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扉の奥の秘宝 (24) 兵士の正体
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「まぁ、いいか。
これは、あんたが偽物のゾルウッドだとわかったので、ハッキリした事なんだが……。まず、毎日森へ散策に行っていたのは、仲間に会うためだろう?
その時に、あんたが実際に鍵開けをした結果を知らせて、次の挑戦までに仲間がそれを手掛かりに解除法を探る。で、その成果を受け取り、次のチャンスに生かす。
だからあんたは回を追うごとに、結構いい線までいったわけだ」
フューイの謎解きに、モゼントは唇を噛みます。図星だという証拠ですね。
「それから……」
若き細工師は、話を続けます。
「それからだと!?」
フューイが口を開きかけたのを、モゼントが遮りました。
「まだ、わかってる事があるのか!?」
モゼントは、信じられないといった表情をしています。
「あぁ、もちろんだとも。
あんたはそれだけじゃ足りなくて、オレからも情報を盗んだ。今、オレの後ろにいる奴。そいつにオレの部屋にある、鍵開けノートを写し取るように命じたよな」
「なっ?」
今度はフューイの後ろにいる兵士が、思わず声を漏らしました。
「わからないように、盗み見たつもりだろう? 確かに、最初は分からなかったよ。実に見事な仕事ぶりだ。
なぁ、レネフィル」
後の兵士がギョッとした瞬間、フューイはナイフを持った兵士の腕を左手でつかみ、体を回転させたかと思うと、右拳で兵士の肋骨の側面を打ちました。突然の事に怯んだ兵士が、体勢を崩したその隙を逃さず、フューイはナイフを持った暗殺者をモゼントの方へと投げ飛ばします。
もんどりうって、盗賊の親玉の前に転がる長身の兵士。しかし持ち前の身の軽さで、すぐさま体勢を立て直します。
「てめぇ!」
宝物庫の中に汚い言葉が響きますが、それはモゼントの発したものではありませんでした。
「おい、もういい」
モゼントが、憮然とした表情で言います。すると兵士の姿がグニャリと歪み、それがまた形を成してきたかと思うと、みるみる内に、その姿はあの接客係のレネフィルに変わっていきました。
でもその表情は豹変したモゼントと同じく、可愛らしく愛想の良い私たちの知っているレネフィルのものではありませんでした。
「なんで、どうして!」
自らの正体を暴かれたレネフィルが、興奮してナイフを振り上げます。
モゼントはそれを制しながら、
「まぁ、待て。見ての通り、こいつは何にでも化ける魔法を使える奴だ。だが、今まで見破られた事はねぇ。何故、わかった。そこんとこ、是非、教えてくれるかい? フューイの旦那」
と言いました。
モゼントは悪党ですが、精鋭ぞろいの盗賊一味を率いる器量を持った、それなり以上の人物です。フューイの明晰さと、隙をついたとはいえレネフィルを退けた技に、彼が自らの脅威になると直感的に悟ったのでした。
「なんだ、話し手と聞き手が逆転してしまったな。いいさ、お前たちへの冥土の土産として話してやろう」
「何を! てめぇ、いい気になるな!」
フューイの落ち着き払った態度に、豹変したレネフィルが激高します。
これは、あんたが偽物のゾルウッドだとわかったので、ハッキリした事なんだが……。まず、毎日森へ散策に行っていたのは、仲間に会うためだろう?
その時に、あんたが実際に鍵開けをした結果を知らせて、次の挑戦までに仲間がそれを手掛かりに解除法を探る。で、その成果を受け取り、次のチャンスに生かす。
だからあんたは回を追うごとに、結構いい線までいったわけだ」
フューイの謎解きに、モゼントは唇を噛みます。図星だという証拠ですね。
「それから……」
若き細工師は、話を続けます。
「それからだと!?」
フューイが口を開きかけたのを、モゼントが遮りました。
「まだ、わかってる事があるのか!?」
モゼントは、信じられないといった表情をしています。
「あぁ、もちろんだとも。
あんたはそれだけじゃ足りなくて、オレからも情報を盗んだ。今、オレの後ろにいる奴。そいつにオレの部屋にある、鍵開けノートを写し取るように命じたよな」
「なっ?」
今度はフューイの後ろにいる兵士が、思わず声を漏らしました。
「わからないように、盗み見たつもりだろう? 確かに、最初は分からなかったよ。実に見事な仕事ぶりだ。
なぁ、レネフィル」
後の兵士がギョッとした瞬間、フューイはナイフを持った兵士の腕を左手でつかみ、体を回転させたかと思うと、右拳で兵士の肋骨の側面を打ちました。突然の事に怯んだ兵士が、体勢を崩したその隙を逃さず、フューイはナイフを持った暗殺者をモゼントの方へと投げ飛ばします。
もんどりうって、盗賊の親玉の前に転がる長身の兵士。しかし持ち前の身の軽さで、すぐさま体勢を立て直します。
「てめぇ!」
宝物庫の中に汚い言葉が響きますが、それはモゼントの発したものではありませんでした。
「おい、もういい」
モゼントが、憮然とした表情で言います。すると兵士の姿がグニャリと歪み、それがまた形を成してきたかと思うと、みるみる内に、その姿はあの接客係のレネフィルに変わっていきました。
でもその表情は豹変したモゼントと同じく、可愛らしく愛想の良い私たちの知っているレネフィルのものではありませんでした。
「なんで、どうして!」
自らの正体を暴かれたレネフィルが、興奮してナイフを振り上げます。
モゼントはそれを制しながら、
「まぁ、待て。見ての通り、こいつは何にでも化ける魔法を使える奴だ。だが、今まで見破られた事はねぇ。何故、わかった。そこんとこ、是非、教えてくれるかい? フューイの旦那」
と言いました。
モゼントは悪党ですが、精鋭ぞろいの盗賊一味を率いる器量を持った、それなり以上の人物です。フューイの明晰さと、隙をついたとはいえレネフィルを退けた技に、彼が自らの脅威になると直感的に悟ったのでした。
「なんだ、話し手と聞き手が逆転してしまったな。いいさ、お前たちへの冥土の土産として話してやろう」
「何を! てめぇ、いい気になるな!」
フューイの落ち着き払った態度に、豹変したレネフィルが激高します。
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