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魔女と奇妙な男 (77) 一気呵成
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「どういうこった!? さっきまで半分死んでいたような野郎が……、オレの究極パンチを避けられるはずがない!」
いつも肝心なところで思うように事が進まないメサイトは、怒りと混乱が、ないまぜになった心中を戦闘魔女へとぶつけます。
「”はずがない”もなにも、これが現実さ。君が僕に勝てる見込みは、もう万に一つもないね。大人しく降参した方が、いいんじゃないのかい?」
クレオンが、小ばかにしたように言いました。
「ふん。ちぃとばかし、運が良かっただけだろうが。今度は、そうはいかねぇぞ!」
起き上がったメサイトは、クレオンに今までにも増した猛攻を加えます。しかしその度に、彼は目にも止まらぬ速さで、化け物の攻撃を巧みにかわし続けました。これは紛れもなく、ダチョウの秘薬の効果と同じです。
「てめぇ、さっき全部、薬を捨てたんじゃなかったのか? い、いや。それともこの倉庫にあの薬の予備があって、小娘が渡した薬がそうだったのか……!」
息の上がったメサイトが、大きく肩を上下させながら言いました。
「ま、答える義務はないな」
澄ました調子でそう応じたクレオンは、一気にメサイトへ近づくと、得意の回し蹴りを繰り出します。ただし、只の回し蹴りではありません。ダチョウの力をプラスした凄まじいキックです。
「グオッ!」
事態を十分に飲み込めていないメサイトは、クレオンの蹴りをまともに食らってしまい、その巨体は数メートル先まで飛んで行きました。床に突っ伏し、クレオンとは逆の方向を向いているメサイトですが、それでも半身を何とか起こそうとしています。
一気に片を付けようとするクレオンは、またもや猛スピードで化け物に近づきます。背中を蹴飛ばして、ホールの向こう側にある壁に打ち付けようというのです。メサイトのすぐ傍で一瞬立ち止まったクレオンが、足を後ろへ引いたその時です。
「なめるな!」
この機を狙っていたとばかりに、メサイトは振り向きざまに、右手を床と平行に振るいます。ちょうど、ラリアットを逆にした感じの攻撃ですね。クレオンは蹴りを繰り出す途中だった事もあり、完全に裏をかかれた状態になりました。この体勢からだと、にわかにダチョウダッシュは使えません。
腕を振るう向きから考えて、攻撃力が本来より少し劣るとはいうものの、なにせ筋肉の塊のような化け物です。当たれば只では済まないでしょう。
しかしクレオンは、メサイトの奇襲にも動じません。すぐさま足を踏ん張って丸太のような腕の一撃を受け止める準備をします。
「愚かなり! 脚力と目の強化薬じゃぁ、オレのパワーに太刀打ちできない事は、さっきまでの戦いで証明済みだ!」
なるほど、確かにダチョウの力を使っている時、クレオンは化け物の攻撃を正面から受ける事はなく、全て避けていましたよね。メサイトも、かなり考えた戦い方をしているようです。しかしクレオンは、避ける素振りを見せません。どうした事なのでしょうか。
斜めに構えたクレオンが、右手を突き出し肘を上へ直角に曲げました。メサイトの剛腕は、すぐそばまで迫っています。
「さぁ、フッ飛べ!」
メサイトは前腕にいっそう力を加え、そのままクレオンに叩きつけました。筋肉と筋肉がぶつかり合う鈍い音がホールに響きます。
いつも肝心なところで思うように事が進まないメサイトは、怒りと混乱が、ないまぜになった心中を戦闘魔女へとぶつけます。
「”はずがない”もなにも、これが現実さ。君が僕に勝てる見込みは、もう万に一つもないね。大人しく降参した方が、いいんじゃないのかい?」
クレオンが、小ばかにしたように言いました。
「ふん。ちぃとばかし、運が良かっただけだろうが。今度は、そうはいかねぇぞ!」
起き上がったメサイトは、クレオンに今までにも増した猛攻を加えます。しかしその度に、彼は目にも止まらぬ速さで、化け物の攻撃を巧みにかわし続けました。これは紛れもなく、ダチョウの秘薬の効果と同じです。
「てめぇ、さっき全部、薬を捨てたんじゃなかったのか? い、いや。それともこの倉庫にあの薬の予備があって、小娘が渡した薬がそうだったのか……!」
息の上がったメサイトが、大きく肩を上下させながら言いました。
「ま、答える義務はないな」
澄ました調子でそう応じたクレオンは、一気にメサイトへ近づくと、得意の回し蹴りを繰り出します。ただし、只の回し蹴りではありません。ダチョウの力をプラスした凄まじいキックです。
「グオッ!」
事態を十分に飲み込めていないメサイトは、クレオンの蹴りをまともに食らってしまい、その巨体は数メートル先まで飛んで行きました。床に突っ伏し、クレオンとは逆の方向を向いているメサイトですが、それでも半身を何とか起こそうとしています。
一気に片を付けようとするクレオンは、またもや猛スピードで化け物に近づきます。背中を蹴飛ばして、ホールの向こう側にある壁に打ち付けようというのです。メサイトのすぐ傍で一瞬立ち止まったクレオンが、足を後ろへ引いたその時です。
「なめるな!」
この機を狙っていたとばかりに、メサイトは振り向きざまに、右手を床と平行に振るいます。ちょうど、ラリアットを逆にした感じの攻撃ですね。クレオンは蹴りを繰り出す途中だった事もあり、完全に裏をかかれた状態になりました。この体勢からだと、にわかにダチョウダッシュは使えません。
腕を振るう向きから考えて、攻撃力が本来より少し劣るとはいうものの、なにせ筋肉の塊のような化け物です。当たれば只では済まないでしょう。
しかしクレオンは、メサイトの奇襲にも動じません。すぐさま足を踏ん張って丸太のような腕の一撃を受け止める準備をします。
「愚かなり! 脚力と目の強化薬じゃぁ、オレのパワーに太刀打ちできない事は、さっきまでの戦いで証明済みだ!」
なるほど、確かにダチョウの力を使っている時、クレオンは化け物の攻撃を正面から受ける事はなく、全て避けていましたよね。メサイトも、かなり考えた戦い方をしているようです。しかしクレオンは、避ける素振りを見せません。どうした事なのでしょうか。
斜めに構えたクレオンが、右手を突き出し肘を上へ直角に曲げました。メサイトの剛腕は、すぐそばまで迫っています。
「さぁ、フッ飛べ!」
メサイトは前腕にいっそう力を加え、そのままクレオンに叩きつけました。筋肉と筋肉がぶつかり合う鈍い音がホールに響きます。
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