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魔女と奇妙な男 (58) メサイトの反撃
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「わ、私は大丈夫!」
本当は、全然大丈夫じゃありません。心臓が、大爆発を起こすんじゃないかってくらい、バクバクしています。でもそう答えるのが、今のネリスの精一杯でした。
クレオンは少し微笑んだ後、またもや驚くべきスピードでメサイトの所へ舞い戻ります。
「今度は、油断しねぇぞ!」
既に立ち上がり、戦闘意欲満々のメサイトが、敵対者を迎え撃つ構えを見せていました。今度はそう易々と、打ち負かされはしないでしょう。
化け物からあと少しの所に迫ったクレオンは、グッと軸足に力を入れます。そして更に加速された体から、強力な蹴りを繰り出す第三等級魔女。
一方、メサイトはその大きな体を丸くかがませて、両腕の肘を直角に折り曲げ、二つを揃えて眼前にもっていきます。そして相手に押し込まれないよう、両足をしっかりと踏ん張りました。
これはもう、完全防御の構えです。自分の反応速度では、クレオンの攻撃を避ける事は不可能と悟ったメサイトは、敵の攻撃を受け止めてから反撃に転じる攻め方に変更したのでした。
ドン!と、ホールに轟音が鳴り響きます。クレオン渾身の蹴りが、怪物の二本揃えた前腕へとヒットしたのです。しかし、メサイトの体は数十センチ後ろへ後ずさったものの、倒れる様子はまるでありません。クレオンはその後も蹴りによる猛攻を連続して加えますが、化け物はビクともしませんでした。
化け物になったメサイトは、かなりの重量があると思われます。不動の体勢を取られては、如何に激しい攻撃も通じないというわけですね。それを悟ったのか、クレオンはいったんメサイトから距離を取りました。しかし、この行動が裏目に出ます。
「へへん! お前の攻撃は見切ったぞ。オレは気づいたんだ。お前が”蹴り”しか出さないって事をな。まぁ、オレの投げたあれこれを避け続けたのは立派だが、それはお前の”目”のおかげだろう?」
メサイトの自慢げな解説に、クレオンの表情が曇ります。どうやら図星のようですね。
なるほど!
ネリスが、思わずうなづきました。敵の言う話に同意するというのも何ですが、それほどメサイトの指摘は的確だったのです。
でも、変よね。戦う力を強化するのに、目と脚だけってのはどういう事? 普通は全身を強化するのでは……。
ネリスが、もっともな疑問を呈します。
「となれば、やる事は一つ!」
メサイトが、ニヤリとして言いました。
「グウォォォォォ!!!」
メサイトは、突然その場で雄たけびを上げます。建物全体が震えるほどの大声です。さすがのクレオンも、この咆哮には一瞬ひるみました。
それを見定めたメサイトは、床を思いっ切り踏みつけ猛ダッシュをします。クレオンは反射的に身構えましたが、化け物の狙いはクレオンではありません。
「えっ? 私!?」
メサイトが自分の方へ猛突進してくるのを見て、ネリスは素っ頓狂な声を上げました。
どうして? なんで?
ネリスの頭の中に、疑問を意味する単語が乱れ飛びます。メサイトは彼女を人質にして、戦いを有利に進めようというのでしょうか。
しかしクレオンが、それを黙って見ているはずがありません。彼はメサイトよりも遥かに素早い動きでネリスの元へと駆けつけます。再び彼女の盾となるべく、クレオンは敵の前へと立ちはだかります。
「かかったな!」
化け物が、歓喜の声を上げました。
本当は、全然大丈夫じゃありません。心臓が、大爆発を起こすんじゃないかってくらい、バクバクしています。でもそう答えるのが、今のネリスの精一杯でした。
クレオンは少し微笑んだ後、またもや驚くべきスピードでメサイトの所へ舞い戻ります。
「今度は、油断しねぇぞ!」
既に立ち上がり、戦闘意欲満々のメサイトが、敵対者を迎え撃つ構えを見せていました。今度はそう易々と、打ち負かされはしないでしょう。
化け物からあと少しの所に迫ったクレオンは、グッと軸足に力を入れます。そして更に加速された体から、強力な蹴りを繰り出す第三等級魔女。
一方、メサイトはその大きな体を丸くかがませて、両腕の肘を直角に折り曲げ、二つを揃えて眼前にもっていきます。そして相手に押し込まれないよう、両足をしっかりと踏ん張りました。
これはもう、完全防御の構えです。自分の反応速度では、クレオンの攻撃を避ける事は不可能と悟ったメサイトは、敵の攻撃を受け止めてから反撃に転じる攻め方に変更したのでした。
ドン!と、ホールに轟音が鳴り響きます。クレオン渾身の蹴りが、怪物の二本揃えた前腕へとヒットしたのです。しかし、メサイトの体は数十センチ後ろへ後ずさったものの、倒れる様子はまるでありません。クレオンはその後も蹴りによる猛攻を連続して加えますが、化け物はビクともしませんでした。
化け物になったメサイトは、かなりの重量があると思われます。不動の体勢を取られては、如何に激しい攻撃も通じないというわけですね。それを悟ったのか、クレオンはいったんメサイトから距離を取りました。しかし、この行動が裏目に出ます。
「へへん! お前の攻撃は見切ったぞ。オレは気づいたんだ。お前が”蹴り”しか出さないって事をな。まぁ、オレの投げたあれこれを避け続けたのは立派だが、それはお前の”目”のおかげだろう?」
メサイトの自慢げな解説に、クレオンの表情が曇ります。どうやら図星のようですね。
なるほど!
ネリスが、思わずうなづきました。敵の言う話に同意するというのも何ですが、それほどメサイトの指摘は的確だったのです。
でも、変よね。戦う力を強化するのに、目と脚だけってのはどういう事? 普通は全身を強化するのでは……。
ネリスが、もっともな疑問を呈します。
「となれば、やる事は一つ!」
メサイトが、ニヤリとして言いました。
「グウォォォォォ!!!」
メサイトは、突然その場で雄たけびを上げます。建物全体が震えるほどの大声です。さすがのクレオンも、この咆哮には一瞬ひるみました。
それを見定めたメサイトは、床を思いっ切り踏みつけ猛ダッシュをします。クレオンは反射的に身構えましたが、化け物の狙いはクレオンではありません。
「えっ? 私!?」
メサイトが自分の方へ猛突進してくるのを見て、ネリスは素っ頓狂な声を上げました。
どうして? なんで?
ネリスの頭の中に、疑問を意味する単語が乱れ飛びます。メサイトは彼女を人質にして、戦いを有利に進めようというのでしょうか。
しかしクレオンが、それを黙って見ているはずがありません。彼はメサイトよりも遥かに素早い動きでネリスの元へと駆けつけます。再び彼女の盾となるべく、クレオンは敵の前へと立ちはだかります。
「かかったな!」
化け物が、歓喜の声を上げました。
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