第三帝国再建物語

帝国再建編

10．

晩餐会は、だいたい朝の10時頃から始まった。

ヒトラーは、美術の祭典の時に着ていた黄色っぽい色の服装をして晩餐に臨んだ。

クリスティーナ女王は、女神がよく着ていそうな感じの胸が強調された白いドレスを着ていたので誰もが見ては目が合わないように料理を見たり、話しをしたりしていた。

モーデル元帥は、サラミナス国の将軍達に囲まれて西部戦線や東部戦線の事、それと若き日のドイツ陸軍参謀時代の話しを淡々としてその場を賑にぎわせていた。

ざっとこんな感じで、交流会のような状態であった。

そんな中で、ヒトラーはクリスティーナ女王と密かにこんなやり取りをしていた。

ヒトラーは、SSの憲兵五人に周りを警戒させながらクリスティーナ女王と秘書官であるセシルを総統府の部屋に案内し本題を持ちかけた。
「クリスティーナ女王、これからの事について話したい事があるのだが少しよろしいか？」
と聞くと、クリスティーナ女王は一瞬驚いた顔をあからさまにした。
そして、
「妾に何のようだ？」
と聞くとヒトラーは
「領土について、改めて打ち合わせをしなければと思いましてな」
「その事なら、ワイマル帝国から奪い取って貰った国土から先は、其方そなたの好きなようにするという事ではなかったか」
それに、ヒトラーは薄笑いの表情で
「今、貴国に駐留している我が国の兵士は引き上げさせておくという条約の事だがね。」
と言うとヒトラーは
「引き上げる代わりに、サラミナス国の首都に大使館を設置して貴国とのパイプ役を引き受けてもらって、貴国で見つかった我々にとって欠かせない鉱物を無償で、自由で好きなだけ採掘する権利をもらいたいと思ってな」
と素っ気なく言った。

ドイツ第三帝国とサラミナス国間の国の状態として、現在南を海に面したサラミナス国の西と北と東をドイツ第三帝国がぐるりと占領していた。

クリスティーナ女王は渋々ながらも、国土奪還の事もあり頷くしかなかったのであった。

そんな感じで、裏では着々と外交戦がヒトラーを筆頭に電撃的に実行されていたのであった。

その頃、サラミナス国の沿岸地帯に面した港町を再びワイマル帝国の手中とするべく、ワイマル帝国の海軍提督であるマンチィオ提督率いる十万人からなる兵員を要した上陸部隊が、ワイマル帝国の港から出航したのであった。

それを偶然にも、ドイツ海軍のUボートが発見して海軍司令部に打電したのであった。