愚かな貴族を飼う国なら滅びて当然《完結》

アーエル

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第2話

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「元お父様に元お母様。に縋りつきたかったのかも知れませんが、すでに没落していることをいつになったら納得されるのです? 皆さん、この二人を姿でお帰りいただいてくださいな」
「ま、待ってくれ!」
「話を聞いて!」
「いやです」

元両親は執事たちに両脇を掴まれて席を立たされました。
そしてそのまま食堂から引きずり出されていきます。

「ここは。ですが没落した今は私が買い取ってです」
「私たちはあなたの親なのよ!」
「はい、昨年までは」
「え……?」
「それはどう言う……」
「元お母様が没落前に、私の廃籍を貴族院に申請して受理されています。つまり、あなた方は『赤の他人の家に住み着いた腐れ外道』です」

実際、今は夕食の時間です。
ですが、食卓には私の食事が並んでいるだけです。
帰る時間が遅かったため、という理由もありますが。
食事などを強要されたらで食事を与えるように伝えています。
ほかにも人件費や清掃費、その費用はお支払いいただきますよ。
赤の他人となった私は施しなどする気はございません。

「ここから追い出されてどこに住めというのです!」
「ああ、ご安心ください。その心配は必要ございません。ちょうどお迎えも来られたようです」

私の言葉と共に玄関の扉が開かれて、お迎えの役人たちが使用人たちに連れられて近寄ってきました。

「デイジー商会会頭宅に住み着いた不届き者はこの二人ですか?」
「私たちはマルゲリータの親よ!」
「マルゲリータ? それは一体どなたのことです? 私はマーガレット、デイジー商会の会頭です」

そう、私は生まれてから昨年この家から追い出されるまでの名前はでした。
そして今はマルゲリータの異国読みのと名乗っています。
どちらもデイジーという花の別名です。

「さっき……私たちの次の住まいを心配する必要がないって……」
「はい。先ほども申し上げましたとおり、あなたには数多くの殿方から愛のこもった訴訟ラブレターが届いております。牢獄経由監獄行きですから、今後のお住まいは心配なさらなくても大丈夫ですわ」
「私は、私は……そのことに関係ないはずだ」
「何故ですか?」
「ここがお前の家なら」
「無関係の相手ですわ」
「しかし、ここの家を買い取ったのは私たちと住むためだろう?」
「まさか! ここを買いとったのは、あなた方の没落で職をなくす使用人たちの再就職のためと……あの庭の片隅に埋められたフランソワのためですわ」

私の言葉に二人は身体を硬直させた。
フランソワ、彼は私の義弟です。

「そちらもすでに訴訟を受け取っております。これ以上騒げば処刑一直線ですよ」

役人のひとりから脅しともとれる言葉を吐かれて、両親だった人たちは護送馬車に乗せられて私の前から去っていった。



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