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本編

第55話

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『ストーンバレット』よし!命中!いや~ワンパンするのは気持ちよすぎる…と思いながら階層ボスを倒していって気づいたら目標のボス部屋にたどり着いていた。何の魔法で倒そうか考えていると今まで黙って抱かれていたあおくんが話しかけてきた。
「あらんお兄ちゃん!ここのボス部屋あお倒したい!あおね、新しい力を手に入れたからそれを試してみたい!」
ん?新しい力?ってことは新しい魔法かな?それなら僕も気になるからと二つ返事で承諾しボス部屋に入った。するとあおくんの魔力が4ついや本人も入れて5つに分かれたと思ったら5つの方向からそれぞれ魔法が放たれた。しかも全部上位魔法。それらの魔法をまともにくらったボスは何もできずに絶命し魔石を落とした。あおくんはその魔石を拾って笑顔で渡してくれた。
「はい!あらんお兄ちゃん!この大きさの魔石は初めて見たしなんかみんな強かった~って言ってるから変異種かな?あおたちでよかったね!」
「……あおくん?まさかいや、うん、精霊と契約した…?」
「おー!あらんお兄ちゃん正解。ほんとはこの子達もルナちゃんと同じように人化したかったんだけど迷惑になりそうだからってのとただ単にあおの魔力が足りなかったってのもある」
なんか…僕は規格外だ~とか周りの人たち言うけどあおくんだって規格外な気がする…精霊たちが渡された魔力ってほんとは中級ぐらいの魔法しか使えないのに上級魔法になってるし威力もちゃんと調節してるから…なんというか僕と同じくらいになってしまった…と物思いにふけっていると腰あたりにあおくんが突っ込んで顔をおをぐりぐりしながら
「あらんお兄ちゃん怒った…?あおが勝手に契約したこと…」
と涙目で言ってきた。僕はすぐに抱き上げ背中をなでながら
「怒ってたわけじゃないよ?ただびっくりしただけ!も~あおくんはすぐ泣くんだから~愛情不足?毎日起きるたびに大好きだよって言おうか?」
と聞くとあおくんは涙を拭きながら頷いている
「ふふっ、あおくんは可愛いな~よし!とりあえず魔石は回収完了!あとはあそこにある宝箱を開けてみんなの床に戻ろっか」
「うん!……あおが開けていい?」
あはは…すっかり元気になって~いや毎日大好きって言われるのがうれしいのかな?さっきまで泣いてたくせにな~とか思いながら頷きあおくんについていった。

「わぁ~!これって杖?かな?2本あるよ!黒色と白色だ!」
「ほんとだ。ちょっと鑑定していい?」
「いいよ~!あお黒色のほうがいいな~」
それに微笑みながら2つの杖に鑑定をけると名前と効力、特殊能力が出てきた
「えーと、黒色のほうは、名前が宵闇の杖、能力が使用する魔力消費を大幅削減、特殊能力として『飛行』が魔力消費なしで使える。白色のほうは、名前がユニコーンの杖、能力が使用する魔法の威力上昇、特殊能力は魔力探知が知っている魔力なら無条件で可能だって………これって国宝級に匹敵しない?」
「うん…この杖たち強すぎる…でもダンジョンで手に入れたものは冒険者のものだし、もらっとこ?」
「……だね!思いがけず武器を手に入れれたってことで!やっぱあおくんは宵闇の杖がいい?」
「うん!あらんお兄ちゃんとゆうりお兄ちゃんの色だもん!」
「わかった、なら僕はユニコーンの杖だね!それじゃ、そろそろみんなのとこに戻るよ~?」
と言うと床に置いといた魔石をあおくんが広い手をつないできた。それを確認してゆうくんたちのもとへ『転移』を発動させた。
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