32 / 42
【第31話/71日目】 悠真の告白「お前が女でも、俺は──」
しおりを挟む
夕暮れ前の校舎裏。
グラウンドから聞こえる部活の掛け声も、どこか遠くに感じた。
誰もいない、二人だけの空間。
沈黙の時間が、やけに長く思えた。
「なあ、陽翔」
突然、悠真が真顔でそう切り出した。
その声に、思わず息を止める。
「……お前がさ、仮に“女”になったとしても」
「……」
「たぶん俺は――変わらねぇと思う」
その言葉が落ちた瞬間、心の奥がぶわっと熱くなった。
冗談じゃない。
ふざけてもいない。
悠真は、いつも通りの不器用な口調で、ただ真剣にそう言った。
「いや、たぶんって言っても……正直、自分でもよくわかってねぇけど」
「でもな、最近のお前見てると……なんか、普通にドキッとすることあるし」
「それってさ、多分もう“男とか女とか”じゃなくて、“お前だから”なんだろうなって」
言葉が、胸の奥をまっすぐ突き刺した。
気づけば、何も言えなくなっていた。
冗談でごまかすこともできなかった。
「気のせいだよ」って笑うことも、できなかった。
“女になっても変わらない”。
その言葉は、ただの慰めじゃない。
“今の私”を、まるごと受け止めるという覚悟だった。
「……ありがと」
それしか言えなかった。
けど、そのひと言の裏に、あふれるほどの気持ちが詰まっていた。
胸の奥が、熱くて、苦しくて、嬉しくて。
泣きたくなるほどの安心感が、言葉にできないほど大きかった。
「お前が誰でも、お前が“お前”なら――たぶん、俺はずっと一緒にいられる気がする」
そんな悠真の笑顔が、
今まででいちばん、眩しくて優しかった。
──71日目。性別を超えて、心が抱きしめられた。
グラウンドから聞こえる部活の掛け声も、どこか遠くに感じた。
誰もいない、二人だけの空間。
沈黙の時間が、やけに長く思えた。
「なあ、陽翔」
突然、悠真が真顔でそう切り出した。
その声に、思わず息を止める。
「……お前がさ、仮に“女”になったとしても」
「……」
「たぶん俺は――変わらねぇと思う」
その言葉が落ちた瞬間、心の奥がぶわっと熱くなった。
冗談じゃない。
ふざけてもいない。
悠真は、いつも通りの不器用な口調で、ただ真剣にそう言った。
「いや、たぶんって言っても……正直、自分でもよくわかってねぇけど」
「でもな、最近のお前見てると……なんか、普通にドキッとすることあるし」
「それってさ、多分もう“男とか女とか”じゃなくて、“お前だから”なんだろうなって」
言葉が、胸の奥をまっすぐ突き刺した。
気づけば、何も言えなくなっていた。
冗談でごまかすこともできなかった。
「気のせいだよ」って笑うことも、できなかった。
“女になっても変わらない”。
その言葉は、ただの慰めじゃない。
“今の私”を、まるごと受け止めるという覚悟だった。
「……ありがと」
それしか言えなかった。
けど、そのひと言の裏に、あふれるほどの気持ちが詰まっていた。
胸の奥が、熱くて、苦しくて、嬉しくて。
泣きたくなるほどの安心感が、言葉にできないほど大きかった。
「お前が誰でも、お前が“お前”なら――たぶん、俺はずっと一緒にいられる気がする」
そんな悠真の笑顔が、
今まででいちばん、眩しくて優しかった。
──71日目。性別を超えて、心が抱きしめられた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる