疎遠だった幼馴染と付き合うことになったけど異世界に飛ばされました！

本編

第54話

＜あらん視点＞

ルナちゃんとゆうくんに今までの状況とこれから僕がどうしたいか説明をするとゆうくんは難しい顔になった
「これ結構やばくないか？俺らが抱えるような問題じゃないような…」
「たしかに、でもあらんお兄ちゃんたちがこの世界に呼ばれたのって魔王を倒すためでしょ？魔族は魔王の手先だからうまくいけば魔王の居場所がわかるかも」
「んーでも方法は？その神子のふりしてる魔族も反撃してくるでしょ？それにあらんお兄ちゃん精神魔法使えないから洗脳できないよ？」
「あーそっか。あらんお兄ちゃんでも使えない魔法あったね」
「クロはあらんお兄ちゃんが魔力を込めて作ったものを魔族の服とかに紛れ込ませるのがいいと思う」
「あっ！それだよ！クロくんのアイデアいいね！それならゆうくんも許してくれる？」
といまだ難しい顔してるゆうくんに上目遣いでお願いするとすぐ顔を背けてきた
「ゆうくん、上目遣いのお願い弱いよね？」
「うわ、あらんお兄ちゃんわかっててやってるの？こわ…」
「え、まってあおくん怖がらないで！ゆうくんがわかりやすいだけだよ！」
慌てながらあおくんに言い訳をし抱き上げてむぎゅーって抱きしめてるとゆうくんが復活した
「まぁ、あらんがいったことは後で俺がお仕置きするってことで。クロの作戦はいいと思うぞ？」
「ちょ、お仕置きってどういう…」
「ゆう兄ちゃん、そろそろみんなと合流しないと」
「ん？あーそうかあらんフード被らなくていいぞ？あおもクロもルナも」
「え？僕はともかくクロくんとあおくんも？」
２人は獣人とエルフだってあまりわからないような見た目でクロくんは尻尾と耳を隠してるけどあおくんは耳が少しとんがってるからわかっちゃうと思うんだけど…
「だってこいつらを差別したり貶したりするやつらを仲間だと思いたくないからな」
「そんな人たちじゃないと思うんだけどなぁ…まぁ、いいやゆうくんがそう思ったなら必要なことだもんね」
「まぁ、耳としっぽ出すかはクロに任せるけど」
「りょーかい。ってもう出してるね。んじゃ、外に出ようか！」
「「「「はーい！」」」」
返事を聞いてから僕はあおくんを抱えたまま馬車から出た




馬車から出るとまずリーゼさんが駆け寄ってきてくれた
「あぁ、よかった！あらんくん、ほんとに無茶しすぎですよ？でもありがとうございます」
「ふふふ、リーゼさんのお友達を守れるのなら頑張るよ！んでね、僕たち馬車でお話してたんだけど…」
僕たちがこれからやろうとしてる作戦を事細かにみんなに教えた
「とりあえず作戦は分かった。でもあらんく…いやあらん様、その髪色と目の色って…」
と言いづらそうにテテさんが話しかけてきた
「あはは、改めて自己紹介しますね！僕は今回召喚されて神子、結城愛蘭です。それでこっちが一緒に転移してきた佐藤悠璃。わけあって一緒に住むことになった半獣人のクロくん。ハーフエルフのあおくん。精霊のルナリアちゃん。の5人が僕のパーティメンバーと言うか家族です」
次はフィリユスさんの番と言うことで、手を向けた
「んじゃ、次は俺らだな。聞いたことあると思うが、公爵家次男のフィリユス・シーベルトだ。こっちが妻の元リガルト王国の第３王女リーゼロッテことリーゼだ。今はファルム街のギルド統括をしている。まぁ、一応こいつらの保護者？みたいなもんだ」
おー！初めて苗字聞いたかも！あとあと僕たちがいつもいる街のお名前も初めて聞いたし、隣国の名前も今初めて知った！ちゃんと覚えておかないと…！
「では次は私たちだね。私はサーシャでこっちがテテ。Aランク冒険者よ」
ふむ、Aランクって結構ランク高くない？そりゃ、神子が偽物だって気づくか。んじゃ、最後はと、視線をカインくんのほうに向けた
「最後は、私ですね。私はこの国の第１王子のカイン・アドリーヌです。今はお忍びだし正式な場ではないからさっきと同じように接してほしい」
「よし！みんな終わったね！僕のことは今まで通りでいいしカインくんも今は正式な場所じゃないからさっきと一緒で軽い感じでいいよ」
言いながらちらっとカインくんのほうを見るとホッとしたように頷いていた。
「とりあえず、あらんたちの方法で行くのはいいとしてたぶん大きな魔石のほうが魔王城にすぐ持っていくと思うぞ？魔族本体つけるとなるといつあいつが本国に帰るかわからないから時間がかかる」
「たしかに…その方法で行くならあらんが魔力を込めた小さな魔石をそいつにくっつけて渡せば」
「でもでも、誰が偽神子に渡すの？あらんお兄ちゃんが行くと魔力の形でわかっちゃうよ？」
「あ！クロは、サーシャさんたちがいいと思う！」
ってみんなで話し始めてしまい手持ち無沙汰になった。
んー先に魔石でも取りに行こうかな…『探知』………あ、ここから10階層くらい下がったとこに強い反応あるからこいつの魔石でいいよね！よし、思い立ったらすぐ行動！ということであおくんを手招きして抱き上げ、みんなに念話で『魔石取ってくるから気にしないで～』と言い飛行魔法を使いダンジョン下層を目指した。