Another World

第一章

吐息

俺には相棒がいる。
俺のせいで迷惑かけたり、嫌がられたりしてる時もある。
でも、相棒はいいやつなんだ。
俺は単刀直入にいうと熱い男だ。
今の時代、流行らないだろう?
かまわないさ。
相棒が俺を必要とする限り、そばにいる。
そんな相棒が、どんより重い吐息をこぼした時は、本当につらい。
何とかしてやりたい。
相棒の吐息成分は、疲れ、痛み、悲しみ、ストレス、怒り、そんな感じだ。
俺は相棒の吐息成分を、少しでも軽くしてやりたい。
でも、不安だ。
俺は嫌われものだからな。
なぁ、相棒。
俺はお前の役にたててるか？


男は喫煙スペースのベンチで、深い煙を吐き出した。
少しの心の重しをのせて。
煙の先には、青空が待っている。