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ニールの目ざめ (35) 小さな試練
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「うん……。昨日みたいになっちゃったら、二人に迷惑をかけると思って……」
「水くさい!」
ニールが言い終わるか終わらないかの内に、ドッジとマリアが口をそろえて言いました。意外な共鳴が発生し、犬猿の好敵手同士が顔を見合わせます。
これにはニールも驚いて、
「き、気が合うねぇ……二人とも」
と、思わず口にしました。
「だ、誰がこいつと……」
「そんな事は、どうでもいいの!」
ドッジの気恥ずかしさを含んだ言い訳を、マリアが一蹴します。
「そ、そうだとも。そんな事はどうでもいい。とにかくだ。水臭いんだよ、お前は」
誤魔化すようなドッジの言葉に、マリアもウンウンと頷きました。
「ごめん」
ニールは、うれしい謝罪をします。
「じゃ、何かあったらお前を抱えて公園から飛び出てやるから、ドーンと大船に乗ったつもりでいねぇ」
べらんめえ口調の入ったドッジの言葉に元気づけられ、ニールは己の身に起こった不思議な現象に挑戦する決意を固めました。
「じゃぁ、慎重に少しずつね。ニール、変な感覚があったら、すぐに言って」
検証のリーダー格を気取るマリアが、まだ少しおっかなびっくりのニールに指示を出します。文句を言いたげなドッジでしたが、ニールは目で合図をしてそれを止めました。博識ゆえか、マリアが場を仕切りたがるのは、いつもの事でしたからね。
今日も辺りには、小さい子供連れの親が散見されます。彼らに怪しまれないよう、三人は一歩一歩、ゆっくりと進んでいきました。
「大丈夫?ニール」
彼の傍に寄り添うマリアが、声をかけます。
「うん、今の所、大丈夫みたい」
朝同様に、頭痛はもちろん、変な感覚すら未だ見いだせないニールが答えました。
それを聞いたドッジも一安心。でも三人の心臓は、刻一刻とその響きを高めて行きます。何故かと言えば、彼らは”例の場所”に随分と近づいて来たからでした。
「ストップ!」
先頭を行く、隊長マリアが指示を出します。
「あぁ、ここら辺だったよな。昨日、ニールの頭が痛くなったのは」
ドッジは砂場に目をやり、まるで呪いの砂漠を見るような感覚で辺りを眺めました。砂場の真ん中あたりには、昨日、ニールが休息を取った大きな樹木の影が伸び始めています。
さて、いよいよ正念場となりました。
砂場を右前方に見るニールでしたが、忌まわしい記憶のせいか、次の一歩が踏み出せません。
「ニール……、やめとく?」
心配そうに、マリアが彼の顔を覗き込みました
「い、いや行く」
このままでは何の解決にもならないと思ったニールは、勇気を振り絞って、砂場の横に設けられた遊歩道へと足を踏み入れます。
最初のひと踏みは、無事に終わりました。そして、少しずつ先を目指すニール。二人の友も、彼を両側からサポートします。
真横に砂場を見る位置まで来ましたが、少し空気が変わったようにも感じるだけで、頭痛は全く起こりません。彼は少し足取りを早め、砂場を後ろに見る所まで闊歩します。
「おい、やったな」
ドッジが、ニールの背中を叩きました。
「まだ、終わったわけじゃないわ。最後まで気を抜いちゃ駄目」
マリアが自分に言い聞かせるように、ドッジを諫めます。ガキ大将は少し眉が上がりましたが、とにかくニールが公園を出るまではと思って我慢しました。
しかし、兎にも角にも峠を越えた感のある三人は、幾分か緊張のゆるんだ面持ちでラストスパートに入ります。
「水くさい!」
ニールが言い終わるか終わらないかの内に、ドッジとマリアが口をそろえて言いました。意外な共鳴が発生し、犬猿の好敵手同士が顔を見合わせます。
これにはニールも驚いて、
「き、気が合うねぇ……二人とも」
と、思わず口にしました。
「だ、誰がこいつと……」
「そんな事は、どうでもいいの!」
ドッジの気恥ずかしさを含んだ言い訳を、マリアが一蹴します。
「そ、そうだとも。そんな事はどうでもいい。とにかくだ。水臭いんだよ、お前は」
誤魔化すようなドッジの言葉に、マリアもウンウンと頷きました。
「ごめん」
ニールは、うれしい謝罪をします。
「じゃ、何かあったらお前を抱えて公園から飛び出てやるから、ドーンと大船に乗ったつもりでいねぇ」
べらんめえ口調の入ったドッジの言葉に元気づけられ、ニールは己の身に起こった不思議な現象に挑戦する決意を固めました。
「じゃぁ、慎重に少しずつね。ニール、変な感覚があったら、すぐに言って」
検証のリーダー格を気取るマリアが、まだ少しおっかなびっくりのニールに指示を出します。文句を言いたげなドッジでしたが、ニールは目で合図をしてそれを止めました。博識ゆえか、マリアが場を仕切りたがるのは、いつもの事でしたからね。
今日も辺りには、小さい子供連れの親が散見されます。彼らに怪しまれないよう、三人は一歩一歩、ゆっくりと進んでいきました。
「大丈夫?ニール」
彼の傍に寄り添うマリアが、声をかけます。
「うん、今の所、大丈夫みたい」
朝同様に、頭痛はもちろん、変な感覚すら未だ見いだせないニールが答えました。
それを聞いたドッジも一安心。でも三人の心臓は、刻一刻とその響きを高めて行きます。何故かと言えば、彼らは”例の場所”に随分と近づいて来たからでした。
「ストップ!」
先頭を行く、隊長マリアが指示を出します。
「あぁ、ここら辺だったよな。昨日、ニールの頭が痛くなったのは」
ドッジは砂場に目をやり、まるで呪いの砂漠を見るような感覚で辺りを眺めました。砂場の真ん中あたりには、昨日、ニールが休息を取った大きな樹木の影が伸び始めています。
さて、いよいよ正念場となりました。
砂場を右前方に見るニールでしたが、忌まわしい記憶のせいか、次の一歩が踏み出せません。
「ニール……、やめとく?」
心配そうに、マリアが彼の顔を覗き込みました
「い、いや行く」
このままでは何の解決にもならないと思ったニールは、勇気を振り絞って、砂場の横に設けられた遊歩道へと足を踏み入れます。
最初のひと踏みは、無事に終わりました。そして、少しずつ先を目指すニール。二人の友も、彼を両側からサポートします。
真横に砂場を見る位置まで来ましたが、少し空気が変わったようにも感じるだけで、頭痛は全く起こりません。彼は少し足取りを早め、砂場を後ろに見る所まで闊歩します。
「おい、やったな」
ドッジが、ニールの背中を叩きました。
「まだ、終わったわけじゃないわ。最後まで気を抜いちゃ駄目」
マリアが自分に言い聞かせるように、ドッジを諫めます。ガキ大将は少し眉が上がりましたが、とにかくニールが公園を出るまではと思って我慢しました。
しかし、兎にも角にも峠を越えた感のある三人は、幾分か緊張のゆるんだ面持ちでラストスパートに入ります。
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