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第5部 ギウリーク動乱篇~ミトラへの道
第220話 逡巡無用
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異世界勇者夏ノ目秋流の殺戮ターイム!!
「さあて、そろそろ、行きますか!」
オルガっちは、楽しげにデスサイズをくるくると回した。刃を折りたたんで、布をかぶせているので、それは棒状の武器にしか見えない。
ミランは、こっちを見ている。めっちゃ見てくる。
“殺るよ、殺るよ、殺っていいんだよね? 殺っちゃうよ。”
視線が雄弁に語りかけてくる。
びびりまくっておしっこ漏らしそう・・・な、気がするだけで、わたしはびくともしない。さすが邪神!
・・・・それにしても、わたしの信徒どもは、12使徒も含めて、いまんところ、誰一人、わたしの役にたってくれてないのだが。
ドロシーさんが、部屋着を脱ぎ捨てた。わたしも見たことのある、あの銀のボディスーツだ。
体のラインが筋肉の線まで、くっきりと見える。
たしかギムリウスの糸で作ってあって、斬撃や魔法に耐性が強い。打撃かと思えば組技、関節と見せかけて至近距離からの自爆覚悟の魔法攻撃、と、常に裏をかくのが彼女の戦い方だ。
表情はきりりとしている。
残念姫はさかんに「鶏ガラ」を連発するが、これはルトと仲良くするドロシーさんに対する嫉妬だろう。
はっきりいって、ドロシーさんはスタイルがいい。おっぱいのサイズがどうこういうのなら、フィオリナさんだってねえ・・・
「先にゼナス・ブォレストを殺る。」
オルガっちの表情にまったく暗いところはない。もともと殺人というものに対する禁忌がまるでないのだ。
なんでそうなってしまったかというと、わたしのせいなのだ。
わたしが、人の世に降臨するときの器にするために、わたしの性質に近い形に、オルガを作りあげてしまったのだ。体も心も。
「手筈をきめておこう。まずわらわが左足を斬るから、ドロシーは右足を氷の矢で貫いて。倒れたところにアキルが右手を剣で指す。
それでだいたい動けなくなるから、指を一本ずつ切っていこう・・・」
「あのぉ。オルガっち・・・この場合の手筈ってそういうもんかな。」
「すまん! アキル。指を切るより爪をはがすべきだったな。
悲鳴がもれないように防音の障壁はわらわが構築するから大丈夫なのじゃ。今夜は、別々の寝室にいったのを確認しているから。」
いや、鍵のかかった寝室のドアをどうするか、とか打ち合わせることはいくらでもあるでしょ!
この殺人鬼どもがっ!
唯一、まともだと思っているドロシーさんを見やると、彼女もこちらを見ていた。
「アキル・・・つき合わせしまってごめんなさい。」
やや青い顔で、彼女はぺこりと頭をさげた。
「わたしも・・・どこかで命を奪う戦いをしないといけないと、そう思うから。お願いします。」
殺戮祈願をされても困るう。あ、いいのか、わたし邪神だし。
屋敷の中は静まり返っていた。
最小限の護衛を残すとか、そんな発想はないのだろうか。これはまるで。
ゼナス・ブォレストとキッガを「好きにしてくれ」と、そう言わんばかりじゃないか。
廊下のところどころに、ほの白い魔法の灯りが灯っていた。
この街も電化が進んでいるのは、駅周りのごく一部だけなのだ。
2階に上がろうとした階段の前に、そいつはいた。
「やあ、アキル。」
ウォルトと名乗るルトは、手を上げて挨拶した。
わたしは少しホッとした。なぜって、わたしはドロシーに人を殺させたくはなかったから。
ここで、ルトが待ってるってことは、そういうことだよね。
「部屋に戻っていてくれないかな。この屋敷では今晩、何人かが死ぬんだろうけれど、それはきみたちが手を下す必要はない。」
「アキル!」
オルガっちが言った。なんて楽しそうなんだろう。
「この坊やを知ってるのか?」
「ああ・・・昼間会った時に自己紹介してたでしょ? グランダ出身の学生でミトラに魔法を学ぶために留学中のウォルトくんだよね。」
「その前から知っているよ、のお。」
わたしはオルガっちの顔を見た。わたしによく似た黒い目、黒い髪。ただ、わたしよりも大人でわたしよりも美人だ。
西域八強の一角、銀灰皇国から、指名手配を受ける皇女。闇姫オルガ。
「こんな魔力は見たことがない。」
オルガは、たたんであったデスサイズの刃を開いた。
「わらわは魔道院に留学していたことがあってな。グランダはくそ田舎だったが、ボルテックはなかなか面白いやつだった。
久しぶりに会ったが、あの若作りには驚いたのじゃ。
全く楽しませてくれる。
さて、わらわがかの北国を訪れたのは、もう十年の昔になる。
わらわはボルテックに振られてグランダを去ってしまったから、『一人スタンピート』と『魔王の再来』には、巡り合わずじまいじゃ。」
「・・・・・」
「わらわは、グランダの動向にはずっと気を配っていたのだよ。
絵姿も取り寄せたことがある。
あぬしは、まあハルト王子によく似ておるの!」
「オルガさん・・・確かにウォルトはルトに・・・よく似てますけど。」
ドロシーさんが、言う。
「そうだな。わらわの取り寄せは絵姿は、確かフィオリナとハルトが14のころじゃった!
そういう意味ではそっくりではないの!」
「わたしは・・・ルトを知ってるんです。」
「それがまた面白い!
ルトだかハルトだかいうグランダの傑物を知ってるものはみな、目の前のこやつを別人という。
会ったことのない、わらわだけがこの坊やがハルトだと思っておる。」
「えっと、つまりそれは」
「認識をねじ曲げておるのじゃ。
そんな魔法は古今東西、例を見ぬ。
だが噂に聞くハルト王子ならそのくらいはやってのけるじゃろ。」
「それはまた」
少年はのろのろと言った。
「過分にご評価いただき」
ドロシーさんをみたら、真っ青になって、がくがく震えている。
わたしは、そばによってそっと体を支えてやった。
といってもドロシーさんのほうが背が高いんだけどね。
「うそ・・・ウォルトが、ルト、なの?
そうなの?
なぜわたしは」
泣くな!
泣くほどのことか!
「わたしは、あんなに会いたいと思ってたあいてが目の前にいたのに」
ああ、そっちか。けっこう罪作りなことをしてくれるね、ルト。
「ひとつ、提案なんじゃが」
オルガっちは、睨めつけるようにルトを見ながら!すごい笑いを浮かべた。
「お主は、閉鎖空間をつくれるか?
苦手ならわらわがやるが。」
「それはどういう?」
「決まっておろう!
おぬしとわらわがやり合うのに、アキルたちが邪魔になるからじゃ。
ああ、わらわたちが閉じこもるのではなくて、アキルたちだけを閉じ込めるほうでもよいぞ。
その場合は、わらわたちの戦いの余波で屋敷はふっとぶので、局長どのと性悪女の命も奪えて一石二鳥じゃが?」
「あ、あの」困ったようにルトくんは言った。「そっちだと、屋敷のいるロデリウムのご老公やクローディアの親父殿や」
「なんで、わたしは心配してくれないのかなっ!」
いつのまにか、天井から逆さ吊りになったロウさまがそんな事を言った。
「ドロシーたちはわたしが引率するから、思う存分オルガと遊んでくるが、いいよ!」
「保護者の許可も出たところで」
オルガっちの影が、とろり、と実体味を帯びた。
「秘めやかな愉しみごとをしよう。
知っておるか?
お主のわらわの間には縁談も持ち上がっていたのだよっ!」
「さあて、そろそろ、行きますか!」
オルガっちは、楽しげにデスサイズをくるくると回した。刃を折りたたんで、布をかぶせているので、それは棒状の武器にしか見えない。
ミランは、こっちを見ている。めっちゃ見てくる。
“殺るよ、殺るよ、殺っていいんだよね? 殺っちゃうよ。”
視線が雄弁に語りかけてくる。
びびりまくっておしっこ漏らしそう・・・な、気がするだけで、わたしはびくともしない。さすが邪神!
・・・・それにしても、わたしの信徒どもは、12使徒も含めて、いまんところ、誰一人、わたしの役にたってくれてないのだが。
ドロシーさんが、部屋着を脱ぎ捨てた。わたしも見たことのある、あの銀のボディスーツだ。
体のラインが筋肉の線まで、くっきりと見える。
たしかギムリウスの糸で作ってあって、斬撃や魔法に耐性が強い。打撃かと思えば組技、関節と見せかけて至近距離からの自爆覚悟の魔法攻撃、と、常に裏をかくのが彼女の戦い方だ。
表情はきりりとしている。
残念姫はさかんに「鶏ガラ」を連発するが、これはルトと仲良くするドロシーさんに対する嫉妬だろう。
はっきりいって、ドロシーさんはスタイルがいい。おっぱいのサイズがどうこういうのなら、フィオリナさんだってねえ・・・
「先にゼナス・ブォレストを殺る。」
オルガっちの表情にまったく暗いところはない。もともと殺人というものに対する禁忌がまるでないのだ。
なんでそうなってしまったかというと、わたしのせいなのだ。
わたしが、人の世に降臨するときの器にするために、わたしの性質に近い形に、オルガを作りあげてしまったのだ。体も心も。
「手筈をきめておこう。まずわらわが左足を斬るから、ドロシーは右足を氷の矢で貫いて。倒れたところにアキルが右手を剣で指す。
それでだいたい動けなくなるから、指を一本ずつ切っていこう・・・」
「あのぉ。オルガっち・・・この場合の手筈ってそういうもんかな。」
「すまん! アキル。指を切るより爪をはがすべきだったな。
悲鳴がもれないように防音の障壁はわらわが構築するから大丈夫なのじゃ。今夜は、別々の寝室にいったのを確認しているから。」
いや、鍵のかかった寝室のドアをどうするか、とか打ち合わせることはいくらでもあるでしょ!
この殺人鬼どもがっ!
唯一、まともだと思っているドロシーさんを見やると、彼女もこちらを見ていた。
「アキル・・・つき合わせしまってごめんなさい。」
やや青い顔で、彼女はぺこりと頭をさげた。
「わたしも・・・どこかで命を奪う戦いをしないといけないと、そう思うから。お願いします。」
殺戮祈願をされても困るう。あ、いいのか、わたし邪神だし。
屋敷の中は静まり返っていた。
最小限の護衛を残すとか、そんな発想はないのだろうか。これはまるで。
ゼナス・ブォレストとキッガを「好きにしてくれ」と、そう言わんばかりじゃないか。
廊下のところどころに、ほの白い魔法の灯りが灯っていた。
この街も電化が進んでいるのは、駅周りのごく一部だけなのだ。
2階に上がろうとした階段の前に、そいつはいた。
「やあ、アキル。」
ウォルトと名乗るルトは、手を上げて挨拶した。
わたしは少しホッとした。なぜって、わたしはドロシーに人を殺させたくはなかったから。
ここで、ルトが待ってるってことは、そういうことだよね。
「部屋に戻っていてくれないかな。この屋敷では今晩、何人かが死ぬんだろうけれど、それはきみたちが手を下す必要はない。」
「アキル!」
オルガっちが言った。なんて楽しそうなんだろう。
「この坊やを知ってるのか?」
「ああ・・・昼間会った時に自己紹介してたでしょ? グランダ出身の学生でミトラに魔法を学ぶために留学中のウォルトくんだよね。」
「その前から知っているよ、のお。」
わたしはオルガっちの顔を見た。わたしによく似た黒い目、黒い髪。ただ、わたしよりも大人でわたしよりも美人だ。
西域八強の一角、銀灰皇国から、指名手配を受ける皇女。闇姫オルガ。
「こんな魔力は見たことがない。」
オルガは、たたんであったデスサイズの刃を開いた。
「わらわは魔道院に留学していたことがあってな。グランダはくそ田舎だったが、ボルテックはなかなか面白いやつだった。
久しぶりに会ったが、あの若作りには驚いたのじゃ。
全く楽しませてくれる。
さて、わらわがかの北国を訪れたのは、もう十年の昔になる。
わらわはボルテックに振られてグランダを去ってしまったから、『一人スタンピート』と『魔王の再来』には、巡り合わずじまいじゃ。」
「・・・・・」
「わらわは、グランダの動向にはずっと気を配っていたのだよ。
絵姿も取り寄せたことがある。
あぬしは、まあハルト王子によく似ておるの!」
「オルガさん・・・確かにウォルトはルトに・・・よく似てますけど。」
ドロシーさんが、言う。
「そうだな。わらわの取り寄せは絵姿は、確かフィオリナとハルトが14のころじゃった!
そういう意味ではそっくりではないの!」
「わたしは・・・ルトを知ってるんです。」
「それがまた面白い!
ルトだかハルトだかいうグランダの傑物を知ってるものはみな、目の前のこやつを別人という。
会ったことのない、わらわだけがこの坊やがハルトだと思っておる。」
「えっと、つまりそれは」
「認識をねじ曲げておるのじゃ。
そんな魔法は古今東西、例を見ぬ。
だが噂に聞くハルト王子ならそのくらいはやってのけるじゃろ。」
「それはまた」
少年はのろのろと言った。
「過分にご評価いただき」
ドロシーさんをみたら、真っ青になって、がくがく震えている。
わたしは、そばによってそっと体を支えてやった。
といってもドロシーさんのほうが背が高いんだけどね。
「うそ・・・ウォルトが、ルト、なの?
そうなの?
なぜわたしは」
泣くな!
泣くほどのことか!
「わたしは、あんなに会いたいと思ってたあいてが目の前にいたのに」
ああ、そっちか。けっこう罪作りなことをしてくれるね、ルト。
「ひとつ、提案なんじゃが」
オルガっちは、睨めつけるようにルトを見ながら!すごい笑いを浮かべた。
「お主は、閉鎖空間をつくれるか?
苦手ならわらわがやるが。」
「それはどういう?」
「決まっておろう!
おぬしとわらわがやり合うのに、アキルたちが邪魔になるからじゃ。
ああ、わらわたちが閉じこもるのではなくて、アキルたちだけを閉じ込めるほうでもよいぞ。
その場合は、わらわたちの戦いの余波で屋敷はふっとぶので、局長どのと性悪女の命も奪えて一石二鳥じゃが?」
「あ、あの」困ったようにルトくんは言った。「そっちだと、屋敷のいるロデリウムのご老公やクローディアの親父殿や」
「なんで、わたしは心配してくれないのかなっ!」
いつのまにか、天井から逆さ吊りになったロウさまがそんな事を言った。
「ドロシーたちはわたしが引率するから、思う存分オルガと遊んでくるが、いいよ!」
「保護者の許可も出たところで」
オルガっちの影が、とろり、と実体味を帯びた。
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