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ニールの目ざめ (40) 告白
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一方、ニールは魔法の有無を聞かれた事で、心の中が少しざわつきはしたものの、なぜか千載一遇のチャンスが到来したような気持にもなります。
「あ、あの、ボク……」
何かを言いかけたニールを見て、リュンデムがピンときました。
「ニール君、間違っていたらゴメンよ。もしかしたら、魔法に関して悩んでいる事があるんじゃないのかい?」
図星を突かれたニールは、胸が急にドキドキし始めます。自分では何かを期待していたものの、そのものズバリを言い当てられると、途端にドギマギとしました。
「魔法の悩みって、どういうこったい」
予想もしなかった展開に、ゼペックが戸惑います。
「君の前には、しがないオジサンと、知っての通りの風変わりなお爺さんがいるだけだけど、良かったら話してみないかい?」
彼の一言に、ニールの心のダムに溜まりに溜まっていた淀みのようなものが、堰を切って流れ出しました。
周りのみんなは殆ど魔法を使えるのに、自分は使えない事。果たしてどんな魔法が使えるのか、とても不安な事。
”風変わりなお爺さん”と言われたゼペックも、ここはグッと我慢をしてニールの話に耳を傾けます。
親や友達には言えない悩みでも、全然別の関係にあり、なおかつ信頼できそうな人には話せてしまう事って、みなさんには経験ありませんか? ニールは、そんな幸運を、この場で得たわけですね。
話を聞き終わったリュンデムは、それは皆が悩む事柄であり、自分だって魔法を使えたのは九才になってからだったというような話をしました。良く言えば適切な、悪く言えば通り一遍の内容です。
そのためか、心に秘めたものを吐き出した清々しさはあるものの、ニールの心は今一つ晴れません。
その表情を見てとったゼペックが、
「……納得していない、という顔つきじゃな。ひょっとして、セディーの魔法の事に関係してるのかな?」
と、ポツリと言いました。
「セディー……、ニール君のパパの?」
リュンデムが、オーナーの方を見やります。
「いや、リュンデムじゃないが、間違っていたら申し訳ない。
もしかして、セディーが空中を歩けるって”すごい”魔法を使えるのが気になるのかな」
ニールは心の中にある、なにか硬いものにヒビが入ったよう感覚を覚えました。
「オーナー、それは……?」
ゼペックの考えを、いまひとつ理解できないリュンデムが尋ねます。
「いや、わしにも経験があってな。親が傍目から見て凄い魔法を使えると、子供には結構なプレッシャーが掛かるもんなんじゃよ」
ゼペックの一番弟子と目される男が”あぁ”とばかりに、合点のいった顔つきになりました。
これは、一体どういうことなのでしょう。
ヴォルノースの森では三大種族である、ニンゲン、動物ビト、妖精ヒトの全ての人々が魔法を使えますが、その内容は様々です。派手な魔法がある一方、非常に地味な魔法も存在します。もちろんその種類で差別される事はありませんが、やっぱり自分の親兄弟が”素晴らしい”魔法を使えると、気になってしまうものなのです。
「経験って……?」
ニールの心の奥底に出来た小さなヒビから、彼が本当に悩んでいたものが、少しずつ染み出してきます。
「わしの父親の使える魔法ってのが、土木関係の魔法でな。具体的に言えば、土を掘り起こしたり、逆に固めたりと、結構派手な魔法だったんじゃよ。おまけに土の質までも、見分ける事が出来るって代物さ」
ゼペックは、短いあごひげを撫でながら、数十年前の記憶を呼び起こしていきました。
「だから色々と、工事関係の者に重宝されてな、一時は自分でも、土木会社をやっておった」
これは、ゼペックと十年来の付き合いのあるリュンデムにとっても、初めて聞く話です。
「あ、あの、ボク……」
何かを言いかけたニールを見て、リュンデムがピンときました。
「ニール君、間違っていたらゴメンよ。もしかしたら、魔法に関して悩んでいる事があるんじゃないのかい?」
図星を突かれたニールは、胸が急にドキドキし始めます。自分では何かを期待していたものの、そのものズバリを言い当てられると、途端にドギマギとしました。
「魔法の悩みって、どういうこったい」
予想もしなかった展開に、ゼペックが戸惑います。
「君の前には、しがないオジサンと、知っての通りの風変わりなお爺さんがいるだけだけど、良かったら話してみないかい?」
彼の一言に、ニールの心のダムに溜まりに溜まっていた淀みのようなものが、堰を切って流れ出しました。
周りのみんなは殆ど魔法を使えるのに、自分は使えない事。果たしてどんな魔法が使えるのか、とても不安な事。
”風変わりなお爺さん”と言われたゼペックも、ここはグッと我慢をしてニールの話に耳を傾けます。
親や友達には言えない悩みでも、全然別の関係にあり、なおかつ信頼できそうな人には話せてしまう事って、みなさんには経験ありませんか? ニールは、そんな幸運を、この場で得たわけですね。
話を聞き終わったリュンデムは、それは皆が悩む事柄であり、自分だって魔法を使えたのは九才になってからだったというような話をしました。良く言えば適切な、悪く言えば通り一遍の内容です。
そのためか、心に秘めたものを吐き出した清々しさはあるものの、ニールの心は今一つ晴れません。
その表情を見てとったゼペックが、
「……納得していない、という顔つきじゃな。ひょっとして、セディーの魔法の事に関係してるのかな?」
と、ポツリと言いました。
「セディー……、ニール君のパパの?」
リュンデムが、オーナーの方を見やります。
「いや、リュンデムじゃないが、間違っていたら申し訳ない。
もしかして、セディーが空中を歩けるって”すごい”魔法を使えるのが気になるのかな」
ニールは心の中にある、なにか硬いものにヒビが入ったよう感覚を覚えました。
「オーナー、それは……?」
ゼペックの考えを、いまひとつ理解できないリュンデムが尋ねます。
「いや、わしにも経験があってな。親が傍目から見て凄い魔法を使えると、子供には結構なプレッシャーが掛かるもんなんじゃよ」
ゼペックの一番弟子と目される男が”あぁ”とばかりに、合点のいった顔つきになりました。
これは、一体どういうことなのでしょう。
ヴォルノースの森では三大種族である、ニンゲン、動物ビト、妖精ヒトの全ての人々が魔法を使えますが、その内容は様々です。派手な魔法がある一方、非常に地味な魔法も存在します。もちろんその種類で差別される事はありませんが、やっぱり自分の親兄弟が”素晴らしい”魔法を使えると、気になってしまうものなのです。
「経験って……?」
ニールの心の奥底に出来た小さなヒビから、彼が本当に悩んでいたものが、少しずつ染み出してきます。
「わしの父親の使える魔法ってのが、土木関係の魔法でな。具体的に言えば、土を掘り起こしたり、逆に固めたりと、結構派手な魔法だったんじゃよ。おまけに土の質までも、見分ける事が出来るって代物さ」
ゼペックは、短いあごひげを撫でながら、数十年前の記憶を呼び起こしていきました。
「だから色々と、工事関係の者に重宝されてな、一時は自分でも、土木会社をやっておった」
これは、ゼペックと十年来の付き合いのあるリュンデムにとっても、初めて聞く話です。
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