情報がない。2番3番はいるのか」

「いや、明確ではないが、扉に関わることを許された者のことを周りが賢者と言ったりするらしい。つまりは羨ましくての皮肉から来ている可能性も高い」

「本人らは言わないものな」


まだ歴史も浅いのに初めの賢者って、俺とか、たぶん、ちびっ子は心がくすぐられるが、本人としてはな…。


「初めの賢者は2つの世界の扉に関しての協定をした者のことで、父もけっこう関わってるらしいが、ラルクス代表には母が出るからってことで協定には関係していない。ただ協定といっても、これの効力は関わった者と精霊や幻獣、一部の人間のみだ。向こうの世界での効力はほとんどないな。なにせ世界のすべてを納得させている暇はない」

「世界的には一応認められているよな。詳しくは情報がないが、世界的機関も関わっていて管理しているんだろう」

「もちろん。ただ、けっこう強引にしたらしい。かなりの極秘事項だから、メモはするなよ?」

「…しかたない」

「一部を黙らせればいいわけだ。後は情報操作でな?…つまりは効力なんて向こうではない。ただ向こうの初めの賢者がしっかりしている間は問題はないだろう」

「そこまで強引なことをしたのは、やはり扉が封印できない?」

「そういうことだな。その場所に近寄れないようにしても穴が開いていれば魔法で道が作れるからな。それで、どちらにとっても混乱のないよう、じょじょに情報を出すことにしている。そういったことを考えたりするのを手伝ってくれるのが、初め以外の賢者というわけだ」

「なるほどなー。すごい色々知ったが、これは今は後まわしがいいな。世界規模すぎる。今は単純にお前の父親は元悪ラルクスで母親は豪快な人で初めの賢者。それだけでいい」

「ああ。他は忘れてくれ」

「で?乗り込む方法は考えてあるのか?」

初めの件は逃さない。


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