古都―名前を奪われた青年と明日を持たぬ剣士の物語―

静谷悠

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冬至祭編

六、ドルーゼン邸にて*

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 ルードルフが目を開けたのは、深夜だった。繊細なレースのカーテンの向こうには大きな窓硝子がはまった窓があり、半月が西の空に沈もうとしている。燭台には一本だけろうそくが灯され、室内を穏やかな光で照らし出していた。身体にかかっているのは、触ったこともない、新雪のように軽い羽毛布団である。ルードルフは、一瞬自分がどこにいるのか分からなくなった。
 壁際の剣掛けシュヴェルツシュテンデルには、彼の相棒である細身の両刃剣が立ててある……自分では覚えがない。
 足元に重みを感じて、目をやると、そこには、白金の髪を惜しげもなく布団の上に乱し、椅子に座ったままうつぶせて寝息を立てる青年の姿があった。
「レッチェン……」
 そこまでの経緯をようやくルードルフは思い出した。ルードルフは、レッチェンと共に、ドルーゼン伯爵邸に保護されたのである。
 ドルーゼン世継侯爵暗殺未遂事件は、宮廷警吏たちが容赦なく追及したにもかかわらず、未だ黒幕の同定には至っていない。関係者全員が、あの家の名を脳裏に浮かべているにもかかわらず、追及を許さない家名の重みがそこにあった。
 ゲオルクが三週間に渡りレドリッヒ家に監禁されていたこと、そしてルードルフ・エーデルクロッツが脅されてエーデルハイト侯暗殺を仕向けられたことさえも、証拠がないためうやむやになる可能性があった……

(あの刺客、殺さないほうがよかったかもしれない)

 ルードルフは、包帯を巻かれた右手を見ながら振り返った。レッチェンの命を守らなければと思った時に、一番簡単で効率のいいやり方に、勝手に身体が従ってしまった……相手は許しを請うていて、素人で、おそらく簡単に制圧できる相手だったのに……
 だが、もしもそうしていたら、ルードルフが毒に倒れ、レッチェンが必死に救命する最中に反撃されていた可能性もあった。
 余計なことを考えるな、と言ったヴィーゼルの言葉を思い出す。
(そうか、俺は……こいつを守るためなら、今も、余計なことを考えずに動けるんだな)
 手を伸ばし、髪に、頬に触れていく。
 青年は、身じろぎ、吐息をついて、ゆっくりと目を開けた。
「ん……ルーディ……」
 夢を見ているように呟く。

「ほんとに、おまえなんだな……」
 
 離れていた時間、どれだけの思いを積み上げてきたのか、想像するに余りある一言だった。囚われていたレッチェンを目にしたあのとき、石の床に倒れていた痩せた身体をどれだけ抱き上げたいと思ったか、自身の思いが胸に迫り、応えるルードルフの声はかすれた。
「……ああ、俺だよ、レッチェン」
 目が覚めてきたのか、レッチェンは手を伸ばしてルードルフの手に触れ、脈を診た。「もう、大丈夫そうだな……寝てたのか、俺は」
「疲れただろう。ずっと診ていてくれたのか?」
「おまえが自分で呼吸ができるようになってからは、大したことはしてない。ただここにいただけさ」
「レッチェン……おまえがいなければ、俺は」
 ルードルフは、言葉を切った。大きすぎる感謝の念を、どう伝えればいいのか分からなかった。青年は、ルードルフを見つめながら、痛みを堪えるように微笑んだ。
「奴らに捕まっている間、何度もおまえの夢を見たよ……おまえの声を、手を夢に見て、でも目が覚めたらそばにおまえはいなくて、……何度心が折れたか分からない」
 彼は手を伸ばし、ルードルフの頭を掻き抱いた。

「永遠に……そうなるところだった」

 レッチェンの声は震え、宙に消えた。
「約束しただろ」
 ルードルフは、青年の骨ばった胸に額を預けてささやいた。「死なないって」
「そうだな」泣き笑いのような声で、レッチェンは言った。「おまえは……約束、守ってくれたんだな」
「おまえもだろう」
 ルードルフは顔を上げ、ちょっと微笑むと、青年の冬の陽光を思わせる白金の髪をかき上げた。「俺を諦めないって、おまえは約束したけど……あそこまで諦めが悪いとは思わなかった。側にいたのがおまえじゃなければ、俺はあっさりあの世に行っていたよ」
「そもそも、俺のために死にかけたんだろ、おまえは……」
「そうだよ」
 ルードルフは、青年の両手を取ると、自分の頬を挟むようにして口づけた。
「おまえには、何でもしてやりたい……全部、何でも」
「それで、おまえが死にかけても?」
「だって」ルードルフは手の中にささやいた。「おまえが助けてくれるんだろ?」
「俺がやめてくれ……って言っても?」
 レッチェンの声は、傷ついたように軋んだが、ルードルフは微笑んで言った。「そう」
「ひどいな、おまえ……」
 レッチェンは、そっとルードルフの顔を仰向けさせ、その唇に口づけた……そこには、まだ二人とも微かにベラドンナの苦味が残っていた。お互いの吐息を味わいながら口づけを深めていく。生きるためではなく、ただ喜びを分け合うために。
「おまえさ、俺も、おまえに何でもしてやりたいんだって……分かってる?」
「何でもって」ルードルフの声に笑いが混じった。「例えば?」 
「例えば」レッチェンの呼吸は、浅く途切れた。「おまえがしてほしいことなら、何でも」
 ルードルフの手が伸び、レッチェンの頭蓋を抱いた……そのまま、羽布団の上に青年を引きずり倒す。波打つ髪が青年の肩からこぼれ、ルードルフの顔を包んだ。
「じゃあ、今すぐくれよ。おまえの全部」
 ルードルフの声は、焦がれるようにかすれた。「おまえ、昼からあんなに熱烈にキスしておいて……そのまま放置とか、ほんとに、拷問か」
「だって、……おまえ、身体がまだ力入らないだろ」
「だから、おまえがしてくれって言ってんの」耳元にささやく。
「俺……我慢できないかも」喘ぐように、レッチェンは言った。「おまえの負担になる……」
「いいだろ、もう、我慢しなくったって…」ルードルフは言い、レッチェンの頭を引き寄せ、口づけた。

 レッチェンは、ぎこちなく、シャツの紐を解き、壊れ物に触るように恋人の身体に触れた。
 ろうそくの明かりに、ルードルフのしなやかな裸体が浮かび上がり、レッチェンは小さくため息をついた。
「綺麗だな……」
 ルードルフは笑った。「なんだ、それ、照れるだろ……」
「おまえはいつも言ってるくせに」
 レッチェンは、言いながら、臍のくぼみに口づけた。「綺麗だよ。いつも思ってた」
「んっ……」小さく、ルードルフは呻いた。
「気持ちいの?」
「うん……」
 ルードルフは、髪の間に指を梳き入れ、そっとレッチェンを引き寄せた。「おまえに触られるの、好きだよ」
 唇で敏感な場所を探ると、頭皮に触れているルードルフの指に力が入った。「うっ……おまえ、それ……」
 くちびると舌で、愛撫を深めていく。ルードルフの身体が一つ一つの愛撫に応えて震える。
「くっ、……おまえ、……俺の真似してるだろ」
「うん……」頬ずりするように舌を使いながら、恋人の表情を伺う。「だって、他に知らないし」
「……そうなのか……?」
「知るかよ、こんなの」
 優しくキスしながらささやく。「おまえだけ」
「うわ……おい」ルードルフの手に力が入った。「あまり保たないから、……離せよ」
「なんで」
「なんでって……」
「いいだろ、おまえは今日は保たなくても」
 低い声で、レッチェンは呟いた。喉奥まで深く受け入れ、強くこすり上げる。
「くっ……うあ……ああっ……」
 ルードルフは、レッチェンの髪を掴んだまま、声を漏らして、達した。
 息を荒くしながら身体を起こし、ささやく。
「……だから、離せって言ってるのに……ほら、出せ」
「飲んだからいい」
「は……?」
 ルードルフが多少なりとも赤面するのを、レッチェンは初めて見た。「おまえ、……何やってるんだ」
「そうしたくなっただけだよ」
「……使えないだろ」
「もっといいのがある」
 レッチェンは寝台から滑り下りると、卓上からルードルフの切り傷の手当てに使った軟膏の壺を持ち出した。
「え、おまえ、こんなことに使うのか、それ」
「一番いいだろ」
 言いながら、高価な薬を惜しげもなく指に絡める。ちょっと微笑んだ。「なんかさ、おまえが照れてるのって、いいな」
「ほんと、おまえ……」
 彼が苦情を呈そうとしたとき、レッチェンは唇でそれを防いだ。深く口づけながら、ゆっくりとルードルフの身体を開いていく。ルードルフは、くぐもったうめき声を漏らした。
「……辛いか?」
「いや……」
 ルードルフは、恋人の頭を抱き寄せた。
「ちゃんと、気持ちいいよ……」
 レッチェンは、ルードルフの左頬に残るまだ生々しい傷跡に口づけた。
「この傷も、俺のためなのか……?」
「あんまり聞くなよ」
 ルードルフの声が、低くなった。「……負けたときの話なんかどうでもいいだろう」
「おまえが負けることなんて、あるのか」
 しばらく、ルードルフは口を噤んでいたが、やがてため息をつくと言った。
「おまえがいなかったからだよ」
「え……」
 レッチェンは、いったん体を離して座りなおした。ルードルフは小さく声を漏らして眉を寄せた。
 恋人の顔をまじまじと見つめる。
「どういうこと?」
 彼から視線を外していたルードルフは、ややあって、観念したように目を伏せた。
「……おまえがいないと、俺は駄目だ」
 心底苦々しそうに、ルードルフは言った。「おまえがいない間、めちゃめちゃだった…余計なことを考えて、集中力は落ちるし、判断も間違う。おまえが俺の側でいつもどおりにしていてくれないと、……俺は戦えない」
「おまえ」レッチェンは呆れて言った。「俺がいると俺のために命を張るくせに……俺がいなくても駄目ってこと?」
「そうだよ」
 ルードルフは、深くため息をついた。「……本当に困る」
「おまえには、損ばかりさせてるな」
 思わず漏れたレッチェンの言葉に、ルードルフは、ようやく少し笑った。だが、レッチェンは本気だった。
「俺は、おまえがいたから頑張れたのに」レッチェンはささやいた。「おまえがいたから、乗り越えられたんだ……おまえが見てるって思ったから、聴衆の前でも声を震わせずに済んだ。おまえのところに帰りたかったから、俺は、あの地下牢でも、自分を捨てずに済んだんだ。おまえが抱きしめてくれたから……」
 声が歪み、喉につかえた。「俺は、生きててもいいって思えたんだよ」
「レッチェン――」
 ルードルフの腕が背に回り、きつく抱きしめてくる。触れ合う頬に、温かな涙が流れていく。ルードルフの唇が、それを食むように優しく吸い取っていった。
「レッチェン……俺だって、おまえにもらっているよ」
 耳元にささやかれた声は、かすれていた。指が髪に差し入れられ、愛おしむようにひとふさひとふさを梳いていく。
「おまえと会うまで、俺は……今日一日がなんとかなればよくて……明日も生きていたいなんて、思ったことはなかった。……死にたくないと……生きていたいと、心から思えたことなんて、なかったんだ」
 唇を触れ合わせながら、恋人はささやいた。

「おまえに会えて良かった……」

「ルーディ」
 震える声で、レッチェンは言った。
「俺は……おまえを諦めない。だから、おまえも、おまえ自身を諦めるな」
 恋人の青い眼が、驚いたように見開かれた。レッチェンは、一言、一言を吐くように続けた。「ただ、生きてるんじゃなくて……幸せに生きることを、おまえがおまえであることを、諦めるなよ」
「…なんだかなぁ」
 ルードルフは、ちょっとなにか思い出たように笑った。
「おまえも、どんどん欲張りになるな…俺が、おまえの隣でこうして生きてるだけじゃ足りないの」
「当たり前だろ」レッチェンは切実にささやいた。「駄目なのか?」
 ルードルフは微笑した。
「駄目なわけないだろう」レッチェンの薄い瞼に口づけながら、彼は言った……「言っただろ…愛しいひとマイン・シャッツ、俺は、おまえのためならどんなことでもしてやりたいんだって」



 何度目にか、ルードルフは懇願していた。「もう……いいから」
 が、レッチェンの答えは同じだった。
「うん……もう少しだけな」
「おまえな……」ルードルフは喘いだ。「さっきから何回それ言ってるんだ……」
「おまえのこと、怪我させたくないし」
 レッチェンは微笑した。「それに、おまえがおねだりするのって、なんかいいし」
「……おまえ、そんなに性格悪かったか」
「おまえの真似に決まってるだろ」
「何でもいいから、もう」ルードルフは顔を隠して声を絞り出した。「早くくれよ……!」
 その声に、レッチェンは自制を忘れた。

「う、っ、う……うぁ……っ!!」

 ルードルフが喉声でうめくのを耳元で聞きながら、レッチェンは胸の底からため息をついた。 
「ルーディ……ずっと、こうしたかった」レッチェンはささやいた。「おまえ、お預け長すぎ……」
「お預けしてたのは、おまえだろ……」
「違うよ、忘れたのか」
 レッチェンは詰った。「俺がおまえを気持ちよくしたいって、言ったのに、おまえが、ずっとお預けっていうから……俺は……」
 ルードルフの青い瞳が、レッチェンをのぞき込んだ。恋人は、小さく喘いでから、そっと微笑んだ。
「俺だって……ずっと、こうしたかったよ」
 彼は耳元でささやいた。
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