第三帝国再建物語

篠田 雄亮

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帝国再建編

11.

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ヒトラーが、クリスティーナ女王と会談を兼ねた晩餐会をしている同日のことであった。


ヒトラーが、ゲルマニアと名付けた帝都では密かにゲシュタポが組織されてヴァルハラの治安維持にあたっていたある日の事である。

実は、異世界に飛ばされたのは兵士だけではなかったのである。

それは、何とヒトラーの事を心から慕う約二十五万人の市民であった。

彼らは、ヒトラーが帝都を作るのに工事を進んで協力して随分と早くほぼ完成という状態までに、役立ってくれたのだった。

その帝都が、完成する直前にやっぱり組織されたのがゲシュタポであった。

というのも、帝都には純粋なドイツ人とされる人達の中に商売に来ていた異世界の者がそのまま住み着くという事が、少なからずあったのでワイマル帝国のスパイや工作員などももしかして紛れ込んでいるかもと警戒した軍上層部の考えがあっての事だった。

それが幸をそうしたのか、たまたま目をつけられていた者の一人が夜な夜な怪しい行動をとっていたのでその者をゲシュタポのルガー拳銃やMP40などの短機関銃で、武装した隊員総勢十人つけた。

すると、舗装された道に面した家の影に入って行ったので更につけたら異世界の者が作った小屋に入っていくではないか、直ぐにゲシュタポの隊員は小屋を包囲する形で、中を伺った。

中では、他にも居るのか話し声が聞こえた。

ゲシュタポの隊員が、耳をそばだてて聞いていると

この場を仕切っていると思われる者が、
「これから、会議を始める」
と年齢がある程度高いと思われる声がした。

そして、
「まずは、俺から。このヴァルハラと称される帝都では容易く侵入出来る所がある。それは、海岸だ。海岸には、やはり将軍の言われた通り敵の防御が薄いと見られるので海岸の断崖で大きな火を起こして、友軍を招き入れる」
と言うと周りは、一瞬どっとなった。

そんな感じで、作戦の詳細を更に詳しく打ち合わせをしようとした時だった。

「そこまでだ!」
と、どこからともなくドイツ訛りの声がしたと同時に小屋のドアが二箇所蹴破られて外から武装したゲシュタポが短機関銃を持って中にいた二十名に向けた。

これには、流石に不意をつかれたのか一瞬固まってしまったが直ぐに数の上ではこちらが有利と思ったのか、場を仕切っていたと思われる男が
「やれー!」
とどなったので慌てて体に隠してあった剣を抜いて向かってきた。

だが、短機関銃であっという間にその男の周りには沢山の死体が築かれた。

その時、ゲシュタポが十人に対して工作員が三人という立場になった。

そして、ゲシュタポの隊員が
「武器を置いて大人しくしたら、危害は加えない!」
と投降を呼びかけると大人しく武装を解いた。

この日、早速工作員を捕らえたゲシュタポの隊長からゲシュタポの本部に身柄を移された。

その時、ゲシュタポの隊長はハインリッヒ・ミュラー長官に事情を事細かに説明したのであった。

そして、身柄を拘束されてから三日間飯をろくに与えず工作員は拷問にかけられてわかったのだがサラミナス国の沿岸地帯に上陸をかけて奪還した後、この帝都にも上陸する予定だとわかったのであった。

こうして、ワイマル帝国の目論見が完全にバレて水の泡に期してしまったのであった。
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