愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル

文字の大きさ
8 / 13

第8話

しおりを挟む


特に深い結びつきのある国ではないデリストア国と国交を開こうと思ったのも、それが理由なのだろう。
新国王は甘く見ていたのだろう、「エリチェ公爵が間に入ってくれる」と。
しかし、両親はデリストア国ではなくアルキメイシス国に渡っていた。
デリストア国に残っていたのは、まだ学生の弟妹や一族だけである。
学園に編入学した弟妹や一族の子息令嬢たちや社交の場で、マクベス王国の王子たちによるいわれなき断罪と、王子たちに同調した貴族たちの公爵家の令嬢に悪意にまみれた言葉を投げつける不敬罪が許される国だと蔑まれることとなった。

それを認めるように、友好を掲げた使節団の兵士たちが各地で事件を起こした。
その中に噂の当事者ゲーヘンが含まれており、現場で取り押さえられるという言い逃れのできない事態を引き起こした。

「身分を剥奪もせず、国外に出して事件を引き起こさせた罪は重い」

マクベス王国の国王は連絡を受けて真っ青になって泡を吹いて倒れたという。
反省を促すために戒律の厳しい兵士団にされたゲーヘンだったが、支援者に囲まれていれば融通はつく。
それも団長の娘は支援者のひとりであり、団長もまた結ばれぬ恋人たちゲーヘンたちの支援者でもあった。

それが事件の裏に隠された真実であり、国庫の8割という慰謝料で許されたこともまたマクベス王国への罰である。
国交の断絶。
これがまだ友好関係であればそれもあるだろう。
しかし、友好関係にない国から国境を越えることを禁止されるなど不名誉でしかない。
国王の生前譲位の理由も知れ渡って、マクベス王国の信頼は地に落ちた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勘違いって恐ろしい

りりん
恋愛
都合のいい勘違いって怖いですねー

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

どうぞお好きに

音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。 王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

本当に、貴女は彼と王妃の座が欲しいのですか?

もにゃむ
ファンタジー
侯爵令嬢のオリビアは、生まれた瞬間から第一王子である王太子の婚約者だった。 政略ではあったが、二人の間には信頼と親愛があり、お互いを大切にしている、とオリビアは信じていた。 王子妃教育を終えたオリビアは、王城に移り住んで王妃教育を受け始めた。 王妃教育で用意された大量の教材の中のある一冊の教本を読んだオリビアは、婚約者である第一王子との関係に疑問を抱き始める。 オリビアの心が揺れ始めたとき、異世界から聖女が召喚された。

冬薔薇の謀りごと

ono
恋愛
シャルロッテは婚約者である王太子サイモンから謝罪を受ける。 サイモンは平民のパン職人の娘ミーテと恋に落ち、シャルロッテとの婚約破棄を望んだのだった。 そしてシャルロッテは彼の話を聞いて「誰も傷つかない完璧な婚約破棄」を実現するために協力を申し出る。 冷徹で有能なジェレミア公爵やミーテも巻き込み、それぞれが幸せを掴むまで。 ざまぁ・断罪はありません。すっきりハッピーエンドです。

何故恋愛結婚だけが幸せだと思うのか理解できませんわ

章槻雅希
ファンタジー
公爵令嬢のファラーシャは男爵家庶子のラーケサに婚約者カティーブとの婚約を解消するように迫られる。 理由はカティーブとラーケサは愛し合っており、愛し合っている二人が結ばれるのは当然で、カティーブとラーケサが結婚しラーケサが侯爵夫人となるのが正しいことだからとのこと。 しかし、ファラーシャにはその主張が全く理解できなかった。ついでにカティーブもラーケサの主張が理解できなかった。 結婚とは一種の事業であると考える高位貴族と、結婚は恋愛の終着点と考える平民との認識の相違のお話。 拙作『法律の多い魔導王国』と同じカヌーン魔導王国の話。法律関係何でもアリなカヌーン王国便利で使い勝手がいい(笑)。 『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。

“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします

ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。 マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。 それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。 ※複数のサイトに投稿しております。

処理中です...