第三帝国再建物語

篠田 雄亮

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帝国再建編

4.

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ヒトラーが、異世界の言葉を覚え始めて四日間が経っていた。

その頃になると、ある程度の日常会話くらいは喋れるようになっていた。

それと、書く能力も達筆とまではいかないが書けるようになったのでヒトラーは、いよいよスピーチを考えるようになっていた。




そんな中、やっと第二小隊が最高司令部に到着したのもこの時だった。

憲兵にゲートで確認され、ゲートを通るとキューベルワーゲンに乗っていたヴェルナーは隊長という事もあって、早速最高司令部のある木で出来た真新しい建物へと入って行った。

入ると、机に大きな地図が乗せてあってペンで地名などがどんどん書き込まれている。

地図を少しチラ見程度に見ると、この最高司令部以外にも基地が二箇所ほど平原と海岸にあるらしかった。

そこで、やっと国防軍の情報収集担当のマイントフェルト大佐が来て説明を事細かにした。

マイントフェルト大佐は、初めてこの異世界に偵察に出た時にかなり活躍したらしい。

というのも、石油と鉄鉱石とコンクリートの材料をこの異世界で見つけたかららしかった。

ヴェルナーは、村で聞いたドラゴンの事と盗賊の事についてしゃべる時にマイントフェルト大佐は、
「ドラゴンか~。パンツァーファウストならやれるかも。盗賊は、そのうち殲滅すればいいにして」
と一人ごちながらメモをしていた。

ヴェルナーは、もしかしてドラゴンと本格的な戦闘に突入するのかと内心ドキドキしながら、その場を後にした。




その頃、海軍は最近見つかったコンクリートの材料で初めにあつまっていた最高司令部に近い海岸で、港を作るべく工事をしていた。

工事は、なかなか進まないのだが船着場ぐらいは何とか完成してUボートを次々接岸していた。

その真横には、兵器工場を構築中であった。

もしも、この兵器工場が完成すれば本格的な戦争に入っても弾丸がまず尽きる事がなくなると、異世界に居た全将兵がいつ大規模な攻撃をかけられ弾がなくなるかと、気にしなくてよくなると心の底から思った。

そんな事に気が回らないとしたら、ヒトラーくらいなものだった。

というのも、言葉を早く覚えて早く民心をつかんで帝国を再建するという事に熱中していたからであった。




そんなある日、ヒトラーは思った。
もう一度、わが闘争の異世界の人向けにした本を出版してある程度支持者を作っておいたらいいのではないのだろうかと…
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